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板野友美「いろんな私を見せていきたい」、初主演映画『のぞきめ』で女優というフィールドへ

Entame Plex 2016年4月8日 21時0分

“アーティストとしてだけではなく、いろんな私を見せていきたい”
昨年12月にデビュー10周年を迎えた板野友美は、これからの自分についてそう語ってくれた。2013年AKB48卒業後、ソロアーティストとして精力的に活動してきた彼女が、これまで培ってきたイメージを打ち破るべく女優というフィールドへ。



“ホラーは大の苦手”と話す彼女とは裏腹に、4月2日より全国公開となった映画『のぞきめ』で映画初主演を果たし、同作の主題歌も自らが務めた板野。なぜ、彼女は女優への挑戦を決意したのか――、今の素直な気持ちを聞いた。

――まず、昨年12月に節目となるデビュー10周年を迎え感じたことは?

「24歳になりましたが、私の人生の中でも生まれてから14歳までと、デビューしてからの10年は全然濃さが違うというか。芸能界に入らずに普通に歩んでいたとしたら、こんなに濃厚な10年にはならなかったと思います。すごく目まぐるしいというか、たくさんのことがギュッと詰まった10年だったんじゃないかなぁと」



――今回映画初主演ということでどんな気持ちで撮影に臨みましたか?

「ソロでアーティスト活動をするようになってからも、いつか演技の仕事をしてみたいという気持ちがあったのですごく嬉しかったです。ホラー映画がすごく苦手だったので、私に主演が務まるのかなという不安はありました。でも、トライしてみようという強い気持ちが湧いて」

――苦手なホラー映画ということで、事前に準備したことは?

「すごく苦手なのもあって、その手のジャンルの作品はあまり観たことがなくて……。演じるにあたって“ちょっと観てみよう!”と思い立って『貞子3D』を観たんですが、怖いシーンは早送りするっていう(笑)。実体験もなく、自分だったらこういう風に驚くかなっていう想像で演じるしかないと思ったので、驚く時にみんなどういう風にしているのかとかは作品を観て参考にしました」

――三木康一郎監督にアドバイスはもらいました?

「演技をすることがあまり無かったので、撮影が始まる前に監督からレッスンを受けました。もし実際にお化けと遭遇した瞬間、人間ってどうなるのか、すぐに動けるのか、すぐに叫べるのか、お化けと把握するまでに時間がかかるのか、それとも瞬発的に逃げるのか……といった感じに、自分で考えて演じなきゃいけなかったのですごく難しいなと思いました。自分が体験したことがないだけに、未知の部分も多かったので、三木監督にアドバイスをもらいつつという感じでした」

――今回共演した、入来茉里さんと白石隼也さんは『トリハダ』で三木監督作への出演経験がありますけど、2人には何か話を聞いたりしました?

「2人からもいろいろとアドバイスをもらいました。すごく経験がある方たちだったのですごく心強くて。2人にリードしてもらいつつ、安心して演技出来たんじゃないかなと思います」

――実際にホラー映画に出演してみてイメージは変わりました?

「撮影では、換気扇に(ダミーでのぞいている)目を置いて、ここがCGになるからそこに向かって叫ぶとか、隙間にある目に向かって怖がるみたいな演技を結構やったので、隙間に目があることに慣れてきちゃって(笑)。お風呂場の換気扇にふと目をやって、もし本当に目が合ったとしても“あぁ、目か……”みたいに、なんだか、非日常的なことが日常のように思えてきそうで、最近ではちょっとだけ怖くなくなりましたね(笑)」



――実生活であそこまで悲鳴をあげることはそうそうないと思いますが、演技は難しかったですか?

「どう驚きを表現すればいいのか、そのひとつひとつを想像しながら演じたり、あとはカメラをお化けだと思って演技をするのがすごく難しかったです。驚いた時にカメラ目線になっても不自然だし、カメラに向かって叫んだりするのも、いろいろと試しながら演じました。叫んだり、ぶつかるような演技が多くて逆に殻を破れたような気がして、今回の経験がアーティスト活動にも役立つんじゃないかなと思いました」

――完成した作品を観た感想はいかがでした?

