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保存食や飲料水を「十分に備えている」人は5%未満!?

Entame Plex 2024年8月28日 11時40分

中部電力ミライズ株式会社は、防災の日(9月1日)に向けて、全国47都道府県の男女1,000名を対象に「防災」に関する調査を実施。このたび、その調査結果を発表しました。

日本は、地震、台風、大雨、津波、火山噴火など、気候や地形によって災害が発生しやすい土地といえます。先日は、南海トラフ地震臨時情報として注意が呼びかけられたほか、台風7号の接近などもあり、より災害を身近に感じた人も少なくはないと思われます。年始に発生した大きな災害の記憶も新しい中、アンケート回答者自身の防災への意識が以前と比べて高まっているかを質問しました。



その結果、約6割の人の意識は高まっていることが明らかに。さらに、住んでいる自治体の防災における意識・取り組みに関する質問では、半数以上が高まっていると回答し、回答者自身の意識と近しい結果となりました。意識が「低くなっている」と回答した人はわずかで、災害に対する何かしらの備えが必要であると考える人が多いことが分かりました。

日本国内において、2021年からの直近3年で比較的大きな揺れである震度4以上の地震があったのは、計213回。2018年から前の3年間では、計158回でした。地震の発生数が増えていることが、防災意識に高まりに大きく影響していると考えられます。



北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州・沖縄の8地域で比較すると、最も意識が高まっていたのは、中部地方※でした。中部地方は比較的水害が多いこと、年始の能登半島地震、加えて、静岡県、愛知県、三重県などはこれから起こる可能性の高いとされる南海トラフ地震で甚大な被害が出ると言われており、中部地方に住む人の意識の高まりと関係していると考えられます。2位の「九州・沖縄」も地震に加え、台風などの被害を受けやすい傾向にあり、3位の東北もまた震災の影響を受けていると言えます。

また、8地域の過去3年間における震度4以上の地震発生数が最も多かったのは、能登半島を含む「中部(90回)」、続いて「東北(37回)」、「九州・沖縄(30回)」、「関東(26回)」でした。防災意識の高まりは、地震の発生頻度とかなり密接な関係があると予想できます。

被災経験がある人に対して、持っていてよかったものや、持っていれば良かったと後悔したものについて質問。食料や水、燃料、バッテリーなどの回答が目立ちました。防災用品を備えるにあたり、参考にしてみてはいかがでしょうか。

■持っていてよかったもの、持っていれば良かったもの
「台風で家が停電したとき、懐中電灯を持っていて良かった」(三重県・28歳女性)
「携帯ラジオで情報を早く得られた。ただ、乾電池持ってなかったため、長い時間はラジオを使えなかった」(愛知県・69歳男性)
「食料と飲料水の備蓄は役立った」(山口県・44歳女性)
「備蓄食料は持っていれば良かった。役立ったのは懐中電灯、ラジオ、合羽など」(長野県・48歳男性)
「飲料水。冬だからよかったものの夏の場合は死活問題」(兵庫県・45歳男性)
「食品のストックやトイレットペーパー等の紙類のストック」(神奈川県・37歳女性)
「水道が出なかったから、水を持っていれば良かった」(三重県・51歳女性)
「あって良かったのは、生理用品、飲料水、ウエットティッシュ。あれば良かったのは、ライト、食料、毛布」(佐賀県・25歳女性)
「携帯トイレを持っていればよかった。断水しており、外で用を足すしかなかったから」(山形県・34歳女性)
「トイレをしばらく使えるだけの水を持っておけばよかった」(静岡県・27歳男性)
「バッテリー、非常食、ホッカイロ」(福井県・29歳男性)
「スマホの充電器、モバイルバッテリー、飲み物」(富山県・51歳女性)
「モバイルバッテリーやカセットコンロ、クッキーなどの非常食は助かった」(岩手県・44歳男性)
「蓄電池を持っていたらよかったと思う」(滋賀県・27歳男性)
「普段使いようPC用UPS。 落雷停電でもデーター保存が出来た」(長野県・60歳男性)
「カセットコンロとボンベ。ガスが止まってもカップ麺などを食べられるから」(京都府・45歳男性)
「サンダル。持っていたが、自宅内で使うという発想がなかった。食器が落下して大量に割れ、真夜中だったので怪我が怖かった」(北海道・40歳男性)
「現金。停電でATMが使えなかったから」(宮城県・43歳女性)



被災した際に必要となるのは食料です。そこで、保存食・飲料水の備えについて聞くと、「全く備えていない(15.2%)」「ほとんど備えていない(24.1%)」人は合わせて4割ほどでした。前述の調査で防災への意識が高まっている一方で、保存食・飲料水を「十分に備えている(4.5%)」と、自信を持って言える人は意外にもわずか5%未満という結果でした。

保存食・飲料水を備えていない人を対象に、その理由について尋ねたところ、もっとも多かったのは「保管場所がない(29.7%)」といった物理的な理由でした。「何を備えればいいのかわからない(23.6%)」という、保存食に対する知識不足によって備えていない人、使用するのかわからないのに購入して賞味期限がきれてしまうのが「もったいない(19.6%)」と回答した人も一定数いました。理由を聞いたことにより、保存食・飲料水の備蓄に対する難点が明らかになりました。



防災用の保存食が浸透しない要因のひとつとして、保存食の味にネガティブなイメージがあることが理由かもしれません。そこで、防災用として思い浮かぶ保存食を聞くと、「乾パン(31.3%)」がダントツ1位、2位以下はアウトドアや日常でも食べる機会が多い「カップ麺・乾麺(17.4%)」「レトルト食品(12.4%)」という結果となりました。「乾パン」の歴史は長く、幅広い世代で保存食を連想させるほど定着しているようです。



昨今、防災用として様々な種類の保存食が販売されています。実際に食したことがある人であれば、そのクオリティの高さを認識している人も多いと思います。続いての質問では、おいしそうだと思う防災用保存食について聞きました。1位は、カレー、スープ、おかゆ等の「レトルト食品(25.3%)」でした。次いで2位「カップ麺・乾麺(21.7%)」、3位「缶詰(7.6%)」という結果に。



保存食の賞味期限が近づいたものから消費して、消費した分を補充することで、常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つ方法のことを「ローリングストック」と言います。「ローリングストック」について、知っているかを回答してもらったところ、「まったく知らない(54.5%)」人は全体の半数以上。「言葉・意味ともに知っている(27.3%)」人は3割程度でした。また、意味まで知っている人と知らない人について、保存食・飲料水の備蓄状況を比べたところ、ローリングストックを知っている人の方が圧倒的に、保存食・飲料水を備えているということが分かりました。保存食も日々の食卓で消費すれば、無駄を減らすことができます。現代に合った備蓄方法を知ることで、防災意識の向上と共に、保存食を備えることへのハードルを下げることができるかもしれません。



中部電力ミライズ株式会社は、8月28日より、防災ポータルサイト「カテエネ防災部!」を公開。防災への取り組みを部活動として発信していくということです。また、「こだわりの保存食をおトクに体験!キャンペーン」を9月30日(月)までの実施中なので、ぜひチェックしてみてください。

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