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肉食系アクション映画『ヘラクレス』のブレット・ラトナー監督に来日インタビュー!

Entame Plex 2014年10月29日 20時1分

ギリシャ神話史上最強の英雄ヘラクレスを、ハリウッド・マネーメイキングNo.1のドウェイン・ジョンソンが縦横無尽に暴れまわって演じた肉食系アクション『ヘラクレス』が公開中! 洋画のアクション作品が苦戦を強いられている昨今、10月24日より全国633館で3D、2Dともに上映され、週末以降の累計興行収入は1億3,880万円を記録。今週末の11月1日(土)ファーストデー、3連休の興収も期待大だ。この話題作『ヘラクレス』について、今回は公開前に来日を果たしたブレット・ラトナー監督にインタビュー。みんな大好き! ラトナー監督印の痛快活劇を生み出す秘訣などを聞いた。



――プロレスラー:ザ・ロックとしても知られるヘラクレス役のドウェイン・ジョンソンが雄叫びを上げ、兵士を鼓舞する口上を披露するシーンなど、普段のロック様がプロレスリングでやっている人気演出ですが、意図的な演出ですよね?
「いや、そうじゃないよ。プロレスラーとしてだけでなく、彼の人間性を参考にしたまでだ。彼はとてつもないカリスマで、人のヤル気を喚起する男。職業倫理、プロ意識が異常に高いわけだ。2時とか4時とか日が昇る前に起きて何度もワークアウトをして――それって朝8時ころの撮影のためにだ。ワークアウトの後にステーキを8枚と卵焼きを12個食べて、それからまたワークアウト。そういうことを参考にして、役柄の要素を強めてみたよ」



――それ尋常じゃないですね(笑)。確かに映画を観ると、人間臭いヘラクレスでした。自分の運命に苦しみ、ヒロイックな存在の前にひとりの人間という意味で斬新ですね。
「もともとの伝説や神話は知っていたが、この映画の元になったグラフィックノベルを見た時に、ヘラクレスの脱神話を描いていた。そこにクロサワ(黒澤明)の『七人の侍』みたいな傭兵が出てくる。それは、これまでのヘラクレスとはまったく違うもので、面白いと思った。伝説や難業は知っていたが、確かに人間ヘラクレスのことは誰も知らない。彼自身もゼウスの子であることを信じていないが、自分の中にある力に気づいてヒーローになっていくんだ」

――その延長で、人間味が出るリアルなアクションにこだわったわけですか? “300(スリーハンドレッド)”的なフルCG全開で描くスタイルが流行っているので、そういう選択肢もあったと思いますが。
「スタジオはもっとCGIを使えって言っていた。でも、この映画は地に足がついた生々しい映画にしたかったので、セットを絶対作ると言い張った。そこで、国外のブタペストでセットを作った。物価や労働コストは安かったが、それでもかなり金はかかったかな。でも、CGIで作る方が巨費はかかったと思う。なので、完成度はこっちのほうが上だと思うよ」

――もともとラトナー監督が手がけるアクションは、観ていてワクワクすることが多いと思っていましたが、受け手が瞬間で感情移入するアクション映画を撮るコツは何ですか?
「僕は戦闘シーンを描いている時でも、前面に出てくる要素はキャラクターだと思っていて、それは大事なポイントだ。観客が喜んで拍手をするようなシーンがほしいので、受け手に影響を与え、共感して楽しんでほしいわけ。第一、劇場で一緒に泣いたり笑ったりすることは楽しい経験だと思わないか? だから僕は自分が売っている商品は、アドレナリンのラッシュだと思っている。一緒になって感じる瞬間を共有したいと思っているので、アクションでも娯楽性を重要視する。ただ単に、僕がいまだにガキだからかもしれないけど(笑)」



――日本の映画ファンの中には、ラトナー監督の『ラッシュアワー』シリーズのファンがとても多いです! 最後に日本の映画ファンに向けて、メッセージをお願いいたします!
「僕はクロサワや日本映画の大ファンなので、アクションのシーンの撮影では先人たちに対して謙虚な気持ちで、リスペクトしながら作ったよ。僕はクロサワや偉大なマスターにはなれないが、自分だけのやり方で違うタイプの楽しい映画を作っている自負はある。だから、皆さんには楽しんでほしい。エンタメで娯楽性がある作品を作った自信があって、ギリシャ神話のヒーローのファンでなくとも共感できる映画を作ったので楽しんでください」

映画『ヘラクレス』は、大ヒット上映中!

© 2014 Paramount Pictures. All Rights Reserved
取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

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