現在、映画やドラマ、舞台など様々なステ―ジに数多くの役者を輩出している劇団EXILE。
そこで今注目を集めているのが、この小野塚勇人だ。
劇団EXILE公演はもちろんのこと、昨年は人気ドラマ「ディア・シスタ―」、そして今年は現在放送中の「HiGH&LOW」、映画「表と裏」などに出演し、評価を高めている彼だが、11月14日(土)より初主演映画「丑刻ニ参ル」が公開となる。
初主演にして初ホラ―、そんな初物尽くしの今作について、さらには劇団EXILE、そして役者としての今後など、小野塚勇人にいろいろと話を聞いてみた。
――そもそもホラー映画って見ます?
「ぶっちゃけ、あまり見ないですね(苦笑)。映画はよく見ますけど、ホラーはなかなか……」
――怖いのは苦手ですか?
「そうでもないですね、お化けとかも大丈夫ですし。そもそも、信じてない派なので(笑)。でも、映画となると怖がらせないといけない、それは大変そうだなって思ってました。あとは、最初ホラーの現場ってどんな感じなんだろうって思ってましたけど、撮影自体はすごく楽しくて」
――ホラーだからって現場はしんみりしているわけじゃないんですね。
「むしろ逆でしたね。怖いものを作るからこそ普段は明るいというか」
――でも、そのギャップは大変じゃなかったですか。撮影前後の気持ちの切り替えとか。
「それはありましたけど、撮影は常に真剣というか、集中していて、そこまで気にならなかったです」
――今回、小野塚さんが演じた役:健二はほとんど笑うことのない役柄でしたが。
「笑ってないですね……本当に。ローなテンションで始まって、徐々にあがっていくんですけど、それも笑いというよりは怒りや悲しみ、そういった方向性でしたし」
――そういったことは私生活に影響はなかったですか?
「さすがにそこまでは(笑)。僕自身そこまで役に引っ張られる方でもないので。ただ、健二のようなインな感じは僕の中にもあるかなと思っていて。監督と話をしながら役に対するアプローチ、擦り合わせをしていったんですけど、わりと自然に入ることができましたし。撮影中もお芝居をしているというより、自然体でいられるところが随所にあって」
――こう言うのもなんですが、健二って人間的にはかなり難しい部類ですよね。そういった部分が小野塚さんの中にもある?
「確かに健二は人とうまく渡り合っていけませんが……僕はそこまでは(笑)。彼は設定としては脚本家で、1人の世界にのめり込んでいくタイプ。あまり人に介入しないし、常に壁があると思うんですよ。だから、今回はあまり目を合わせないでしゃべるようにしたり、そういったところは意識していましたね」
――個人的に、今作は怖いというよりもエグさを感じました。人間関係もかなり複雑でしたし。
「最初にこの本を読ませていただいたとき、怖いという要素もあったんですけど、僕は悲しいというイメージも強くて。必死に生きることや1つのものに対する強い思い、そういったメッセージ性をすごく感じました。日々、様々なことがある中で生き抜いていくこと、それはすごく純粋なことでもあるんですよね。今回は裏のテーマとして、そういった“生きる”“生きたい”という思いが詰まった作品なのかなって思ったし、生に対する必死さやむき出しの感情がすごくリアルに描かれていると思います」
――ラストのシーンはその象徴とも言える感じでしたね。
「この映画はホラー作品ではありますが、いろいろな見方ができると思うんです。そして、様々なキャラクターが出て来るなかで、人それぞれ誰かに同情してしまうこともあると思います。最初は嫌なヤツだと思っていても、最終的には同情してしまうこともあると思うし、個人的にはそういった思いを持っていただけたら嬉しいですね」
――ホラーでもあるだけに、全体的にトーンが暗く、特に途中で出て来る森はスゴいところでしたね。なんでも川松監督の地元だそうですが。
「こんなところよく見つけたなっていう、地元だからこそ知ってるって感じの場所でしたね。あそこに行くまでも、ものすごく細い道で、急斜面もあったり。とにかくスゴい場所でした。そんな中で、今回は監督がリアルな表情が撮りたいということで、僕は撮影時に初めて森に入ったんですよ。暗闇の中、ライト1つ持って入ったんですけど、それはなかなかな感じでしたね(笑)。しかも、ライトでたまたま照らした木に人形が打ち付けられていて。さすがにそのときは驚きました。ただ、そこは驚くシーンじゃなかったのでカットになっちゃいましたけど(笑)」
――小野塚さんなりの今作の見所は?
「すごく疾走感がありますし、ローなトーンから入りつつも最後には行きつく感じはなかなかない感覚だと思います。あとは繊細な人間関係、健二と彼女の関係性や大学の同級生との関係などは、しっかり把握しながら見ていただけると後々の展開がさらに面白くなると思いますね」
――ちなみに、小野塚さんは丑の刻参りとか信じます?
