ショパールジャパン株式会社は24日、スペシャルコンテンツ「稲垣啓太、ウォッチメイキングの裏側へ」を特設サイト上にて公開した。
本コンテンツでは、2023年からショパール「アルパイン イーグル」ジャパンアンバサダーを務める、ラグビー選手の稲垣啓太がスイスのジュネーブとフルリエを訪れ、ショパール本社とマニュファクチュール(工房)を初訪問した様子を収めている。ゴールド鋳造やスティールホール、ポリッシングやメティエダールといった各ワークショップを見学し、アルチザンたちとの交流や製作体験を楽しんだ。
今回の訪問において、稲垣とショパール共同社長であるカール・フリードリッヒ・ショイフレ氏が対談を行った様子や、ショパール本社内を見学する様子を収めた動画計4本を、特設サイトおよびショパール公式YouTubeで公開。ショパールの時計づくりとそのこだわりについて、和やかな雰囲気で会話を繰り広げた。英語でにこやかに挨拶をしあう様子も見ることができる。
また、3日間のスイス訪問の最終日に、稲垣にインタビューを実施。ジュネーブとフルリエを訪れての感想を聞いた。さらに、日常での癒しの存在や家庭で大切にしていること、稲垣が考える自身の弱さ、6月に行われた結婚式の思い出、この夏挑戦したいことなどについても語っている。
――ショイフレ氏との対談を振り返って、いかがですか?
稲垣:本社に伺ってショイフレさんと対談ができるなんて、そんな機会は人生でなかなかないと思うので、本当に楽しみにしていました。たくさん質問させていただいたのですが、一番頭の中に残っているのは、サステナビリティについての取り組みのお話です。一つの素材がどういうプロセスで使われてきたのか、運ばれてきたのかまで明確に把握した上で、会社全体でサステナビリティに取り組んでいると聞きました。一丸となってサステナビリティに取り組む中で、社内でも誰がどんな取り組み・行いをしてきたのか、コンペティションも行われているそうです。
そういった取り組みへの姿勢は、モチベーションを保たせることがすごく難しいと思います。僕はラグビー選手として、若い世代の選手たちのモチベーションをどういう風に引き出して取り組みを継続させるかということにちょうど悩んでいたので、自分にとっても勉強になる時間でしたし、改めてショパールの取り組みの姿勢に感銘を受けた時間でもありました。
――稲垣さんも、ラグビー界においてはアルチザン、プロフェッショナルと言える存在だと思います。現地のアルチザンたちとの会話の中で、特に印象に残っていることを教えてください。
稲垣:一人一人の職人が、自分が行っている作業に対して本当にプライドを持っているんだと感じました。実は、僕もいくつかの製作工程を体験させていただいたんですよ。すごく繊細な作業で、もう手が震えてしまって。「この作業を一日に大体どれぐらいやるんですか?」と質問させていただいたんですね。回答は、「1,000回やります」でした。信じられなかったですね。
――「一人一人がプライドを持ってポジションを守る」という姿勢は、ラグビーをはじめとするチームスポーツにおいても大事なことなのかなと思いました。
稲垣:大事だと思います。自分が言ったことにプライドを持つ、そして同時に責任を持つことが大事だと。そういった意味だと、個人的な考えなんですけれど、時計作りとラグビーの組織的な関わり方ってすごく似ているなと思うんですよね。何か一つでも機能しなくなると、チーム全体が機能しなくなってしまう。今回のスイス訪問でも、改めてラグビーにおける自分の存在意義というか、自分がやらなきゃいけないことを明確に考えさせられる時間になりました。そして時計作りの奥深さを、改めて知ることができる素晴らしい機会をいただいたなと思っています。
――ご自身が体験された作業工程を振り返って、点数をつけるとしたら何点でしょうか?
稲垣:点数をつけることすら、おこがましいです(笑)。すごく細いピンを2本使って作業するのですが、細かすぎて扱えている感覚がないんですよね。僕が作業を行わせていただいた部品は記念としていただいたんですけど、もう、出来栄えを目視できるレベルではなかったです。各アルチザンたちの高い技術と、そしてそれを迷いなくやっている自信に満ち溢れた顔が忘れられないですね。
――今回のスイス訪問は、時計がお好きな稲垣さんにとって息抜きにもなったのではないでしょうか?日常での息抜きの方法や、癒しの存在について教えてください。
稲垣:癒しの存在…これはもう、一択しかないんじゃないですか?僕にとって一番大事な息抜きは、やっぱり夫婦の時間だと思っています。お互い忙しいので一緒にいられる時間はそこまで多いわけじゃないのですが、だからこそ一緒に行く朝ごはん、朝のコーヒータイムはすごく大事にしている時間です。
――朝のコーヒーはご自宅ではなく、お出かけされるのですか?
