「週刊少年サンデー」誌上で連載中の同名マンガを実写化した映画『銀の匙 Silver Spoon』が、早くも10月15日(水)にブルーレイ&DVDで発売となる。これを記念して、このたび本作でメガホンを握った吉田恵輔監督にインタビュー! 北海道の農業高校を舞台に酪農と青春を描いた感動エンターテインメントの製作秘話、さらには爽やかで骨太な青春ドラマの作風同様、吉田監督の熱い想い、感動とユーモアも絡めて赤裸々に語ってくれた。
――今作は有名な原作がありますが、これまでの監督作品と比べていかがでした?
「『ばしゃ馬さんとビッグマウス』(2013)までは実体験さらけ出し系のオリジナル作品でしたが、これはスタートからまず違う。原作の漫画が人気なので、ひとりでに成立するような気配はありました(笑)。でも、もともと原作を映画化することに対しての抵抗はないほうで、しかも、これはすべてが決まった後にオレが入っていったので、撮る前から安定感がありました。だから作品に向き合えたというか、作品に集中して過ごせました」
――反対に有名原作ということで、撮影する過程で苦労したことはありますか?
「難しかったことは、物語が現在進行形でのスタートだったので、映画の中での終わりが見えにくかったことですね。入りと中盤まではいいけれど、出口が見えないまま受けて(笑)。駒場が離農したり、お祭りがあったり、やり始めて見えてきた要素もあったので、そこでうまく決着できたかなって。もっと早めにオファーを受けていたら、もっと困っていたと思いますね(笑)。おそらく、全然違う映画になっていた可能性もありますよね(笑)」
――爽やかで骨太な印象の青春物語でしたが、青春モノに対するイメージは?
「基本的に酪農の世界は――というか、これは酪農をやって主人公が変わるという物語ではなく、いろいろな出会いがあって共有していく過程で変わっていく話だと思うので、そこには2つの要素があるわけですよ。1つはいつも僕が描いている人と人との関係性、距離感を描いている作品であって、そこに2つの目の要素としてハウツーもの、酪農ハウツーが入ってくる。実は『ばしゃ馬さんとビッグマウス』も似た構成で、脚本家ハウツーですよね。ただ、構造としては似ていても、パッケージ感で言うと酪農感や北海道という存在感がめちゃくちゃ強い。でも、スケールが違っても、オレがやりたいことって変わらないなって思いますね」
――変わったことと言うと、動物が入ったことでしょうか。撮影は大変だそうですね。
「まあ、地獄ですよね(笑)。撮り方もまったくの未経験なので、想像がつかなかった。どう撮っていいかわからない状態でロケ。これもまったく想像がつかなかった。それがオレだけならいいですが、お客さんも観たことないわけで、だから説明ができない。たとえば学校で授業→次のシーンで体育館に変わっても、それって意味わかるじゃないですか。休み時間かなとか。それが学校で授業→イキナリ牛の世話だと、意味不明ですよね(笑)。そもそも学校の場所さえ怪しくなってしまう。ある程度説明が要るので、それは難しかった」
――そんな渾身の『銀の匙 Silver Spoon』、ブルーレイ&DVDを待っているファンの方々へメッセージを。
「難しいですね(笑)。全体的にキャストが多く、動物も多いので、実は物語の中心以外にもドラマがあって、1回目見逃したエピソードとかがあると思うので、何度も発見があると思います。それってパッケージとして手元に持っているとわかることなので、それはポイントでしょうね。後はサラッと見せるために、どれだけオレたちが苦労したかをメイキングで見てほしい。映画がいかに大変かよくわかると思うので、よろしくお願いします(笑)」
『銀の匙 Silver Spoon』ブルーレイ&DVDは、2014年10月15日(水)リリース。
© 2014年映画『銀の匙 Silver Spoon』製作委員会 © 荒川弘/小学館
取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)
――今作は有名な原作がありますが、これまでの監督作品と比べていかがでした?
「『ばしゃ馬さんとビッグマウス』(2013)までは実体験さらけ出し系のオリジナル作品でしたが、これはスタートからまず違う。原作の漫画が人気なので、ひとりでに成立するような気配はありました(笑)。でも、もともと原作を映画化することに対しての抵抗はないほうで、しかも、これはすべてが決まった後にオレが入っていったので、撮る前から安定感がありました。だから作品に向き合えたというか、作品に集中して過ごせました」
――反対に有名原作ということで、撮影する過程で苦労したことはありますか?
「難しかったことは、物語が現在進行形でのスタートだったので、映画の中での終わりが見えにくかったことですね。入りと中盤まではいいけれど、出口が見えないまま受けて(笑)。駒場が離農したり、お祭りがあったり、やり始めて見えてきた要素もあったので、そこでうまく決着できたかなって。もっと早めにオファーを受けていたら、もっと困っていたと思いますね(笑)。おそらく、全然違う映画になっていた可能性もありますよね(笑)」
――爽やかで骨太な印象の青春物語でしたが、青春モノに対するイメージは?
「基本的に酪農の世界は――というか、これは酪農をやって主人公が変わるという物語ではなく、いろいろな出会いがあって共有していく過程で変わっていく話だと思うので、そこには2つの要素があるわけですよ。1つはいつも僕が描いている人と人との関係性、距離感を描いている作品であって、そこに2つの目の要素としてハウツーもの、酪農ハウツーが入ってくる。実は『ばしゃ馬さんとビッグマウス』も似た構成で、脚本家ハウツーですよね。ただ、構造としては似ていても、パッケージ感で言うと酪農感や北海道という存在感がめちゃくちゃ強い。でも、スケールが違っても、オレがやりたいことって変わらないなって思いますね」
――変わったことと言うと、動物が入ったことでしょうか。撮影は大変だそうですね。
「まあ、地獄ですよね(笑)。撮り方もまったくの未経験なので、想像がつかなかった。どう撮っていいかわからない状態でロケ。これもまったく想像がつかなかった。それがオレだけならいいですが、お客さんも観たことないわけで、だから説明ができない。たとえば学校で授業→次のシーンで体育館に変わっても、それって意味わかるじゃないですか。休み時間かなとか。それが学校で授業→イキナリ牛の世話だと、意味不明ですよね(笑)。そもそも学校の場所さえ怪しくなってしまう。ある程度説明が要るので、それは難しかった」
――そんな渾身の『銀の匙 Silver Spoon』、ブルーレイ&DVDを待っているファンの方々へメッセージを。
「難しいですね(笑)。全体的にキャストが多く、動物も多いので、実は物語の中心以外にもドラマがあって、1回目見逃したエピソードとかがあると思うので、何度も発見があると思います。それってパッケージとして手元に持っているとわかることなので、それはポイントでしょうね。後はサラッと見せるために、どれだけオレたちが苦労したかをメイキングで見てほしい。映画がいかに大変かよくわかると思うので、よろしくお願いします(笑)」
『銀の匙 Silver Spoon』ブルーレイ&DVDは、2014年10月15日(水)リリース。
© 2014年映画『銀の匙 Silver Spoon』製作委員会 © 荒川弘/小学館
取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)