“脱ぐのはイヤって幅を狭めてしまうのはすごく損だなと思った”“演じている時の自分はもう私じゃない”
強い眼差しで自信たっぷりにそう語ってくれたのは、「non-no」専属モデルで女優の遠藤新菜。
主演の成海璃子をはじめ、池松壮亮、斎藤工による体当たりの演技が公開前から話題を呼んでいた映画『無伴奏』で、彼女は斎藤扮する祐之介の恋人・エマ役を演じ大胆な濡れ場を披露。実力派俳優陣がズラリと並ぶ中、負けず劣らずの存在感を放っている。
矢崎監督にして「エマ役は君にしか出来なかった」と言わしめた遠藤が、今作で魅せた“覚悟”は観る者の心を揺さぶるに違いない。“汚れ役もラブシーンも抵抗がない”と言い切る彼女の心の奥底にあるものとは――。女優としての転機となった今作についてたっぷりと語ってもらった。
――エマ役に決まった時の率直な感想は?
「“本当に私でいいんですか!?”って、とにかくびっくりしました。どんな内容でも、どういうシーンがあっても絶対にやらない理由はないと思ってとても嬉しかったです」
――遠藤さんが演じたエマはどんなイメージでしたか?
「原作を読んだ時は、登場人物の中で一番鮮烈ですごくインパクトがある子だなって印象でした。一体何者なのか彼女のバックボーンもそれほど明らかではないし、どういう風に生きている子なんだろうって未知な部分が多く感じました。役に入る前に色々と想像していたんですが、掴みどころのない感じがすごく魅力的でした」
――今作は、1969年から1971年の様子を描いていますが、当時の女性を演じるにあたり意識したことは?
「エマは、当時でも“こんな子いるの!?”っていうくらいインパクトが物凄くて(笑)。どの時代を生きていたとしても、きっとそのまんま変わらないだろうなと思ったので、周りのみんなとは少し離れた次元で考えました。緻密にこうでなくちゃと決め付けるよりも、もっと彼女のことを知ってエマに成りきるしかないなって」
――撮影前にイメージしていたことを実際に現場でぶつけてエマを作り上げていったのでしょうか?
「いざ撮影に入ってみると、エマという役に対して、矢崎監督はじめ、キャストの方々やスタッフの皆さんまで物凄く思い入れがあることには驚きました。みんな“エマはとても大事な役だね”って言っていて。その気持ちを受けて、覚悟を決めて臨みました。最初は、探り探りでしたけど、徐々に響子(成海)、渉(池松)、祐之介(斎藤)との関係性も見えてきて“エマはこのくらいハジけていていいんだ!”と、答え合わせをしながら演じました」
――劇中では、当時のファッションやセシルカットがとても似合っていましたが、ここまでショートヘアにしたことは?
「初めてです。(役に入る前に)色々と考えていてもなかなか腑に落ちない部分もあったんですが、いざ髪を切った瞬間にスッとエマの気持ちが入ってきたというか……。本当に細かいところかもしれませんが、髪が短いとこんなに風を感じるんだなとか(笑)。ここまで短かいと、自分のことを必然的に隠せないですし、だからこんな性格なのかもって思いました」
――エマは、誰に憧れていたと思いますか?
「私的には、ツイッギーっていうイギリスのモデルさんが一番近いかなと感じました。ツイッギーっぽいファッションとか、すらっとした感じなんかを見ると、きっと憧れていたんじゃないかなぁと思います。エマは、みんなが真似出来ないことを涼しい顔でやってのけちゃう感じがかっこいいです」
――そういう意味では、成海さん、池松さん、斎藤さんとはまた違った存在感を放っていたと感じました。撮影前に、監督から5kg減量するように命じられたそうですが、大変でした?
「体調とかも見ながら1ヶ月ちょっとで落とさないといけなかったので、“どうしよう……”って。でも、変に頑張って鍛えて綺麗な体にするのも違うなと思って、エマはモデルのような存在ではなくて、もうちょっと身近な子だと思うし、あくまでツイッギーとかを真似したい子だって考えた時に、少し不健康な痩せ方でも成り立つんじゃないかと思って(笑)。だから、ごはんを食べないで水を飲んだり、ちょっと無茶をしたんですけど……、でもそれが結果的に良かった気がします」
――斎藤さんとの大胆な濡れ場も公開前から話題に。相当な覚悟が必要な役だったのでは?