「あまり信じないですね。僕は誰かを呪ったりもしないので」
――逆に呪ってたら驚きですけどね(笑)。
「ですよね(笑)。今回はホラーといってもお化けとかじゃない部分、生きている人間の妬みとか恨みが基本になっていて、そのあたりはすごくリアルに描かれていると思うんです。そして、それが膨張していった結果……人間の怖さを改めて感じましたね」
――お化けとかよりも、実は生身の人間の方が怖いと。
「ジャパニーズ・ホラーは、そういった部分を描くことが長けていると思いますし、今作はそれができたと思います。しかも、日本人独特の風習における怖さ、それは海外にはない独自のものですし。どんな反響があるかわからないですけど、何か心に響くものがあって、生きるということに対して考えてもらえたら嬉しいですね」
――小野塚さんは、普段劇団EXILEのメンバーとして活躍されていますが、映画と舞台、どちらに魅力を感じますか?
「舞台は目の前にお客さんがいて、反応がすぐにある。その高揚感はライブならではの醍醐味ですよね。一方、映画は映画でしっかりと作り込んだ上で、公開までのドキドキ感がある。それはどちらも好きですね」
――では、小野塚さんにとって劇団EXILEとは?
「僕は劇団EXILEがあってこそ今があると思っていて、それは原点というか、帰る場所でもありますね。きっとメンバーみんなそうだと思うし、最近ではみんな映画やドラマなど様々な場所で活躍していますが、劇団EXILEで繋がっていると思うんです。そこは大切な場所であり、家でもあり、すごく安心する場所でありながら、でもみんなで競いあう場所でもある。まわりには尊敬する先輩も大勢いますし、僕はそこで自分に甘えることなく向上心を持って、もっともっと劇団EXILEを輝かせられるような存在になるためにも、外での活動もより一層気合い入れて頑張っていきたいと思ってます」
――最後に、小野塚さんが目指す役者の理想像とは?
「僕がこの役をやったらどんな風になるのか、そんな想像をかき立てられるような存在になりたいですね。どんな役にしろ、ハマったら面白い、見てみたいと言われるような。演技力でなく、自分の人間性、人間性を高めていって常に魅力が出せる、そしてなぜか惹かれる、どうしても目がいってしまう、そんな役者になりたいです」
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そこで今注目を集めているのが、この小野塚勇人だ。
劇団EXILE公演はもちろんのこと、昨年は人気ドラマ「ディア・シスタ―」、そして今年は現在放送中の「HiGH&LOW」、映画「表と裏」などに出演し、評価を高めている彼だが、11月14日(土)より初主演映画「丑刻ニ参ル」が公開となる。
初主演にして初ホラ―、そんな初物尽くしの今作について、さらには劇団EXILE、そして役者としての今後など、小野塚勇人にいろいろと話を聞いてみた。
――そもそもホラー映画って見ます?
「ぶっちゃけ、あまり見ないですね(苦笑)。映画はよく見ますけど、ホラーはなかなか……」
――怖いのは苦手ですか?
「そうでもないですね、お化けとかも大丈夫ですし。そもそも、信じてない派なので(笑)。でも、映画となると怖がらせないといけない、それは大変そうだなって思ってました。あとは、最初ホラーの現場ってどんな感じなんだろうって思ってましたけど、撮影自体はすごく楽しくて」
――ホラーだからって現場はしんみりしているわけじゃないんですね。
「むしろ逆でしたね。怖いものを作るからこそ普段は明るいというか」
――でも、そのギャップは大変じゃなかったですか。撮影前後の気持ちの切り替えとか。
「それはありましたけど、撮影は常に真剣というか、集中していて、そこまで気にならなかったです」
――今回、小野塚さんが演じた役:健二はほとんど笑うことのない役柄でしたが。
「笑ってないですね……本当に。ローなテンションで始まって、徐々にあがっていくんですけど、それも笑いというよりは怒りや悲しみ、そういった方向性でしたし」
――そういったことは私生活に影響はなかったですか?
「さすがにそこまでは(笑)。僕自身そこまで役に引っ張られる方でもないので。ただ、健二のようなインな感じは僕の中にもあるかなと思っていて。監督と話をしながら役に対するアプローチ、擦り合わせをしていったんですけど、わりと自然に入ることができましたし。撮影中もお芝居をしているというより、自然体でいられるところが随所にあって」
――こう言うのもなんですが、健二って人間的にはかなり難しい部類ですよね。そういった部分が小野塚さんの中にもある?