稲垣:はい。二人揃っている時はなるべく自宅ではなく、外に朝ごはんを食べに行くようにしています。いつも行く場所は同じなんですよ。同じメニューを頼んで、同じコーヒーを飲んで。もう4年ぐらいそういうことをやっていて、変わり映えないのかもしれないですけど、その時間がすごく落ち着くんですよね。
――今回時計製造の一部に初挑戦していただきましたが、この夏挑戦したいことや始めたいこと、やってみたいことはございますか?
稲垣:新しく始めたいこと、1個だけあるとしたら、「息継ぎ」を覚えたいです。今日の朝もトレーニングで泳いできたんですけど、泳ぎが得意なわけじゃないんですよ。息継ぎができないので、25mプールがあったら25m息継ぎしないで泳ぎきるしかないんです(笑)。息継ぎしようとすると溺れちゃうんですよね。小さい頃海で溺れた経験があって。克服するところから始めたいですね。
――ショパールの大きな特徴の一つとして「家族経営」があります。家族のあり方について、稲垣さんが大切にしていることはありますか?
稲垣:結婚して2年経ちますが、妻と家族になれて大切にしていることは、「あえて役割分担を決めない」ということですね。何曜日にどっちが何をするという、そういう決め方を僕らはしたことがないんです。なぜかと言うと、妻も僕も第一線でまだまだ活躍したいという気持ちが強いですから、まずお互いのやるべきことをしっかりやりましょう、その中で時間に少し余裕ができたときにお互いをサポートできればいいんじゃないか、ということはよく話しているんです。両方に可能性があるのに、そのどちらかの可能性を狭めてしまうような関係は絶対にやめようという話をしているんですね。だからこそ、お互い刺激がもらえるというか。僕もしっかりやらなきゃなという気持ちにさせてくれますし、そこの考えが共通しているので、良き理解者というか。ちょっとトラブルや不安があったときに相談し合える相手が妻であるということは、やっぱりすごく大きいですね。
――アルチザンのように一人のプロフェッショナルとして、そのお考えにも強さ・逞しさを感じる稲垣さん。あえてご自身の弱さを挙げるとしたら何でしょうか?
稲垣:「弱みを見せない」ということが僕の弱さかなと思っています。「こうありたい、こうあるべきだ」というのが僕は前面に出てしまうので、悩みは絶対に見せないタイプですし、相談ってあんまりしないんですよ。そんな弱い部分を見せられるパートナーと出会えたことには、自分でもびっくりしました。自分の弱い部分を見せても、この人は大丈夫なんだ、と。
――奥様とのお話は、ショパールの過去のインタビューでも聞かせていただいてきました。スイスに来る前に行われたという結婚式の思い出についても、伺ってもよろしいでしょうか?
稲垣:結婚披露宴を終えて一番印象に残っていることとして二人で最初に話したのは、参列してくださった皆さんが本当に楽しそうな、そして嬉しそうなお顔をされていたこと、そしてそれを見ることができたのが一番嬉しかったね、という話でした。
――奥様のドレス姿を最初にご覧になったときのお気持ちはいかがでしたか。
稲垣:いやあ、ちょっと何か、潤んでしまいましたね。自分は泣かないだろうと思っていたんですけれど、そんな感情が自分の中にもあったんだなと思いました。言葉で表現するのは難しいのですが、自然と潤んでしまったので、色んな気持ちや思い出が重なって込み上げてきたのかなと思います。
――今年はスポーツ界において世界的な大会がございます。稲垣さんの今のお気持ちや、スポーツマンの皆さんに思うことを教えてください。
稲垣:大舞台で自分が今まで積み重ねてきたものを披露できる機会は、人生においてそうないですよね。その場を勝ち取った選手たちには、やっぱり悔いを残してほしくないですね。結果が目標に届かなかったという悔しさは僕も経験があるんですけど、何かを出し切れなかったっていう悔しさはなかったんですよ。自分が持っている全ては出せた、それでも届かなかったという結果に、納得はできるんです。納得できずに終わってしまうのが一番もったいないと思うので、出場される選手を僕は本当にアスリートとして尊敬していますし、僕の友人が出場したりもするので、全力応援したいなと思います。
――最後に、今後のアンバサダーとしての意気込みを教えてください。
稲垣:今回の訪問を通して、今、身に着けているこの時計はたくさんの職人の手作業によって誕生しているという背景も知ることができ、よりその魅力を皆さんに知っていただきたいなと、本当に思いました。「アルパイン イーグル」の気に入っている部分の一つとして、コンパスローズのモチーフがデザインされているんですよ。「自分の進むべき方向性を見失わないように」という意味で、僕はこのデザインがとても好きなんですね。「アルパイン イーグル」が誕生したそのプロセスやコレクションに宿るストーリーが僕はすごく大好きで、大切にしているので、皆さんに伝えていきたいなと思ってますね。
本コンテンツでは、2023年からショパール「アルパイン イーグル」ジャパンアンバサダーを務める、ラグビー選手の稲垣啓太がスイスのジュネーブとフルリエを訪れ、ショパール本社とマニュファクチュール(工房)を初訪問した様子を収めている。ゴールド鋳造やスティールホール、ポリッシングやメティエダールといった各ワークショップを見学し、アルチザンたちとの交流や製作体験を楽しんだ。
今回の訪問において、稲垣とショパール共同社長であるカール・フリードリッヒ・ショイフレ氏が対談を行った様子や、ショパール本社内を見学する様子を収めた動画計4本を、特設サイトおよびショパール公式YouTubeで公開。ショパールの時計づくりとそのこだわりについて、和やかな雰囲気で会話を繰り広げた。英語でにこやかに挨拶をしあう様子も見ることができる。
また、3日間のスイス訪問の最終日に、稲垣にインタビューを実施。ジュネーブとフルリエを訪れての感想を聞いた。さらに、日常での癒しの存在や家庭で大切にしていること、稲垣が考える自身の弱さ、6月に行われた結婚式の思い出、この夏挑戦したいことなどについても語っている。
――ショイフレ氏との対談を振り返って、いかがですか?