「2人のただラブラブな描写というわけではなくて、その行為自体が指している意図というのが、他の作品にはないようなシチュエーションだったので、難しかったです。気負っていたというよりも正直余裕がなかったんですけど……、(斎藤)工さんにすごくリードしていただいたのが、一番大きかったです。そのおかげで、自分が(トップレスを)露出するということに気を取られずに打ち込めたのかもしれません」
――“汚れ役もラブシーンも抵抗がない”と言う遠藤さんですが、そこまで言わしめる芝居の魅力は?
「今回だと、エマじゃなくて“遠藤新菜”という人間の恥ずかしい気持ちとか、脱ぐのはイヤだとかそういう気持ちを演技に持ち込んでしまうのは絶対に間違っていると思ってしまう自分がいて。演じている時の自分はもう私じゃなくてエマだし、自分の道徳的な部分で“出来ない”って幅を狭めてしまうのはすごく損だなと思うし、そこに迷いがあると(作品を)観に来ている方に伝わってしまうと思うんです。どれだけ他のシーンが素晴らしくても、そこで迷いを感じ取られちゃったら、それだけで“寒いな”って思われちゃう気がして……。だから、どんなシーンがあっても“やりたいです!”って言っています(笑)」
――矢崎監督の現場で印象に残っていることは?
「私は他の皆さんほど演技経験がなかったのですが、矢崎監督はあまり指示されない方で、“今のは何がダメだったんだろう”って考える時間を設けてくれたような気がします。『ココはそうじゃなくて、こうやって』と言われるままにやるだけだと結局考えないまま物真似して終わりだし、それでは何も身にならなかったと思います。矢崎監督のスタンスは色々考えながら作れる環境でしたし、私にとっては物凄くありがたかったです。クランクアップした時に監督が“エマ役は君にしか出来なかった”と言ってくれたのがすごく嬉しかったです」
――矢崎監督にも絶賛され、クランクアップを迎えた時の達成感は言葉にいい表せないくらいだったのでは?
「クランクアップして泣くということ自体、今まであまりなかったんですけど、エマのラストシーンが終わった瞬間に号泣してしまいました。声を出して泣くというより、じっとしているのに涙が止まらなくて……、周りの人たちに隠しようがなくて、“ずっと泣いててすみません”みたいな状態で(笑)。矢崎監督がやさしくハグしてくれたんですけど、後日、監督とその時の話をしていたら“あの時の涙は、エマがずっと気を張って頑張ってきた涙が最後に溢れたんだと思うよ”って言ってくださって、本当にそうだったんだと思います」
――遠藤さんは、エマくらいの年頃の時はどんな学生でした?
「当時は、高校を卒業して19、20歳になってもそれほど変わらないだろうなって思っていました。響子(成海)みたいに“私だって大人よ”ってちょっと強がる気持ちがあったような気がします。ちゃんと社会に出て、成人を経てから振り返ってみると、10代だから許されるんだよっていうことがたくさんありましたね。私も学校に行ったふりをして友達と遊びに出掛けてサボったりしていましたし、今思うとその行動自体が子どもですよね(笑)。勉強して毎日学校に通える環境もそうですし、学生時代の青春って2度と戻ってこないよって当時の自分に言い聞かせたいです(笑)」
――今作ではバロック音楽がフィーチャーされていますが、遠藤さんが学生時代に夢中だったことや、よく聴いていた思い出の曲はありますか?