「確かに健二は人とうまく渡り合っていけませんが……僕はそこまでは(笑)。彼は設定としては脚本家で、1人の世界にのめり込んでいくタイプ。あまり人に介入しないし、常に壁があると思うんですよ。だから、今回はあまり目を合わせないでしゃべるようにしたり、そういったところは意識していましたね」
――個人的に、今作は怖いというよりもエグさを感じました。人間関係もかなり複雑でしたし。
「最初にこの本を読ませていただいたとき、怖いという要素もあったんですけど、僕は悲しいというイメージも強くて。必死に生きることや1つのものに対する強い思い、そういったメッセージ性をすごく感じました。日々、様々なことがある中で生き抜いていくこと、それはすごく純粋なことでもあるんですよね。今回は裏のテーマとして、そういった“生きる”“生きたい”という思いが詰まった作品なのかなって思ったし、生に対する必死さやむき出しの感情がすごくリアルに描かれていると思います」
――ラストのシーンはその象徴とも言える感じでしたね。
「この映画はホラー作品ではありますが、いろいろな見方ができると思うんです。そして、様々なキャラクターが出て来るなかで、人それぞれ誰かに同情してしまうこともあると思います。最初は嫌なヤツだと思っていても、最終的には同情してしまうこともあると思うし、個人的にはそういった思いを持っていただけたら嬉しいですね」
――ホラーでもあるだけに、全体的にトーンが暗く、特に途中で出て来る森はスゴいところでしたね。なんでも川松監督の地元だそうですが。
「こんなところよく見つけたなっていう、地元だからこそ知ってるって感じの場所でしたね。あそこに行くまでも、ものすごく細い道で、急斜面もあったり。とにかくスゴい場所でした。そんな中で、今回は監督がリアルな表情が撮りたいということで、僕は撮影時に初めて森に入ったんですよ。暗闇の中、ライト1つ持って入ったんですけど、それはなかなかな感じでしたね(笑)。しかも、ライトでたまたま照らした木に人形が打ち付けられていて。さすがにそのときは驚きました。ただ、そこは驚くシーンじゃなかったのでカットになっちゃいましたけど(笑)」
――小野塚さんなりの今作の見所は?
「すごく疾走感がありますし、ローなトーンから入りつつも最後には行きつく感じはなかなかない感覚だと思います。あとは繊細な人間関係、健二と彼女の関係性や大学の同級生との関係などは、しっかり把握しながら見ていただけると後々の展開がさらに面白くなると思いますね」
――ちなみに、小野塚さんは丑の刻参りとか信じます?
「あまり信じないですね。僕は誰かを呪ったりもしないので」
――逆に呪ってたら驚きですけどね(笑)。
「ですよね(笑)。今回はホラーといってもお化けとかじゃない部分、生きている人間の妬みとか恨みが基本になっていて、そのあたりはすごくリアルに描かれていると思うんです。そして、それが膨張していった結果……人間の怖さを改めて感じましたね」
――お化けとかよりも、実は生身の人間の方が怖いと。
「ジャパニーズ・ホラーは、そういった部分を描くことが長けていると思いますし、今作はそれができたと思います。しかも、日本人独特の風習における怖さ、それは海外にはない独自のものですし。どんな反響があるかわからないですけど、何か心に響くものがあって、生きるということに対して考えてもらえたら嬉しいですね」
――小野塚さんは、普段劇団EXILEのメンバーとして活躍されていますが、映画と舞台、どちらに魅力を感じますか?
「舞台は目の前にお客さんがいて、反応がすぐにある。その高揚感はライブならではの醍醐味ですよね。一方、映画は映画でしっかりと作り込んだ上で、公開までのドキドキ感がある。それはどちらも好きですね」
――では、小野塚さんにとって劇団EXILEとは?
「僕は劇団EXILEがあってこそ今があると思っていて、それは原点というか、帰る場所でもありますね。きっとメンバーみんなそうだと思うし、最近ではみんな映画やドラマなど様々な場所で活躍していますが、劇団EXILEで繋がっていると思うんです。そこは大切な場所であり、家でもあり、すごく安心する場所でありながら、でもみんなで競いあう場所でもある。まわりには尊敬する先輩も大勢いますし、僕はそこで自分に甘えることなく向上心を持って、もっともっと劇団EXILEを輝かせられるような存在になるためにも、外での活動もより一層気合い入れて頑張っていきたいと思ってます」
――最後に、小野塚さんが目指す役者の理想像とは?
「僕がこの役をやったらどんな風になるのか、そんな想像をかき立てられるような存在になりたいですね。どんな役にしろ、ハマったら面白い、見てみたいと言われるような。演技力でなく、自分の人間性、人間性を高めていって常に魅力が出せる、そしてなぜか惹かれる、どうしても目がいってしまう、そんな役者になりたいです」
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