ベストセラー作家・宮部みゆきが、構想15年、執筆に9年を費やしたミステリー巨編『ソロモンの偽証』を、成島出監督をはじめとする『八日目の蟬』チームが再結集し、完全映画化。今回は2部作として制作され、その<前篇・事件>が3月7日(土)、<後篇・裁判>が4月11日(土)に公開となる。
いじめや自殺、学校問題、マスコミ報道、家庭内暴力など現代が抱えるさまざまな社会問題に一石を投じる本作で中学生役を演じたのは、1万人にも及ぶ候補者の中から1年強に渡る選考や研修期間を経て、選び抜かれた新鋭33人の少年少女たち。この熾烈なオーディションで主演に抜擢された藤野涼子は、本作への出演をきっかけに役名でデビューという、まさに異例の新人女優。
まだ何色にも染まっていない純真無垢な体当たりの演技で、不信、諦め、裏切り、絶望、決意、そして希望といった目まぐるしく揺れ動くさまざまな感情を、等身大の“14歳”として見事に体現した藤野涼子とは一体何者なのか――。役名でのデビューに込めた思い、撮影時のことなど話を聞いた。
――まず、藤野さんが女優を志したきっかけは?
「両親がテレビ好きだったので、小さい頃からいろんな番組を観ていて……、いつかテレビに出てみたいなっていう好奇心を持っていました。 “子役(女優)になりたい”と、同じ夢を持っていた友達と一緒に今の事務所のオーディションを受けたのがきっかけです」
――本作のオーディションに挑戦しようと思った理由を教えてください。
「人前に立つことが苦手というか、やったこともなかったので、まずは人前に立って演技をすることに慣れるというと語弊があるかもしれないですけど、そうした思いもあってオーディションを受けました。もちろん、やるからには役をいただきたいという気持ちで挑みました」
――応募者は1万人だったとか。オーディションでは、負けたくなかった?
「家族全員B型なので、負けず嫌いなところはありますね(笑)」
――オーディションから撮影まで1年強もの期間この作品に携わったわけですが、改めて振り返ってみて長かったですか?
「やっている間はすごく長いなって感じていましたが、撮影中盤あたりから終わりが近づくにつれ、『もっともっとこの撮影が出来たらなー』って思ってましたね。 “もっとこうしておけばよかったな”って、今でもその時に戻って演技をしたい気持ちがあるくらいです」
――正式に役が決まるまで、オーディション中には約2ヶ月合同ワークショップ、春休み期間には集中トレーニングなどがあったそうですが、現場はどんな雰囲気でした?
「普通の中学生と同じで部活動をしている学生みたいでした(笑)。エチュード(即興劇)をたくさんしましたし、プライベートではみんなでごはん食べに行ったり。その時間がとても楽しかったですね。一生の友達ができたなって思います」
――そして主役に抜擢された訳ですが、本作で演じた役名で今後活動していこうと決めたのはなぜ?
「どうしても人間って大切なことを忘れてしまうこともあると思うんです。わたしの原点である『ソロモンの偽証』で得たことを、どうしても忘れたくなくて……、ずっと“涼子”って呼ばれてたら大人になってもこの作品のことを思い出せるんじゃないかと思って、原作の宮部みゆきさんから直接いただきました」
――正式に役が決まるまで、オーディション中には約2ヶ月合同ワークショップ、春休み期間には集中トレーニングなどがあったそうですが、現場はどんな雰囲気でした?
「普通の中学生と同じで部活動をしている学生みたいでした(笑)。エチュード(即興劇)をたくさんしましたし、プライベートではみんなでごはん食べに行ったり。その時間がとても楽しかったですね。一生の友達ができたなって思います」
――そして主役に抜擢された訳ですが、本作で演じた役名で今後活動していこうと決めたのはなぜ?