「中学から高校までインディーズでバンド活動をしていました。オリジナルでメタル系などもやったり(笑)。当時は物凄く憧れが強くて、どうしたらあのアーティストみたいにかっこよく生きられるんだろうとか、ずっと考えていましたね。ギターを練習したり、家でピアノを弾いて曲を作ったりしていました」
――そういうルーツを聞くと、10代の頃から人前で何かを表現するのが好きだったんですね。
「両親が音楽好きだったので、その影響もあってか何かしらそういう仕事に就きたいと思っていました。エマはローリング・ストーンズが好きな役ということもあって、役に入る前に監督からローリング・ストーンズのライブDVDとかをいただいて観たんですけど、音楽ってどの時代でも繋がっているんだなって。響子もビージーズが好きと言うシーンもあって、素敵な時代に生まれた人たちだなぁって羨ましい気持ちになりました」
――そんな時代を彩っているこの作品の見どころを教えてください。
「ちょうど今の私たち、ゆとり世代と言われる世代の生活とは、間逆なくらいにかけ離れていて今みたいにSNSとか携帯もない頃の話ですが、同性愛や女性が初めてセックスっていうことに対して目覚める時とか、その当時だからこそ抱える悩みとか壁にぶつかる感覚とかを今の人たちにも分かってほしい。もし自分がその時代に生まれていたら、もっとこうだっただろうなとか考えたりもしましたし、今の時代が当たり前ではないんだっていうことを感じていただきたいです。いろんな衝撃が次々と出て来るので、1度観ただけじゃ消化しきれないかも……、こう言うと酷かもしれませんが、何回も観てもらいたいです(笑)」
――今作は遠藤さんにとって転機というかターニングポイントと言うべき作品になったのでは?
「自分自身、色々と考えたりこれからどうしようって思ったりしていたタイミングで、こういう作品に出逢えたのは本当に偶然だとは思えないというか、すごくありがたいチャンスでした。ここまで髪を切るということも今までなかったですし、それらをすんなりとやってのけられる精神状態だったのが、この映画の話をいただけたおかげだなってすごく感じていますし、ある意味転機でした。“何でもやりま~す!”って、元々根性はある方なんですけど(笑)、ここまで思い切ったのは初めてかも。身をもってちゃんと形にすることが出来たなっていう清々しい気持ちです」
映画『無伴奏』は、新宿シネマカリテほかにて全国公開中!
©2015 「無伴奏」製作委員会
スタイリスト:江頭三絵
ヘアメイク:宮本真奈美
衣裳ブランド:byU
強い眼差しで自信たっぷりにそう語ってくれたのは、「non-no」専属モデルで女優の遠藤新菜。
主演の成海璃子をはじめ、池松壮亮、斎藤工による体当たりの演技が公開前から話題を呼んでいた映画『無伴奏』で、彼女は斎藤扮する祐之介の恋人・エマ役を演じ大胆な濡れ場を披露。実力派俳優陣がズラリと並ぶ中、負けず劣らずの存在感を放っている。
矢崎監督にして「エマ役は君にしか出来なかった」と言わしめた遠藤が、今作で魅せた“覚悟”は観る者の心を揺さぶるに違いない。“汚れ役もラブシーンも抵抗がない”と言い切る彼女の心の奥底にあるものとは――。女優としての転機となった今作についてたっぷりと語ってもらった。
――エマ役に決まった時の率直な感想は?
「“本当に私でいいんですか!?”って、とにかくびっくりしました。どんな内容でも、どういうシーンがあっても絶対にやらない理由はないと思ってとても嬉しかったです」
――遠藤さんが演じたエマはどんなイメージでしたか?
「原作を読んだ時は、登場人物の中で一番鮮烈ですごくインパクトがある子だなって印象でした。一体何者なのか彼女のバックボーンもそれほど明らかではないし、どういう風に生きている子なんだろうって未知な部分が多く感じました。役に入る前に色々と想像していたんですが、掴みどころのない感じがすごく魅力的でした」
――今作は、1969年から1971年の様子を描いていますが、当時の女性を演じるにあたり意識したことは?
「エマは、当時でも“こんな子いるの!?”っていうくらいインパクトが物凄くて(笑)。どの時代を生きていたとしても、きっとそのまんま変わらないだろうなと思ったので、周りのみんなとは少し離れた次元で考えました。緻密にこうでなくちゃと決め付けるよりも、もっと彼女のことを知ってエマに成りきるしかないなって」
――撮影前にイメージしていたことを実際に現場でぶつけてエマを作り上げていったのでしょうか?
