SOMPOケア株式会社は、全国の30代~60代の男女各500名を対象に「未来の介護」に関する調査を実施。このたび、その調査結果を発表しました。
少子高齢化が進む日本では、医療や介護人材の不足など様々な問題を抱えています。身近なところでは、まず両親の介護について考える機会がある人が多いのではないでしょうか。
そこで、親子間(※義父母を含む)で親世代の介護について話し合ったことがあるか質問したところ、「話し合った」と回答したのは、2割程度(21.2%)。約8割(78.8%)は話し合っていないことが分かりました。
年代別で見てみると、話し合っている人は、両親の年齢も比較的若い30代で1割以下(9.2%)、年代が上がるにつれて割合は高くなっているものの、親の年齢が80~90代と考えられる60代でも4割を下回りました(39.2%)。親の介護が身近な世代でも、介護について話し合えていない人が多数派という結果に。また、親の介護は親子間だけの問題ではなく、兄弟姉妹や親族の協力が必要な場合もあります。両親本人を交えて、家族や親族で話し合ったことがあるかという質問では、「話し合っていない」人の割合は、さらに高いことが明らかに(81.1%)。突然訪れるかもしれない介護について、話し合いの機会が持たれることはまだまだ少ないという結果になりました。
親をどのように介護する予定なのか質問したところ、全体の約6割が「まだ決めていない・分からない(64.5%)」と回答。「まだ決めていない・分からない」人を除いて、親の介護方法について一定の見通しが立っている人について見ると、老人ホームなどの「介護施設を利用する(56.0%)」が半数を超え、3割以上が「自宅で介護サービスを利用して介護する(33.6%)」と回答しました。
親の介護について、約9割の人は施設や介護サービスなどの利用を希望しており、「自宅で介護サービスを利用せずに介護する(7.6%)」は、1割弱に留まりました。
介護方法の回答理由について、施設の利用に関しては「各自の生活をこなすため。また、本人の希望」(大阪府・66歳女性)、「介護による負担および心労の方が、デメリットがあると考えられるため」(愛媛県・44歳女性)、「自宅は衛生面、居住性などにおいて不十分だと思うから」(大阪府・51歳男性)、「自分ではどうにもできないこともあるだろうから、他人の手をお借りしたい」(奈良県・32歳女性)といった意見がありました。また、自宅で介護サービスを利用せずに介護予定という回答に関する理由では、「親には世話になったため、他人の手を借りずに自分で世話をしたい」(愛知県・64歳女性)、「サービスを使いたいが本人が拒否している」(北海道・56歳女性)、「自分ができるうちは親の介護は自分でしたい」(和歌山県・54歳男性)などの意見が挙がりました。
自身に介護が必要になった場合にどうしたいか、という質問では、全体の半数が「まだ決めていない・分からない(54.0%)」と回答。60代はほかの年代に比べて、決めている人の割合が高く、「まだ決めていない・分からない」と回答した人は4割(41.6%)ほどでした。自身の介護方法について、「まだ決めていない・分からない」と答えた人を除き、意向がある程度決まっている人について見ると、「介護施設を利用したい(71.9%)」という回答が最も多く、「自宅で介護サービスを利用したい(24.6%)」も4人に1人ほどいました。施設および介護サービスを利用しないで家族に介護してほしいと回答した人はわずかという結果に。親世代の介護以上に、自身については介護サービスを利用したいと考えている人の割合が高いことが分かります。
さらに、将来自身に介護が必要になった場合に介護を頼みたい相手を回答してもらったところ、最も多かったのは7割弱が回答した「介護士・ヘルパー等の専門家(66.1%)」でした。理由としては、「プロの方が要領がいいと思うから」(神奈川県・30歳女性)、「身内に負担をかけたくない(兵庫県・65歳男性)、「プロの方が介護の仕方を知っている」(千葉県・55歳男性)などの意見がありました。続いて、「配偶者・パートナー(15.8%)」と6人に1人程度が回答。「配偶者・パートナー」と回答した人は、男性が19.4%、女性は12.2%と男性の方が女性に比べて多い傾向にありました。
また、「自分の子ども」と答えた人は、わずか6.0%。ほとんどの人は、自分の子どもに介護をしてもらいたいと考えていないことが明らかになりました。
