キングオブコント2009王者の称号に裏打ちされたクオリティの高いコントで知られるお笑いトリオ:東京03。そんな彼らが今年6月、赤坂ACTシアターにて4日間にわたり開催したスペシャル公演「取り返しのつかない姿」では、“ふざけていいなら参加したい”と芸人のバカリズムや“ザキヤマ”ことアンタッチャブルの山崎弘也、バナナマン、おぎやはぎ、さらには女優の清水富美加、歌手の篠原ともえやももいろクローバーZの佐々木彩夏など様々なゲストが連日日替わりで参加。チケットは当然即完売、見事大成功を収めたこの公演の模様が早くもDVDとなり11月4日に発売! 豪華なセットやプロジェクション・マッピング、そしてジャズ・バンドまで加わり繰り広げられた3時間以上にも及ぶステージはまさに必見だ。
そんな見どころ満載の彼らの舞台の魅力をパッケージした本作の話題を中心に、
舞台でのエピソードや今後の展望などいろいろと話を聞いた。そこで豊本明長が“取り返しのつかない姿”になってゆく秘話も明かされ……。
――今回DVD化した6月の公演は、お笑いライブとしては異例の長時間公演でしたね。
飯塚悟志(以下、飯塚)「千秋楽は4時間……超えてたのかな? 延長延長で、まあお金かかってますね(笑)。やっぱり山崎(アンタッチャブル)が出るとどうやったって長くなっちゃうんですよ。でも、それだけで盛り上がるんですけどね」
――山崎さんとのコントでは、どこまでが台本なのかわかりませんでした。
飯塚「ほぼアドリブです。山崎が言葉尻を捉えて全然関係のない話をするので、僕らも舞台上で『これ何の話してんだ?』って思いましたね。そのほかにも、ラーメンズの片桐仁さんやバカリズムとか日替わりのゲストはやりたい放題で。台本通りに演じてくれたのは俳優の佐藤隆太くんぐらいでした(笑)」
――(笑)。
飯塚「日村(勇紀)さん(バナナマン)なんか、決められた衣装も着ずに白ブリーフにサスペンダーでステージに登場して。僕ら何にも聞いてないし、『ゴットタン』(テレビ東京系)のヒム子のネタもぶっこんでくるし……」
――もう無茶苦茶ですね(笑)。
飯塚「山崎なんかは、舞台の最後に僕の私服を勝手に着て出てきますからね」
――(笑)。飯塚さん、どうやって家に帰ったんですか?
飯塚「しょうがないからそれ着て帰りましたよ(笑)。山崎が着たからビロンビロンに伸びてて……。それ以降、着てないです」
――ももいろクローバーZの佐々木彩夏さんや女優の清水富美加さんも出演するなど、出演者はホントに幅広い層ですね。
飯塚「佐々木さんは、ももクロのイベントで僕と豊本が出演している最中にオファーしたらオッケーが出たんですよ。でもダチョウさんの持ちネタ『どうぞどうぞ』の流れで半ば強引に佐々木さんに決まって(笑)」
角田晃広(以下、角田)「遅れて手を挙げたばっかりに(笑)」
――篠原ともえさんも久しぶりに「シノラー」の衣装で出演してます。
飯塚「衣装も自分で縫って作ってくれて……。あの姿を見るだけでもすごいなって」
――豊本さんのヌンチャクを使ったアクションシーンも印象的でした。
豊本明長(以下、豊本)「この公演が始まる10カ月ほど前に、演出の作家オークラさんから宿題を与えられまして。舞台上でバク転をするという」
――バク転ですか?
豊本「ただ、公演1週間前にヒザが壊れるという結果になりまして。靭帯が伸びてしまって……」
飯塚「10カ月かけてヒザを壊して終わるという」
飯塚&角田「(爆笑)」
――(笑)。でも、いいところまではいったんですよね?
豊本「指導してくれた人が『これだったら間に合いそうだ』って言っていた矢先でした」
飯塚「ずっとできてないんだったら事前に対処できたのに、豊本が期待させるようなこと言うんですよ。そして、フタ開けてみたら、屈伸もできない(笑)」
角田「1週間前くらいになっても、できない雰囲気を見せないんです。こっちは顔だけ見てると『順調なんだな』って思うじゃないですか。それで事前にバク転姿をビデオに撮ってきてくれって頼んだら、バックドロップみたいに倒れる映像を渡されて(笑)」
――なぜ、その映像をわざわざ見せるのか(笑)。
角田「こっちは成功例を見たいのに、なんでこれを見せるのか、見た僕らはどう思えばいいのかって」
飯塚「まあ、むちゃくちゃ面白かったですけどね。それで急遽、台本を書きかえることになって、豊本が『ヌンチャクならできる』って言うから結果ああなったんです。本編とは別に裏でもそんなコントみたいなことがあったんです」
――追い込まれていく豊本さん(笑)。
飯塚「じゃあ、裸にサスペンダーでヌンチャク回そう、ってなったら今度はヌンチャクが豊本の背中に当たって血が出て、絆創膏を買いにスタッフがひとり減ったりとか。もう何やってんの!? って感じで。本当に迷惑でした。本番直前でピリピリしているときにそれですからね」
――そんな裏話があったんですね。ちなみに、本番で印象に残っているシーンはありますか?