「いざ撮影に入ってみると、エマという役に対して、矢崎監督はじめ、キャストの方々やスタッフの皆さんまで物凄く思い入れがあることには驚きました。みんな“エマはとても大事な役だね”って言っていて。その気持ちを受けて、覚悟を決めて臨みました。最初は、探り探りでしたけど、徐々に響子(成海)、渉(池松)、祐之介(斎藤)との関係性も見えてきて“エマはこのくらいハジけていていいんだ!”と、答え合わせをしながら演じました」
――劇中では、当時のファッションやセシルカットがとても似合っていましたが、ここまでショートヘアにしたことは?
「初めてです。(役に入る前に)色々と考えていてもなかなか腑に落ちない部分もあったんですが、いざ髪を切った瞬間にスッとエマの気持ちが入ってきたというか……。本当に細かいところかもしれませんが、髪が短いとこんなに風を感じるんだなとか(笑)。ここまで短かいと、自分のことを必然的に隠せないですし、だからこんな性格なのかもって思いました」
――エマは、誰に憧れていたと思いますか?
「私的には、ツイッギーっていうイギリスのモデルさんが一番近いかなと感じました。ツイッギーっぽいファッションとか、すらっとした感じなんかを見ると、きっと憧れていたんじゃないかなぁと思います。エマは、みんなが真似出来ないことを涼しい顔でやってのけちゃう感じがかっこいいです」
――そういう意味では、成海さん、池松さん、斎藤さんとはまた違った存在感を放っていたと感じました。撮影前に、監督から5kg減量するように命じられたそうですが、大変でした?
「体調とかも見ながら1ヶ月ちょっとで落とさないといけなかったので、“どうしよう……”って。でも、変に頑張って鍛えて綺麗な体にするのも違うなと思って、エマはモデルのような存在ではなくて、もうちょっと身近な子だと思うし、あくまでツイッギーとかを真似したい子だって考えた時に、少し不健康な痩せ方でも成り立つんじゃないかと思って(笑)。だから、ごはんを食べないで水を飲んだり、ちょっと無茶をしたんですけど……、でもそれが結果的に良かった気がします」
――斎藤さんとの大胆な濡れ場も公開前から話題に。相当な覚悟が必要な役だったのでは?
「2人のただラブラブな描写というわけではなくて、その行為自体が指している意図というのが、他の作品にはないようなシチュエーションだったので、難しかったです。気負っていたというよりも正直余裕がなかったんですけど……、(斎藤)工さんにすごくリードしていただいたのが、一番大きかったです。そのおかげで、自分が(トップレスを)露出するということに気を取られずに打ち込めたのかもしれません」
――“汚れ役もラブシーンも抵抗がない”と言う遠藤さんですが、そこまで言わしめる芝居の魅力は?
「今回だと、エマじゃなくて“遠藤新菜”という人間の恥ずかしい気持ちとか、脱ぐのはイヤだとかそういう気持ちを演技に持ち込んでしまうのは絶対に間違っていると思ってしまう自分がいて。演じている時の自分はもう私じゃなくてエマだし、自分の道徳的な部分で“出来ない”って幅を狭めてしまうのはすごく損だなと思うし、そこに迷いがあると(作品を)観に来ている方に伝わってしまうと思うんです。どれだけ他のシーンが素晴らしくても、そこで迷いを感じ取られちゃったら、それだけで“寒いな”って思われちゃう気がして……。だから、どんなシーンがあっても“やりたいです!”って言っています(笑)」
――矢崎監督の現場で印象に残っていることは?
「私は他の皆さんほど演技経験がなかったのですが、矢崎監督はあまり指示されない方で、“今のは何がダメだったんだろう”って考える時間を設けてくれたような気がします。『ココはそうじゃなくて、こうやって』と言われるままにやるだけだと結局考えないまま物真似して終わりだし、それでは何も身にならなかったと思います。矢崎監督のスタンスは色々考えながら作れる環境でしたし、私にとっては物凄くありがたかったです。クランクアップした時に監督が“エマ役は君にしか出来なかった”と言ってくれたのがすごく嬉しかったです」
――矢崎監督にも絶賛され、クランクアップを迎えた時の達成感は言葉にいい表せないくらいだったのでは?