「CGや音響も付いて撮影の時とは全く違った雰囲気に仕上がっていてびっくりしました。演技をしている自分の姿が、スクリーンにずっと映っているというのが初めての経験ですごく不思議な感覚でした。自分の演技を客観的に観ることが初めてだったので、最初に観た時は気になって内容があまり入ってこなかったですね(笑)。ホラーシーンは、撮影の時と全然違っていてかなり怖かったので、手で目を覆いながら隙間からちょっとだけ観たり(笑)」



――最後もゾクゾクする終わり方でした。エンドロールで自身の主題歌が流れたときの気分は?

「主題歌の『HIDE & SEEK』は、『のぞきめ』のために作った曲で、サビは結構ロックテイストでかっこいい曲調の反面、歌詞は作品にリンクして怖い内容になっているので、すごくしっくりきましたね。曲中に“気付いて……”って囁いてるところがあったり“二度と放さない”という歌詞とか、もしもお化けが言っていることだとしたらって想像するとホラーにぴったりな歌詞になっているので、ゾッとしたい方はエンドロールの歌詞にも注目して聴いてもらえたら嬉しいです」

――どんな人たちにこの作品を観てもらいたいですか?

「『のぞきめ』は、もちろんホラー映画としての恐怖もあると思うんですけど、呪われて人が正常じゃなくなって狂っていく様子を描いていたりするので、その姿にも恐怖を感じたり、のぞかれる怖さだけじゃない要素もあるので2倍の恐怖があると思うんです。だから、単にゾッとして終わるだけじゃなく、最後に“ズン”とくる重さを感じるような映画だと思うので、ひとりじゃなく友達とか家族とか何人かの人と観に行くのをオススメします。あとは、やっぱり彩乃がどんどん強くなって、最後にのぞきめに立ち向かっていく姿は、人として誰かを守る姿勢だったり、違う捉え方も出来るんじゃないかと思います。ホラーという枠を超えて、人と人との絆というか、信二(白石隼也)を守るための強さだったり、ただ怖いだけじゃない、人間性や人との繋がりだったり、いろんな視点から観て楽しんでいただきたいです」



――海外作品(中国)『雨衣(レインコート)』でも主演が決まっていますし、今後女優としても楽しみです。

「『のぞきめ』の撮影をしている時に、ちょうど楽曲の制作と並行していたんですけど、どっちも頑張ろうとすごく楽しんでいる自分がいて。アーティストのイメージって、曲によっていろんなPVを撮っても、板野友美といえばこうだよねっていうものがイメージ先行であると思うし、そのイメージを大きく変えることは簡単じゃないと思うんです。だから、今回こうしていろんな役を演じることで、逆にギャップを見せられるんじゃないかなと思うし、歌もお芝居もどっちにもプラスになっていくんじゃないかと思います。アーティストとしての板野友美も今まで通り頑張っていきたいですし、これからは女優としてもいろんな私を見せていきたいですね」

――主題歌『HIDE & SEEK』は、4月20日にリリースを控えていますね!

「AKB48を卒業してから3年になるのでアーティスト活動もしっかりとやっていきたいです。今年もツアーをやりますし、アルバムも出したいと思っています。私の好きな曲を極めていきたいなと思うし、ライブでしっとりと聴かせられるようなバラード曲とかも増やしていけたらいいなと思います」

――最後に『のぞきめ』にちなんで、板野さんがのぞいてみたい世界は?

「ん~何だろう……、海外セレブの私生活ですかね、楽しそうだから(笑)」

映画『のぞきめ』は、全国公開中!

© 2016「のぞきめ」製作委員会

ヘアメイク:今村友美(roraima)
スタイリスト:KOGISO MANA

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