「どうしても人間って大切なことを忘れてしまうこともあると思うんです。わたしの原点である『ソロモンの偽証』で得たことを、どうしても忘れたくなくて……、ずっと“涼子”って呼ばれてたら大人になってもこの作品のことを思い出せるんじゃないかと思って、原作の宮部みゆきさんから直接いただきました」
――クラスメイトの柏木君に『偽善者』と言われて、すぐさま涙するシーンがありましたが、どう感情をコントロールしたのでしょうか?
「あのシーンは、何度も撮り直して皆さんに迷惑をかけてしまって一番大変でした。監督に求められているものが分からなくて……、すごく悔しい気持ちの中でそれを探し続けて、最後にやっとの思いで感情がスッと入ったんじゃないかなと思える瞬間でした。ようやく藤野涼子になれた本当の涙なんじゃないかなって。だから、あのシーンを予告編映像でも使っていただけたことがとても嬉しかったですね」
――過酷な撮影を終えられて、2月に15歳になったばかりの藤野さんですが、どんな大人になりたいですか?
「今の時代ってインターネット社会でグローバル化が進んでいるので、日常で使う機会がなくても、英語がしゃべれる人になりたいなって思います」
――自分が演じた作品を実際にスクリーンで観た感想は?
「音楽とかが入ると演じた時とはまた違った印象で、自分を客観的にみることができました。いじめとか暴力的なものであったり、情報の量なんかは、本編の舞台となっている1990年代の頃とは違うけど、今の中学生の考え方や感情は、当時の中学生と根本的なところは同じなんだなって感じました」
――では、最後にこの作品のここを観て欲しい! と藤野さんが思うアピールポイントは?
「(生徒役を演じた)みんなそれぞれ個性がすごくて、ひとりひとりの思いや感情が違っているので、登場人物の中で必ず誰かと似ている部分があると思うんです。私は樹理ちゃんかもしれない、私は大出君かもしれないって、その人の感情になりながら『学校内裁判』で一緒に傍聴しているような気持ちで観ていただきたいです」
映画『ソロモンの偽証 前篇・事件』は、3月7日(土)より公開、『ソロモンの偽証 後篇・裁判』は、4月11日(土)より公開。
© 2015 「ソロモンの偽証」製作委員会
いじめや自殺、学校問題、マスコミ報道、家庭内暴力など現代が抱えるさまざまな社会問題に一石を投じる本作で中学生役を演じたのは、1万人にも及ぶ候補者の中から1年強に渡る選考や研修期間を経て、選び抜かれた新鋭33人の少年少女たち。この熾烈なオーディションで主演に抜擢された藤野涼子は、本作への出演をきっかけに役名でデビューという、まさに異例の新人女優。
まだ何色にも染まっていない純真無垢な体当たりの演技で、不信、諦め、裏切り、絶望、決意、そして希望といった目まぐるしく揺れ動くさまざまな感情を、等身大の“14歳”として見事に体現した藤野涼子とは一体何者なのか――。役名でのデビューに込めた思い、撮影時のことなど話を聞いた。
――まず、藤野さんが女優を志したきっかけは?
「両親がテレビ好きだったので、小さい頃からいろんな番組を観ていて……、いつかテレビに出てみたいなっていう好奇心を持っていました。 “子役(女優)になりたい”と、同じ夢を持っていた友達と一緒に今の事務所のオーディションを受けたのがきっかけです」
――本作のオーディションに挑戦しようと思った理由を教えてください。
「人前に立つことが苦手というか、やったこともなかったので、まずは人前に立って演技をすることに慣れるというと語弊があるかもしれないですけど、そうした思いもあってオーディションを受けました。もちろん、やるからには役をいただきたいという気持ちで挑みました」
――応募者は1万人だったとか。オーディションでは、負けたくなかった?
「家族全員B型なので、負けず嫌いなところはありますね(笑)」
――オーディションから撮影まで1年強もの期間この作品に携わったわけですが、改めて振り返ってみて長かったですか?