「クランクアップして泣くということ自体、今まであまりなかったんですけど、エマのラストシーンが終わった瞬間に号泣してしまいました。声を出して泣くというより、じっとしているのに涙が止まらなくて……、周りの人たちに隠しようがなくて、“ずっと泣いててすみません”みたいな状態で(笑)。矢崎監督がやさしくハグしてくれたんですけど、後日、監督とその時の話をしていたら“あの時の涙は、エマがずっと気を張って頑張ってきた涙が最後に溢れたんだと思うよ”って言ってくださって、本当にそうだったんだと思います」
――遠藤さんは、エマくらいの年頃の時はどんな学生でした?
「当時は、高校を卒業して19、20歳になってもそれほど変わらないだろうなって思っていました。響子(成海)みたいに“私だって大人よ”ってちょっと強がる気持ちがあったような気がします。ちゃんと社会に出て、成人を経てから振り返ってみると、10代だから許されるんだよっていうことがたくさんありましたね。私も学校に行ったふりをして友達と遊びに出掛けてサボったりしていましたし、今思うとその行動自体が子どもですよね(笑)。勉強して毎日学校に通える環境もそうですし、学生時代の青春って2度と戻ってこないよって当時の自分に言い聞かせたいです(笑)」
――今作ではバロック音楽がフィーチャーされていますが、遠藤さんが学生時代に夢中だったことや、よく聴いていた思い出の曲はありますか?
「中学から高校までインディーズでバンド活動をしていました。オリジナルでメタル系などもやったり(笑)。当時は物凄く憧れが強くて、どうしたらあのアーティストみたいにかっこよく生きられるんだろうとか、ずっと考えていましたね。ギターを練習したり、家でピアノを弾いて曲を作ったりしていました」
――そういうルーツを聞くと、10代の頃から人前で何かを表現するのが好きだったんですね。
「両親が音楽好きだったので、その影響もあってか何かしらそういう仕事に就きたいと思っていました。エマはローリング・ストーンズが好きな役ということもあって、役に入る前に監督からローリング・ストーンズのライブDVDとかをいただいて観たんですけど、音楽ってどの時代でも繋がっているんだなって。響子もビージーズが好きと言うシーンもあって、素敵な時代に生まれた人たちだなぁって羨ましい気持ちになりました」
――そんな時代を彩っているこの作品の見どころを教えてください。
「ちょうど今の私たち、ゆとり世代と言われる世代の生活とは、間逆なくらいにかけ離れていて今みたいにSNSとか携帯もない頃の話ですが、同性愛や女性が初めてセックスっていうことに対して目覚める時とか、その当時だからこそ抱える悩みとか壁にぶつかる感覚とかを今の人たちにも分かってほしい。もし自分がその時代に生まれていたら、もっとこうだっただろうなとか考えたりもしましたし、今の時代が当たり前ではないんだっていうことを感じていただきたいです。いろんな衝撃が次々と出て来るので、1度観ただけじゃ消化しきれないかも……、こう言うと酷かもしれませんが、何回も観てもらいたいです(笑)」
――今作は遠藤さんにとって転機というかターニングポイントと言うべき作品になったのでは?
「自分自身、色々と考えたりこれからどうしようって思ったりしていたタイミングで、こういう作品に出逢えたのは本当に偶然だとは思えないというか、すごくありがたいチャンスでした。ここまで髪を切るということも今までなかったですし、それらをすんなりとやってのけられる精神状態だったのが、この映画の話をいただけたおかげだなってすごく感じていますし、ある意味転機でした。“何でもやりま~す!”って、元々根性はある方なんですけど(笑)、ここまで思い切ったのは初めてかも。身をもってちゃんと形にすることが出来たなっていう清々しい気持ちです」
映画『無伴奏』は、新宿シネマカリテほかにて全国公開中!
©2015 「無伴奏」製作委員会
スタイリスト:江頭三絵
ヘアメイク:宮本真奈美
衣裳ブランド:byU