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安藤裕子の新曲はスキマスイッチ書き下ろし!“自分の曲だったらこうはならなかった”

Entame Plex 2015年7月31日 20時5分

シンガーソングライター安藤裕子の新曲「360°(ぜんほうい)サラウンド」は、なんとデビュー日が全く同じというスキマスイッチが作詞作曲を担当した爽快な夏チューン!

音楽活動を始めた当初は“歌うのが嫌い”だったり、一時は“自分の内省的な部分とずっと向き合う毎日が苦しかった”という彼女だが、この新曲はそんなことをみじんも感じさせない、とにかくハッピーな1曲。そんな新曲について、さらにはミュージックビデオもスゴいことになっているようで……そのあたり本人に聞いてみました!



――普段、安藤さんは自分で作詞作曲をされることが多いですが、他人の曲を歌う気分はいかがですか?

「新鮮ですね。そもそも、私の音楽人生って作ることだったんですよ。それはデビューする前から。当時、歌は曲を作るにあたっての付属みたいなもので」

――それはちょっと意外です。

「それに、人前で歌うのが嫌いでした。ただ、ある日目覚めたというか、スイッチが入って。歌うことが気持ちいいみたいな」

――それはいつごろのことですか?

「いつだろう……確か自分のツアーだったと思うんですけど……よく覚えてない(笑)。それまでは歌うのがホント嫌で、ライブ前はいつも熱出してましたね。でも、そこで音楽をやってる理由みたいなものを知ることになったんですよ、音の渦に混ざった瞬間に。そこから音楽との向き合い方も変わりましたね」

――音楽人生が変わったわけですね。

「シンガーソングライターってどこか私小説みたいなもので、24時間自分と対面し、内省的なことばかり見つめてる。でも、そうしていると自分に嫌悪感が生まれてくるんですよ。だから、最初は曲を作ることは楽しいけど、自分のことは見たくなくなってて。そこから、徐々にみんなと歌うことが楽しくなってきて、2010年に『JAPANESE POP』ってアルバムを出したんですけど、そのあたりがチェンジのピークでしたね。当時は、自分の中で“安藤裕子、消えろ!”みたいな気持ちもあって」

――それが一番ヤバい時期だったと。

「そうなんですけど、その頃に作った曲って今でも全部大好きなんですよ。毎日は苦しかったんですけどね、体調も悪くて。その後も子供ができたり、震災があったり、私は大きな渦の中にいたんですけど、やっぱりそこでも悲壮感の漂う曲ばかりでてきて、しかもそういった曲って得てしてキレイで良い曲で。『グッド・バイ』(2013年リリースのアルバム)ぐらいまではそういう感じがありましたね」

――今は?

「もっと音楽って楽しいはずだな、もっと楽しみたいなって思って。それで、去年ぐらいからかな、私の中で変化があって。デビューして12年たちますけど、私にはそれまで音楽やっている友達がいなかったんですよ。ミュージシャンの知り合いとか。なにせ極度の人見知りで(笑)。でも、去年は出会いの年で、それこそスキマスイッチとか、大塚愛さんとかと仲良くなって。みんなと音楽と関係ないおしゃべりをしているうちに、もっと人間として楽しい思いをしていい、もっと遊んでもいいんだって思ったんですよ。あとは、パーソナルな安藤裕子の世界から少し離れたいっていうのもありましたね。今年出したアルバム『あなたが寝てる間に』も、わりとそれを意識して作りました」

――オープンマインドな感じ?

「そうそう。重い状態じゃなく、ちょっと穏やかな感じというか……」

――ある種、悟りを開いた感じ?

「そうかも(笑)。もともと歌うのは好きじゃなかったけど、いつしかその楽しさを知って……でも、そもそも私が最初に音楽を始めたときに褒められたのって歌声だったんですよ。それが嬉しくて歌うことを始めたところもあって。そのころの気持ちに返りたい、ただ歌うってことがしてみたいなって思ったんです。それが今作の起因ですね」

――それで今回はただ歌うべく、スキマスイッチさんに作詞作曲をしてもらったと。スキマの2人とは最初どんな話をしたんですか?