「やっている間はすごく長いなって感じていましたが、撮影中盤あたりから終わりが近づくにつれ、『もっともっとこの撮影が出来たらなー』って思ってましたね。 “もっとこうしておけばよかったな”って、今でもその時に戻って演技をしたい気持ちがあるくらいです」
――正式に役が決まるまで、オーディション中には約2ヶ月合同ワークショップ、春休み期間には集中トレーニングなどがあったそうですが、現場はどんな雰囲気でした?
「普通の中学生と同じで部活動をしている学生みたいでした(笑)。エチュード(即興劇)をたくさんしましたし、プライベートではみんなでごはん食べに行ったり。その時間がとても楽しかったですね。一生の友達ができたなって思います」
――そして主役に抜擢された訳ですが、本作で演じた役名で今後活動していこうと決めたのはなぜ?
「どうしても人間って大切なことを忘れてしまうこともあると思うんです。わたしの原点である『ソロモンの偽証』で得たことを、どうしても忘れたくなくて……、ずっと“涼子”って呼ばれてたら大人になってもこの作品のことを思い出せるんじゃないかと思って、原作の宮部みゆきさんから直接いただきました」
――正式に役が決まるまで、オーディション中には約2ヶ月合同ワークショップ、春休み期間には集中トレーニングなどがあったそうですが、現場はどんな雰囲気でした?
「普通の中学生と同じで部活動をしている学生みたいでした(笑)。エチュード(即興劇)をたくさんしましたし、プライベートではみんなでごはん食べに行ったり。その時間がとても楽しかったですね。一生の友達ができたなって思います」
――そして主役に抜擢された訳ですが、本作で演じた役名で今後活動していこうと決めたのはなぜ?
「どうしても人間って大切なことを忘れてしまうこともあると思うんです。わたしの原点である『ソロモンの偽証』で得たことを、どうしても忘れたくなくて……、ずっと“涼子”って呼ばれてたら大人になってもこの作品のことを思い出せるんじゃないかと思って、原作の宮部みゆきさんから直接いただきました」
――クラスメイトの柏木君に『偽善者』と言われて、すぐさま涙するシーンがありましたが、どう感情をコントロールしたのでしょうか?
「あのシーンは、何度も撮り直して皆さんに迷惑をかけてしまって一番大変でした。監督に求められているものが分からなくて……、すごく悔しい気持ちの中でそれを探し続けて、最後にやっとの思いで感情がスッと入ったんじゃないかなと思える瞬間でした。ようやく藤野涼子になれた本当の涙なんじゃないかなって。だから、あのシーンを予告編映像でも使っていただけたことがとても嬉しかったですね」
――過酷な撮影を終えられて、2月に15歳になったばかりの藤野さんですが、どんな大人になりたいですか?
「今の時代ってインターネット社会でグローバル化が進んでいるので、日常で使う機会がなくても、英語がしゃべれる人になりたいなって思います」
――自分が演じた作品を実際にスクリーンで観た感想は?
「音楽とかが入ると演じた時とはまた違った印象で、自分を客観的にみることができました。いじめとか暴力的なものであったり、情報の量なんかは、本編の舞台となっている1990年代の頃とは違うけど、今の中学生の考え方や感情は、当時の中学生と根本的なところは同じなんだなって感じました」
――では、最後にこの作品のここを観て欲しい! と藤野さんが思うアピールポイントは?
「(生徒役を演じた)みんなそれぞれ個性がすごくて、ひとりひとりの思いや感情が違っているので、登場人物の中で必ず誰かと似ている部分があると思うんです。私は樹理ちゃんかもしれない、私は大出君かもしれないって、その人の感情になりながら『学校内裁判』で一緒に傍聴しているような気持ちで観ていただきたいです」
映画『ソロモンの偽証 前篇・事件』は、3月7日(土)より公開、『ソロモンの偽証 後篇・裁判』は、4月11日(土)より公開。
© 2015 「ソロモンの偽証」製作委員会