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金子ノブアキ、“酔っぱらったときの俺と似てる”ハマり役「ハング」小沢俊介

Entame Plex 2014年10月20日 12時1分

「現場はめちゃくちゃ楽しかったっすね。こういうむさ苦しい現場の方が得意なので(笑)」

そう語るのは金子ノブアキ。大河ドラマ「軍師官兵衛」をはじめ、役者として数々のドラマに出演すると同時に、ロックバンド:RIZEのドラマーとしても奮闘。今まさに八面六臂の活躍を見せる彼が、dビデオで現在独占配信中のスペシャルドラマ「ハング」出演にあたって、そんな率直な感想を開口一番語ってくれた。今回彼は市原隼人演じる主人公:津原英太の相棒、小沢俊介役を熱演。自ら“エポックな作品になった”と話す「ハング」、金子にとって今作が持つ意味とは……。



——今回の役、小沢俊介についてはどんな印象を持ってます?
「とにかく情に厚くて、一見軽薄そうだけど実は一番みんなのことを考えてる、ものすごくいいヤツですね。俺も大好きです」

——自分と比べてみてどうですか?
「似てると思いますね……酔っぱらったときの俺と(笑)。ただ、根はすごく真面目だと思うし、こういう役回りはある程度経験がないとなり得ない、でないとただのアホになっちゃうので。そういう意味でも彼はスゴいと思いますね。でもその反面、本人はきっと闇を抱えてるんだろうし、いろいろあったんだろうなって思いながら演じてました」

——小沢は今作の中でもかなりのキーパーソン、物語の核になってくるわけですが、もしも金子さんが小沢的な立場になってしまったらどうします?
「同じ判断がしたいなと思いますね。どうしても許せないことがあれば、とことん追い詰めたい。採算やプライドも度外視してね。小沢のそんなところにリスペクトが生まれたし、男として憧れます」

——でも、男にはモテるけど、女にはモテない感じですよね。
「そこがまたいいんですよ。めっちゃ風俗行ってるんだろうなって感じが(笑)。小沢は恋したら奥手でしょうね。しかも、いつもいい人止まりみたいな(笑)。でもそんな彼がすごく愛おしい。小沢でスピンオフできないかな(笑)」



——そんな小沢をはじめ、今作は濃いキャラクターが満載でした。
「ホント濃かったっすね。しかも男ばっかで(笑)。蓮佛(美沙子)さんも出てるんですけど、俺はほぼ会うこともなかったし。女のいない現場、目の保養にはまったくならないし、疲れはたまりやすいんですけど、とにかく楽しい現場でした(笑)。主演の(市原)隼人くんも、元々バンド(RIZE)で交流があって、歌ってもらったり、ライブに出てもらったりしてたんですよね。ただ、お芝居で共演するのは初めてで。いつかやりたいねって言ってたので、今回はまさに待望って感じで」

——「ハング」は、誉田哲也さんの同名小説が原作。誉田作品には、以前「ストロベリーナイト」に出演されて以来2度目ですね。こういったハードな作品はどうですか?
「好きですね、見るのも演るのも。なんでもっとないのかなって感じ。いろいろ難しいとは思うんですけど、ユーザーも求めてると思うんですよ。そういう意味では、この作品は勇敢なチャレンジだと思いますね。俺は常々表現の自由は失われるべきじゃないと思ってて。そもそも少年時代からバンドを組んでるのもある種反骨だし、今なおレベルミュージックをやってるわけで。大きなメディアになるほど難しいかもしれないけど、こういう作品がどんどん出てくればいいのになって思いますね」

——今回のドラマもまたかなり刺激的な作品でした。
「昨今あまりない感じですよね。演じながら“スゲエな”って思ったし(笑)。個人的には昔見た映画『アンタッチャブル』とかを彷彿させましたね。あと、このタッチでこの尺感というのも多分前例がないと思うし、それでいてスケール的にも普通に映画を撮ってるのと変わらなかったし」



——スケール感は大きかったですね。
「爆破とかもスゴかったんですよ。見ていて“これは死ぬな”ってくらい、説得力があって(笑)。今回の現場は、本当にいいものを作りたいっていう意識が充満してましたね。どの現場も意識は高いんですけど、今回のような骨太な作品は特にそういうのがわかりやすく出てて。(作品のメインとなる)堀田班のメンバーの感じも最高だったし、(撮影)期間としては2週間ぐらいだったんですけど、すごく密度が濃かったからずっとやってるような感じがして。掛け合いも面白かったし、バランスも良かったと思いますね」

——今作は、“巨大な闇に立ち向かう”ことがテーマになってますが、金子さん個人的に今抱えてる闇とかあります?
「3日前に落とし物をして、それにまつわる諸々がいろいろ大変で……今巨大な闇に立ち向かってる状況です(笑)」

——「ハング」は、金子さんにとってどんな作品になりました?
「媒体の種類、内容も含めて個人的にもエポックな作品になりましたね。今後、この作品がきっかけとなって、挑戦的な作品が増えていったらうれしいですね。一度そういった風向きができると、みんなもう少し攻められると思うし。今回は自分も戒められた感がありました。こういうのをやっていかないとダメなんだなって」

——金子さんの中でも印象に残る1作になったと。
「スマホでも見れるコンテンツ、みんながどこでも気軽に見れるようなものでここまでの作品が出てきたら、日本のドラマももっと人気が出ると思うんですよね。今は海外ドラマを求めているユーザーも増えてると思うんですけど、向こうは潤沢な予算や演者の力量とかだけじゃなく、そもそものコンセプトというか、意識の高い作品を作ってる。それが大事だと思う。そうすることでいろいろと底上げされるわけで。そういう意味では、『ハング』は素晴らしい作品だったと思いますね。こういう意識のある作品は崇高だし、美しい。そんな作品に出れてよかった」

——現在は大河ドラマ「軍師官兵衛」にも出演され、さらには今作とは対照的な「多摩川区役所 of THE dead」にも出演中。役者としてかなり充実しているのでは?
「これ(『ハング』)を撮った次の日から、俺と(高橋)努くんは『多摩川区役所 of THE dead』の現場だったんですよ。そのギャップはスゴかったですね。しかも、努くんは『多摩川〜』では筋トレばっかしてる役、昨日まで殺しまくってたくせにね(笑)。でも、そういったことがあるからこそ、この仕事はやめられないんですよね。シリアスなものも、ふざけたものも必要で、それぞれにいろいろな良さがあるわけで。『多摩川区役所 of THE dead』もめっちゃキレててヤバいし。最近は恵まれてるなって思います。しかも役者としてだけでなく、バンドでも音源を出してライブもできて」



——バンドとしての活動も楽しい?
「最近はライブとか、バンドで活動する日はオフみたいな感覚。昔とはかなり変わりましたね。今は雰囲気もいいし、やっててすごく楽しい。バンドでの活動もこのままやっていければ最高ですね」

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