「あえてスキマ節全開にしてくれってお願いしました。そしたら、完璧にスキマの曲になってましたね(笑)。ただ、私の中で今回はボーカリストとして取り組もう、スキマらしさを残しつつも安藤裕子の世界でボーカル安藤裕子じゃないと正解じゃないと思ったので、そこは結構悩みました」



――スキマと安藤裕子のバランス感という意味で?

「そうですね。歌もスキマスイッチの大橋くんが丁寧に仮歌を入れてくれて、彼の場合は譜割も独特だから、それを活かそうとすると、どうしても仮歌を真似する形になっちゃうんですよ。でも、やっぱり私はそこから離れたかったし、しかも女性らしさも出したくて。今回は私の歌声は結構どうでもよくて、ただ大橋くんから離れた女性の歌声になっていてほしいと思ってたんですよね。そういったことを考えながら制作していたんですけど、結構楽しい作業でしたね」

――スキマの曲を遊んでいるような感覚がしました。

「その感覚はありましたね。あとは、歌がうまくなったなって感覚も。この曲って歌うのが普通に難しいんですよ。だから、終わった後、素直によく歌えたなって思って(笑)」

――そうなると、次に自分で曲を作るときにもより幅をもたせることができますね。

「それはわからないですね。今回は、スキマスイッチの曲で遊んだからできたことで、普段の自分の曲だったらこういった声色をセレクトしないと思うし」

――今回だからできたと。

「そうですね。自分の曲だったらこうはならなかったと思います」

――楽曲は夏がテーマになってますが、安藤さんにとって夏ってどんなイメージですか?

「暑い、だるい(笑)。でも、私は結構夏が好きなんですよ。ただ、暑さに弱く、冷房に弱いですけど(笑)。昔は大嫌いだったんですけどね……以前『summer』って曲を作りましたけど、それも一番嫌いな季節だったから作ったくらいで。でも、いつの間にかいいなって思えるようになりました」

――夏に何かやりたいことってあります?

「長年サーフィンがしたいって言っているんですけどね……まだやれてなくて。海には行きます。私はドライブが好きなんですけど、この曲はぴったりですよね」

――あとは、今回ミュージックビデオもスゴいですよね。タイトルと同じく、360度、全方位から見ることができて。

「スゴいですね。びっくりでした。ただ、撮影中はとにかく寂しくて(笑)。撮影がスタートすると、カメラに映らないようにスタッフがみんな茂みとかに隠れてしまうので、1人で舞い踊るって感じで」

――映像にはグラフィックも乗っていて、360度アングルでのこの取り組みは日本初とか。

「みたいですね。グラフィックがあることでアタックが生まれるというか、360度映しているということは、逆に言うと区切りがないんですよ。だから、グラフィックを入れることで映像にリズム感が足されて、すごくいい感じになりました。今回は360度の3Dバージョンの他に、平面で見られる2Dバージョンもあって、それもぜひ見てほしいですね。個人的には、それもファンタジックですごく好きなので」

――シングルにはカップリングで「うしろゆびさされ組」のカバーも収録。これは某番組で披露したところ反響が大きかったとか。

「この曲は、もともと私がカバーしたい曲リストに入っていて、小さい頃から好きな曲だったんですよ。ちなみに、この曲の頭ではウチの娘とアレンジャーの娘が歌ってるんです。そしたら娘がこの曲を覚えて、山登りしてるときとかに歌ってるんですよ。“う~しろゆび♪”って(笑)。原曲がいかにキャッチーなのか、改めて感じました」

【ライブ情報】
8/1 福島 猪苗代湖 「オハラ☆ブレイク’15夏」
8/2 茨城「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」
8/14 北海道「Rising Sun Rock Festival 2015」
8/29 神奈川「音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2015~夏の終わり2015'~」w/Salyu
9/5 東京・池上本門寺「slow live ‘15」
9/6 東京・若洲公園 「TOKYO METROPOLITAN CAMP 2015」
9/20 宮城・塩竈「GAMA ROCK FES 2015」
11/23 大阪・フェスティバルホール 中島みゆき RESPECT LIVE 歌縁

※「360°(ぜんほうい)サラウンド」 ミュージックビデオ(3Dver)は、PCでの閲覧時のみ、一部ブラウザにて体験できない場合がございます。

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