次に、介護業界におけるデータ・テクノロジーの活用について質問しました。将来は、介護施設の利用や介護士・ヘルパー等の専門家に介護を頼むことを検討している人が多数を占めました。一方、日本では少子高齢化が進み、介護を必要とする人と介護を担う人のバランスが大幅に崩れ、今後、介護人材が大幅に不足していくと言われています。また、生産年齢人口が減少していることから、社会保障制度の行く末にも不安の声が高まっています。将来に向かって拡大していく介護人材の不足を見据え、介護業界ではデータやテクノロジーを活用することで、介護サービス利用者へのサービス品質向上と介護職員の負担軽減を両立させるための変革が進められています。
介護現場でデータやテクノロジーが活用されていることに対する認知度は、「知っている(6.5%)」と回答した人はわずかでした。「聞いたことはあるが、よく知らない(25.3%)」および「知らない(68.2%)」と回答した人は9割以上(93.5%)。介護現場におけるテクノロジー活用は、まだほとんど知られていないことが明らかになりました。
車イスのまま入れる入浴装置やおむつ内の排泄状況が分かるシステム、睡眠状態を測定するセンサー、床ずれを防止する装置など、介護を受ける人やその家族が快適かつ安心して過ごせるように、睡眠、入浴、排泄など生活に必要な項目において、テクノロジーが幅広く介護現場で活用されています。こうしたテクノロジーを取り入れた介護サービスについて「受けたい(29.1%)」「どちらかというと受けたい(49.1%)」を合わせると、8割近く(78.2%)の人が肯定的な回答をしました。自身で親の介護を担っている人(一部担っている人を含む)は特に割合が高く、「受けたい(37.3%)」「どちらかというと受けたい(51.0%)」を合わせて9割近い(88.3%)という結果になりました。実際に介護をしているからこその結果と言えそうです。
テクノロジーを活用した方がいい項目に関しては、「排泄(61.4%)」「睡眠(60.6%)」「入浴(59.1%)」に回答が集まりました。「一部活用した方がよい」を合わせると、3項目とも9割を超えています。体力的な負担や衛生面だけでなく、介護する側とされる側双方にとって、センシティブな項目に回答が集まりました。
最後に、テクノロジーの活用に期待すること、一方で人にしかできないことを回答してもらいました。テクノロジーに任せられるところは任せ、人はコミュニケーションなど人にしかできない介護に集中する“未来の介護”を望む意見が目立ちました。
■テクノロジー活用に期待することは何か
「人手不足やミスを減らしたい」(東京都・43歳女性)
「介護は力仕事でもあることを熟知しているので、人間の力では及ばないことを、データやテクノロジーで何とかしてほしい」(静岡県・50歳女性)
「あまりにつらいイメージがあるので介護施設の人がもっと楽になればいいなと思う」(秋田県・31歳女性)
「テクノロジーに任せて、スタッフの方に余裕ができたら、その時間でおしゃべりしたりお散歩に連れて行ってもらったりしてほしい」(大阪府・62歳女性)
「データやテクノロジーにより、介護者の負担が減り、より介護の質が上がること」(東京都・39歳男性)
「介護する人の体力的な負担が減ることで、仕事する方も仕事しやすくなり、なり手が増えるのではないかと思った」(宮城県・54歳女性)
「テクノロジーの活用により介護する人もされる人も精神的に楽になれると感じるから」(東京都・66歳女性)
■人にしかできないことは何だと考えるか
「気遣いや、先回りした行動、とっさの判断」(大分県・33歳女性)
「相手の感情に合わせた会話」(宮城県・63歳女性)
「介護される側の心に寄り添うこと」(埼玉県・63歳女性)
「コミュニケーション(傾聴・受容・共感)などは人にしかできないのではないかと思う」(広島県・61歳女性)
「温かみのある会話」(福岡県・32歳男性)
「会話等の癒やしの部分」(岐阜県・62歳男性)
「曖昧さ、エビデンスにないものを臨機応変に考えることができる」(千葉県・55歳女性)
「心を癒やすコミュニケーションはテクノロジーには代替出来ないと思う」(東京都・66歳女性)
SOMPOケア株式会社の「未来の介護」の取り組みをより多くの人に知ってもらえるよう、ウェブメディア「未来の介護MAGAZINE」を公開しました。
同社の鷲見代表取締役社長が出演した国内最大級ビジネス動画メディアである「PIVOT」の動画、さらには、介護関連の資格を取得している加藤綾菜と、SOMPOケア相談役会長 遠藤との対談動画など、さまざまなコンテンツを掲載していますので、ぜひチェックしてみてはいかが?