稲垣:本社に伺ってショイフレさんと対談ができるなんて、そんな機会は人生でなかなかないと思うので、本当に楽しみにしていました。たくさん質問させていただいたのですが、一番頭の中に残っているのは、サステナビリティについての取り組みのお話です。一つの素材がどういうプロセスで使われてきたのか、運ばれてきたのかまで明確に把握した上で、会社全体でサステナビリティに取り組んでいると聞きました。一丸となってサステナビリティに取り組む中で、社内でも誰がどんな取り組み・行いをしてきたのか、コンペティションも行われているそうです。
そういった取り組みへの姿勢は、モチベーションを保たせることがすごく難しいと思います。僕はラグビー選手として、若い世代の選手たちのモチベーションをどういう風に引き出して取り組みを継続させるかということにちょうど悩んでいたので、自分にとっても勉強になる時間でしたし、改めてショパールの取り組みの姿勢に感銘を受けた時間でもありました。
――稲垣さんも、ラグビー界においてはアルチザン、プロフェッショナルと言える存在だと思います。現地のアルチザンたちとの会話の中で、特に印象に残っていることを教えてください。
稲垣:一人一人の職人が、自分が行っている作業に対して本当にプライドを持っているんだと感じました。実は、僕もいくつかの製作工程を体験させていただいたんですよ。すごく繊細な作業で、もう手が震えてしまって。「この作業を一日に大体どれぐらいやるんですか?」と質問させていただいたんですね。回答は、「1,000回やります」でした。信じられなかったですね。
――「一人一人がプライドを持ってポジションを守る」という姿勢は、ラグビーをはじめとするチームスポーツにおいても大事なことなのかなと思いました。
稲垣:大事だと思います。自分が言ったことにプライドを持つ、そして同時に責任を持つことが大事だと。そういった意味だと、個人的な考えなんですけれど、時計作りとラグビーの組織的な関わり方ってすごく似ているなと思うんですよね。何か一つでも機能しなくなると、チーム全体が機能しなくなってしまう。今回のスイス訪問でも、改めてラグビーにおける自分の存在意義というか、自分がやらなきゃいけないことを明確に考えさせられる時間になりました。そして時計作りの奥深さを、改めて知ることができる素晴らしい機会をいただいたなと思っています。
――ご自身が体験された作業工程を振り返って、点数をつけるとしたら何点でしょうか?
稲垣:点数をつけることすら、おこがましいです(笑)。すごく細いピンを2本使って作業するのですが、細かすぎて扱えている感覚がないんですよね。僕が作業を行わせていただいた部品は記念としていただいたんですけど、もう、出来栄えを目視できるレベルではなかったです。各アルチザンたちの高い技術と、そしてそれを迷いなくやっている自信に満ち溢れた顔が忘れられないですね。
――今回のスイス訪問は、時計がお好きな稲垣さんにとって息抜きにもなったのではないでしょうか?日常での息抜きの方法や、癒しの存在について教えてください。
稲垣:癒しの存在…これはもう、一択しかないんじゃないですか?僕にとって一番大事な息抜きは、やっぱり夫婦の時間だと思っています。お互い忙しいので一緒にいられる時間はそこまで多いわけじゃないのですが、だからこそ一緒に行く朝ごはん、朝のコーヒータイムはすごく大事にしている時間です。
――朝のコーヒーはご自宅ではなく、お出かけされるのですか?