飯塚「先ほど、日村さんが勝手に白ブリーフ、サスペンダー姿で舞台に登場する話をしましたが、それ思いっきり豊本の格好とかぶってて。あの体型だから日村さんのほうが断然面白いんですよ。おそらく豊本は相当焦ってて」
(一同爆笑)
飯塚「豊本、ずっと焦ってるんですよ。バク転できないし、キャラ被るとか」
豊本「長ゼリフがあるんですが、目の前にとんでもない姿の日村さんがいるんで頭が真っ白になっちゃって。気持ちが帰ってくるまでタイムラグもあって」
飯塚「オレたちも舞台に立っていたんですけど、体感で1分くらいの静寂ですよ」
角田「(豊本の)特徴なんですけど、焦りを見せないんですよ。だからただ静寂になるだけという」
飯塚「周りが『あれ? オレだっけ?』って」
角田「でも、絶対豊本だし。本当に迷惑」
――角田さんはどこが印象に残っていますか?
角田「僕は清水富美加さんと絡むシーンが多いんですけど、彼女真面目な場面で涙を流すんですよ。それを見て『女優さんなんだな』って。締めるときは締めてくれる」
――今、改めて過去の舞台を見てどう感じますか?
飯塚「好きなネタは多いです。でも、今ならもう少しストーリーに無理のないように改変するかもしれないですね」
角田「そういう話、ときどき飯塚さん言ってますね」
飯塚「同じテーマで別の新ネタを作ってみたいですね」
――楽しみにしています。それでは最後にDVD「取り返しのつかない姿」の見どころを教えてください。
飯塚「これだけ豪華なメンバーが集まって、真剣にふざけている姿はなかなかないと思います。ぜひDVDを観て、第2回をやるときには劇場に足を運んでほしいですね! 舞台のプロジェクトマッピングを担当したチームも、有名アーティストのライブを手がけたすごい方々なんですよ」
角田「ありがたいですね」
飯塚「むちゃくちゃカネかかってますけどね。別にタダでやってもらってるわけじゃないので」
豊本「ボランティアみたいな言い方だったね」
角田「確かにそうか(笑)」
飯塚「相当安くはやってもらってるのでありがたいですけど」
そんな見どころ満載の彼らの舞台の魅力をパッケージした本作の話題を中心に、
舞台でのエピソードや今後の展望などいろいろと話を聞いた。そこで豊本明長が“取り返しのつかない姿”になってゆく秘話も明かされ……。
――今回DVD化した6月の公演は、お笑いライブとしては異例の長時間公演でしたね。
飯塚悟志(以下、飯塚)「千秋楽は4時間……超えてたのかな? 延長延長で、まあお金かかってますね(笑)。やっぱり山崎(アンタッチャブル)が出るとどうやったって長くなっちゃうんですよ。でも、それだけで盛り上がるんですけどね」
――山崎さんとのコントでは、どこまでが台本なのかわかりませんでした。
飯塚「ほぼアドリブです。山崎が言葉尻を捉えて全然関係のない話をするので、僕らも舞台上で『これ何の話してんだ?』って思いましたね。そのほかにも、ラーメンズの片桐仁さんやバカリズムとか日替わりのゲストはやりたい放題で。台本通りに演じてくれたのは俳優の佐藤隆太くんぐらいでした(笑)」
――(笑)。
飯塚「日村(勇紀)さん(バナナマン)なんか、決められた衣装も着ずに白ブリーフにサスペンダーでステージに登場して。僕ら何にも聞いてないし、『ゴットタン』(テレビ東京系)のヒム子のネタもぶっこんでくるし……」
――もう無茶苦茶ですね(笑)。
飯塚「山崎なんかは、舞台の最後に僕の私服を勝手に着て出てきますからね」
――(笑)。飯塚さん、どうやって家に帰ったんですか?