少子高齢化が進む日本では、医療や介護人材の不足など様々な問題を抱えています。身近なところでは、まず両親の介護について考える機会がある人が多いのではないでしょうか。
そこで、親子間(※義父母を含む)で親世代の介護について話し合ったことがあるか質問したところ、「話し合った」と回答したのは、2割程度(21.2%)。約8割(78.8%)は話し合っていないことが分かりました。
年代別で見てみると、話し合っている人は、両親の年齢も比較的若い30代で1割以下(9.2%)、年代が上がるにつれて割合は高くなっているものの、親の年齢が80~90代と考えられる60代でも4割を下回りました(39.2%)。親の介護が身近な世代でも、介護について話し合えていない人が多数派という結果に。また、親の介護は親子間だけの問題ではなく、兄弟姉妹や親族の協力が必要な場合もあります。両親本人を交えて、家族や親族で話し合ったことがあるかという質問では、「話し合っていない」人の割合は、さらに高いことが明らかに(81.1%)。突然訪れるかもしれない介護について、話し合いの機会が持たれることはまだまだ少ないという結果になりました。
親をどのように介護する予定なのか質問したところ、全体の約6割が「まだ決めていない・分からない(64.5%)」と回答。「まだ決めていない・分からない」人を除いて、親の介護方法について一定の見通しが立っている人について見ると、老人ホームなどの「介護施設を利用する(56.0%)」が半数を超え、3割以上が「自宅で介護サービスを利用して介護する(33.6%)」と回答しました。
親の介護について、約9割の人は施設や介護サービスなどの利用を希望しており、「自宅で介護サービスを利用せずに介護する(7.6%)」は、1割弱に留まりました。
介護方法の回答理由について、施設の利用に関しては「各自の生活をこなすため。また、本人の希望」(大阪府・66歳女性)、「介護による負担および心労の方が、デメリットがあると考えられるため」(愛媛県・44歳女性)、「自宅は衛生面、居住性などにおいて不十分だと思うから」(大阪府・51歳男性)、「自分ではどうにもできないこともあるだろうから、他人の手をお借りしたい」(奈良県・32歳女性)といった意見がありました。また、自宅で介護サービスを利用せずに介護予定という回答に関する理由では、「親には世話になったため、他人の手を借りずに自分で世話をしたい」(愛知県・64歳女性)、「サービスを使いたいが本人が拒否している」(北海道・56歳女性)、「自分ができるうちは親の介護は自分でしたい」(和歌山県・54歳男性)などの意見が挙がりました。
自身に介護が必要になった場合にどうしたいか、という質問では、全体の半数が「まだ決めていない・分からない(54.0%)」と回答。60代はほかの年代に比べて、決めている人の割合が高く、「まだ決めていない・分からない」と回答した人は4割(41.6%)ほどでした。自身の介護方法について、「まだ決めていない・分からない」と答えた人を除き、意向がある程度決まっている人について見ると、「介護施設を利用したい(71.9%)」という回答が最も多く、「自宅で介護サービスを利用したい(24.6%)」も4人に1人ほどいました。施設および介護サービスを利用しないで家族に介護してほしいと回答した人はわずかという結果に。親世代の介護以上に、自身については介護サービスを利用したいと考えている人の割合が高いことが分かります。
さらに、将来自身に介護が必要になった場合に介護を頼みたい相手を回答してもらったところ、最も多かったのは7割弱が回答した「介護士・ヘルパー等の専門家(66.1%)」でした。理由としては、「プロの方が要領がいいと思うから」(神奈川県・30歳女性)、「身内に負担をかけたくない(兵庫県・65歳男性)、「プロの方が介護の仕方を知っている」(千葉県・55歳男性)などの意見がありました。続いて、「配偶者・パートナー(15.8%)」と6人に1人程度が回答。「配偶者・パートナー」と回答した人は、男性が19.4%、女性は12.2%と男性の方が女性に比べて多い傾向にありました。
また、「自分の子ども」と答えた人は、わずか6.0%。ほとんどの人は、自分の子どもに介護をしてもらいたいと考えていないことが明らかになりました。
