会津若松市でデジタルを使った街づくりを進める「スマートシティAiCT」が開業から5年を迎えました。デジタルの力が地域に浸透しつつある一方、サービスを広げることの難しさもあるといいます。
会津若松市にあるオフィスビル「スマートシティAiCT」。ICT=情報通信技術を得意とする会津の企業はもちろん、首都圏などの企業が入っていて開所から5年を迎えました。
■アクセンチュア 執行役員 海老原 城一さん
「今後いろいろな地域でサービスが動くような土台が出来たというところが今の成果だと思っている」
「デジタルの力」で地域の課題を解決しようと、これまでさまざまなことに取り組んできたAiCT。例えば、スマートフォンなどの地図上で会津若松市内の観光情報をまとめて見られる「Visitory」というサービスもその1つです。店の営業情報をリアルタイムで知ることができ、地元の人も観光客にとっても嬉しいサービスになっています。さらに、会津地域で使えるデジタル地域通貨=「会津コイン」もAiCTの企業が開発しました。そのうちの1人がシステム開発会社TISの小林慶介さんです。
■TIS 小林 慶介さん
「やっとサービスが1つ形になった。形になってからが始まりだと思っているのでいよいよここから新しい段階で地域の皆さんとどういかしていくか」
「会津コイン」は地域でお金を循環させる仕組みになっていて、今では5百を超える飲食店や宿泊施設などが利用。買い物で貯まった「マイル」で会津の特産品が当たったり、社会福祉活動を支援できたりと地域の貢献にも繋がっています。デジタルの力で町づくりに取り組むAiCT。県の内外から38の企業が集まっていますが、「ICT」と一口に言っても、企業が得意とする技術や分野はさまざま。それぞれの企業が気兼ねなく相談し協力できる雰囲気があるからこそ、「会津コイン」のような仕組みが誕生したと、小林さんは考えています。
■TIS 小林 慶介さん
「すぐに相談したり一緒に話すことでアイデアが生まれたりということもあるし」
一方で、サービスを広めることの難しさもあります。
■TIS 小林 慶介さん
「地域でずっと根付いてやられている事業者と一緒にやろうと思うと我々はしっかりとこの地域のことを知らなければいけないですし」「ここにいれば何とかなるというわけではなくてどんどん地域にはみ出していかないと」
県外の企業も多いからこそ、会津という地域やそこに暮らす人たちに寄り添い、一緒に地域の課題を解決していく。AiCTは、この取り組みをモデルに全国にも「デジタルの力」を広めたいと考えています。
■アクセンチュア 執行役員 海老原 城一さん
「これからもどんどん便利なサービスを作っていって市民すべての方に届くような取り組みをしていきたいと思っている」
この記事の動画はこちらから再生できます