飯塚「しょうがないからそれ着て帰りましたよ(笑)。山崎が着たからビロンビロンに伸びてて……。それ以降、着てないです」
――ももいろクローバーZの佐々木彩夏さんや女優の清水富美加さんも出演するなど、出演者はホントに幅広い層ですね。
飯塚「佐々木さんは、ももクロのイベントで僕と豊本が出演している最中にオファーしたらオッケーが出たんですよ。でもダチョウさんの持ちネタ『どうぞどうぞ』の流れで半ば強引に佐々木さんに決まって(笑)」
角田晃広(以下、角田)「遅れて手を挙げたばっかりに(笑)」
――篠原ともえさんも久しぶりに「シノラー」の衣装で出演してます。
飯塚「衣装も自分で縫って作ってくれて……。あの姿を見るだけでもすごいなって」
――豊本さんのヌンチャクを使ったアクションシーンも印象的でした。
豊本明長(以下、豊本)「この公演が始まる10カ月ほど前に、演出の作家オークラさんから宿題を与えられまして。舞台上でバク転をするという」
――バク転ですか?
豊本「ただ、公演1週間前にヒザが壊れるという結果になりまして。靭帯が伸びてしまって……」
飯塚「10カ月かけてヒザを壊して終わるという」
飯塚&角田「(爆笑)」
――(笑)。でも、いいところまではいったんですよね?
豊本「指導してくれた人が『これだったら間に合いそうだ』って言っていた矢先でした」
飯塚「ずっとできてないんだったら事前に対処できたのに、豊本が期待させるようなこと言うんですよ。そして、フタ開けてみたら、屈伸もできない(笑)」
角田「1週間前くらいになっても、できない雰囲気を見せないんです。こっちは顔だけ見てると『順調なんだな』って思うじゃないですか。それで事前にバク転姿をビデオに撮ってきてくれって頼んだら、バックドロップみたいに倒れる映像を渡されて(笑)」
――なぜ、その映像をわざわざ見せるのか(笑)。
角田「こっちは成功例を見たいのに、なんでこれを見せるのか、見た僕らはどう思えばいいのかって」
飯塚「まあ、むちゃくちゃ面白かったですけどね。それで急遽、台本を書きかえることになって、豊本が『ヌンチャクならできる』って言うから結果ああなったんです。本編とは別に裏でもそんなコントみたいなことがあったんです」
――追い込まれていく豊本さん(笑)。
飯塚「じゃあ、裸にサスペンダーでヌンチャク回そう、ってなったら今度はヌンチャクが豊本の背中に当たって血が出て、絆創膏を買いにスタッフがひとり減ったりとか。もう何やってんの!? って感じで。本当に迷惑でした。本番直前でピリピリしているときにそれですからね」
――そんな裏話があったんですね。ちなみに、本番で印象に残っているシーンはありますか?
飯塚「先ほど、日村さんが勝手に白ブリーフ、サスペンダー姿で舞台に登場する話をしましたが、それ思いっきり豊本の格好とかぶってて。あの体型だから日村さんのほうが断然面白いんですよ。おそらく豊本は相当焦ってて」
(一同爆笑)
飯塚「豊本、ずっと焦ってるんですよ。バク転できないし、キャラ被るとか」
豊本「長ゼリフがあるんですが、目の前にとんでもない姿の日村さんがいるんで頭が真っ白になっちゃって。気持ちが帰ってくるまでタイムラグもあって」
飯塚「オレたちも舞台に立っていたんですけど、体感で1分くらいの静寂ですよ」
角田「(豊本の)特徴なんですけど、焦りを見せないんですよ。だからただ静寂になるだけという」
飯塚「周りが『あれ? オレだっけ?』って」
角田「でも、絶対豊本だし。本当に迷惑」
――角田さんはどこが印象に残っていますか?
角田「僕は清水富美加さんと絡むシーンが多いんですけど、彼女真面目な場面で涙を流すんですよ。それを見て『女優さんなんだな』って。締めるときは締めてくれる」
――今、改めて過去の舞台を見てどう感じますか?
飯塚「好きなネタは多いです。でも、今ならもう少しストーリーに無理のないように改変するかもしれないですね」
角田「そういう話、ときどき飯塚さん言ってますね」
飯塚「同じテーマで別の新ネタを作ってみたいですね」
――楽しみにしています。それでは最後にDVD「取り返しのつかない姿」の見どころを教えてください。
飯塚「これだけ豪華なメンバーが集まって、真剣にふざけている姿はなかなかないと思います。ぜひDVDを観て、第2回をやるときには劇場に足を運んでほしいですね! 舞台のプロジェクトマッピングを担当したチームも、有名アーティストのライブを手がけたすごい方々なんですよ」
角田「ありがたいですね」
飯塚「むちゃくちゃカネかかってますけどね。別にタダでやってもらってるわけじゃないので」
豊本「ボランティアみたいな言い方だったね」
角田「確かにそうか(笑)」
飯塚「相当安くはやってもらってるのでありがたいですけど」