次に、介護業界におけるデータ・テクノロジーの活用について質問しました。将来は、介護施設の利用や介護士・ヘルパー等の専門家に介護を頼むことを検討している人が多数を占めました。一方、日本では少子高齢化が進み、介護を必要とする人と介護を担う人のバランスが大幅に崩れ、今後、介護人材が大幅に不足していくと言われています。また、生産年齢人口が減少していることから、社会保障制度の行く末にも不安の声が高まっています。将来に向かって拡大していく介護人材の不足を見据え、介護業界ではデータやテクノロジーを活用することで、介護サービス利用者へのサービス品質向上と介護職員の負担軽減を両立させるための変革が進められています。
介護現場でデータやテクノロジーが活用されていることに対する認知度は、「知っている(6.5%)」と回答した人はわずかでした。「聞いたことはあるが、よく知らない(25.3%)」および「知らない(68.2%)」と回答した人は9割以上(93.5%)。介護現場におけるテクノロジー活用は、まだほとんど知られていないことが明らかになりました。
車イスのまま入れる入浴装置やおむつ内の排泄状況が分かるシステム、睡眠状態を測定するセンサー、床ずれを防止する装置など、介護を受ける人やその家族が快適かつ安心して過ごせるように、睡眠、入浴、排泄など生活に必要な項目において、テクノロジーが幅広く介護現場で活用されています。こうしたテクノロジーを取り入れた介護サービスについて「受けたい(29.1%)」「どちらかというと受けたい(49.1%)」を合わせると、8割近く(78.2%)の人が肯定的な回答をしました。自身で親の介護を担っている人(一部担っている人を含む)は特に割合が高く、「受けたい(37.3%)」「どちらかというと受けたい(51.0%)」を合わせて9割近い(88.3%)という結果になりました。実際に介護をしているからこその結果と言えそうです。
テクノロジーを活用した方がいい項目に関しては、「排泄(61.4%)」「睡眠(60.6%)」「入浴(59.1%)」に回答が集まりました。「一部活用した方がよい」を合わせると、3項目とも9割を超えています。体力的な負担や衛生面だけでなく、介護する側とされる側双方にとって、センシティブな項目に回答が集まりました。
最後に、テクノロジーの活用に期待すること、一方で人にしかできないことを回答してもらいました。テクノロジーに任せられるところは任せ、人はコミュニケーションなど人にしかできない介護に集中する“未来の介護”を望む意見が目立ちました。
■テクノロジー活用に期待することは何か
「人手不足やミスを減らしたい」(東京都・43歳女性)
「介護は力仕事でもあることを熟知しているので、人間の力では及ばないことを、データやテクノロジーで何とかしてほしい」(静岡県・50歳女性)
「あまりにつらいイメージがあるので介護施設の人がもっと楽になればいいなと思う」(秋田県・31歳女性)
「テクノロジーに任せて、スタッフの方に余裕ができたら、その時間でおしゃべりしたりお散歩に連れて行ってもらったりしてほしい」(大阪府・62歳女性)
「データやテクノロジーにより、介護者の負担が減り、より介護の質が上がること」(東京都・39歳男性)
「介護する人の体力的な負担が減ることで、仕事する方も仕事しやすくなり、なり手が増えるのではないかと思った」(宮城県・54歳女性)
「テクノロジーの活用により介護する人もされる人も精神的に楽になれると感じるから」(東京都・66歳女性)
■人にしかできないことは何だと考えるか
「気遣いや、先回りした行動、とっさの判断」(大分県・33歳女性)
「相手の感情に合わせた会話」(宮城県・63歳女性)
「介護される側の心に寄り添うこと」(埼玉県・63歳女性)
「コミュニケーション(傾聴・受容・共感)などは人にしかできないのではないかと思う」(広島県・61歳女性)
「温かみのある会話」(福岡県・32歳男性)
「会話等の癒やしの部分」(岐阜県・62歳男性)
「曖昧さ、エビデンスにないものを臨機応変に考えることができる」(千葉県・55歳女性)
「心を癒やすコミュニケーションはテクノロジーには代替出来ないと思う」(東京都・66歳女性)
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同社の鷲見代表取締役社長が出演した国内最大級ビジネス動画メディアである「PIVOT」の動画、さらには、介護関連の資格を取得している加藤綾菜と、SOMPOケア相談役会長 遠藤との対談動画など、さまざまなコンテンツを掲載していますので、ぜひチェックしてみてはいかが?