Infoseek 楽天

燃料デブリ試験的取り出しが延期 漁業者「一刻も早く廃炉に向けて作業を」・福島

福島中央テレビニュース 2024年8月22日 18時46分

福島第一原発で22日、事故後初めてとなる燃料デブリの試験的取り出しが予定されていましたが、急遽、延期となりました。

東京電力は作業手順に誤りがあったとして取り出しは23日以降にずれ込む見通しです。このトラブルに街の人からはさまざまな声がきかれました。

前人未到の廃炉。その本丸とされてきたのが、溶け落ちた核燃料・燃料デブリの取り出しです。

1号機から3号機に合わせて880トンあると推計されている燃料デブリ。

東京電力は、2号機から試験的に取り出す計画を進めていますが。その全容はいまだ掴めておらず、原子炉やロボットの問題、それにコロナ禍の影響もあってこれまでに3回、延期されてきました。

その後、新たなロボットが開発され、事故後初となる燃料デブリの試験的な取り出しが22日から始まることになりました。

作業は午前7時半から始まり、廃炉に向けた大きな一歩になるはずでしたが…

■東京電力 担当者

「作業員が押し込みパイプ1本目について、計画していた順番のものと異なることに気づき、本日の作業はここまでとしております」

東京電力は、パイプの操作手順に間違いがあったとして、22日の作業の中断を発表。スケジュールを再調整し、23日以降に延期することになりました。

■東京電力の担当者

「まずは本日予定していた順番のものと違うと気づいたので、本日の作業はそこまでとしている。詳細については現在確認している」

この状況に、県内の街の人からは…

■60代女性(山形、茨城)

「今後大丈夫なのかなって。心配です」

■10代女子学生(相馬市出身)

「何度も延期になっているので、早めの取り出しをして欲しいです」

■40代男性会社員

「どれだけ大事なことをしているのかという認識が弱い気がする」

厳しい声がある反面、廃炉の最難関とも言われる燃料デブリの取り出し。

着実・安全に廃炉を進めて欲しいという声があるのも確かです。

■40代男性会社員(大阪から出張)

「ちゃんと説明をして、一番安全なやり方で焦らず着実にやってもらえればと思う」

■10代男子学生(県内)

「延期になっても安全にできるならそれが一番いいのかなとは思う」

一方、廃炉と向き合う福島の漁業。相馬市の漁業者はというと…

■相馬市の漁師 高橋一泰さん(46)

「我々漁業者としては一刻も早く廃炉に向けて作業してもらいたいなと思ってますので、原発の燃料取り出しは考えている以上に難しいことだと思うので。漁業者の足を引っ張ることなく国や東電には処理してもらいたいと思う」

30年から40年かかるとされる第一原発の廃炉。

試験的とはいえ、デブリの取り出しが始まれば、廃炉は新たなステージに突入することになります。

今回の延期について、廃炉に携わる国の担当者は…

■経済産業省 木野正登さん

「まずは安全第一なんですけどもしっかり手順がなっているか、こういう作業の見直し、振り返りをしてからもう一回トライしてもらいたいと思っています。大事な場面でありますのでしっかりと再発防止対策を図ってからやっていただかないといけないかなと思います」

この記事の動画はこちらから再生できます

この記事の関連ニュース