稲垣:はい。二人揃っている時はなるべく自宅ではなく、外に朝ごはんを食べに行くようにしています。いつも行く場所は同じなんですよ。同じメニューを頼んで、同じコーヒーを飲んで。もう4年ぐらいそういうことをやっていて、変わり映えないのかもしれないですけど、その時間がすごく落ち着くんですよね。
――今回時計製造の一部に初挑戦していただきましたが、この夏挑戦したいことや始めたいこと、やってみたいことはございますか?
稲垣:新しく始めたいこと、1個だけあるとしたら、「息継ぎ」を覚えたいです。今日の朝もトレーニングで泳いできたんですけど、泳ぎが得意なわけじゃないんですよ。息継ぎができないので、25mプールがあったら25m息継ぎしないで泳ぎきるしかないんです(笑)。息継ぎしようとすると溺れちゃうんですよね。小さい頃海で溺れた経験があって。克服するところから始めたいですね。
――ショパールの大きな特徴の一つとして「家族経営」があります。家族のあり方について、稲垣さんが大切にしていることはありますか?
稲垣:結婚して2年経ちますが、妻と家族になれて大切にしていることは、「あえて役割分担を決めない」ということですね。何曜日にどっちが何をするという、そういう決め方を僕らはしたことがないんです。なぜかと言うと、妻も僕も第一線でまだまだ活躍したいという気持ちが強いですから、まずお互いのやるべきことをしっかりやりましょう、その中で時間に少し余裕ができたときにお互いをサポートできればいいんじゃないか、ということはよく話しているんです。両方に可能性があるのに、そのどちらかの可能性を狭めてしまうような関係は絶対にやめようという話をしているんですね。だからこそ、お互い刺激がもらえるというか。僕もしっかりやらなきゃなという気持ちにさせてくれますし、そこの考えが共通しているので、良き理解者というか。ちょっとトラブルや不安があったときに相談し合える相手が妻であるということは、やっぱりすごく大きいですね。
――アルチザンのように一人のプロフェッショナルとして、そのお考えにも強さ・逞しさを感じる稲垣さん。あえてご自身の弱さを挙げるとしたら何でしょうか?
稲垣:「弱みを見せない」ということが僕の弱さかなと思っています。「こうありたい、こうあるべきだ」というのが僕は前面に出てしまうので、悩みは絶対に見せないタイプですし、相談ってあんまりしないんですよ。そんな弱い部分を見せられるパートナーと出会えたことには、自分でもびっくりしました。自分の弱い部分を見せても、この人は大丈夫なんだ、と。
――奥様とのお話は、ショパールの過去のインタビューでも聞かせていただいてきました。スイスに来る前に行われたという結婚式の思い出についても、伺ってもよろしいでしょうか?
稲垣:結婚披露宴を終えて一番印象に残っていることとして二人で最初に話したのは、参列してくださった皆さんが本当に楽しそうな、そして嬉しそうなお顔をされていたこと、そしてそれを見ることができたのが一番嬉しかったね、という話でした。
――奥様のドレス姿を最初にご覧になったときのお気持ちはいかがでしたか。
稲垣:いやあ、ちょっと何か、潤んでしまいましたね。自分は泣かないだろうと思っていたんですけれど、そんな感情が自分の中にもあったんだなと思いました。言葉で表現するのは難しいのですが、自然と潤んでしまったので、色んな気持ちや思い出が重なって込み上げてきたのかなと思います。
――今年はスポーツ界において世界的な大会がございます。稲垣さんの今のお気持ちや、スポーツマンの皆さんに思うことを教えてください。
稲垣:大舞台で自分が今まで積み重ねてきたものを披露できる機会は、人生においてそうないですよね。その場を勝ち取った選手たちには、やっぱり悔いを残してほしくないですね。結果が目標に届かなかったという悔しさは僕も経験があるんですけど、何かを出し切れなかったっていう悔しさはなかったんですよ。自分が持っている全ては出せた、それでも届かなかったという結果に、納得はできるんです。納得できずに終わってしまうのが一番もったいないと思うので、出場される選手を僕は本当にアスリートとして尊敬していますし、僕の友人が出場したりもするので、全力応援したいなと思います。
――最後に、今後のアンバサダーとしての意気込みを教えてください。
稲垣:今回の訪問を通して、今、身に着けているこの時計はたくさんの職人の手作業によって誕生しているという背景も知ることができ、よりその魅力を皆さんに知っていただきたいなと、本当に思いました。「アルパイン イーグル」の気に入っている部分の一つとして、コンパスローズのモチーフがデザインされているんですよ。「自分の進むべき方向性を見失わないように」という意味で、僕はこのデザインがとても好きなんですね。「アルパイン イーグル」が誕生したそのプロセスやコレクションに宿るストーリーが僕はすごく大好きで、大切にしているので、皆さんに伝えていきたいなと思ってますね。