「中テレこどもウイーク」と題し、こどもたちを取り巻く環境に注目した特集をお伝えします。
今回は「ネットとこども」ついてです。
このところ関東で相次ぐ強盗事件。その多くがSNS上のいわゆる「闇バイト」を入口に起きているとみられています。
ある強盗致傷事件で逮捕された容疑者の1人は…。
■容疑者
「Xで高額なバイトを探していた。やばい仕事と思いながらもやってしまった」
荷物を確認するだけで報酬10万円をうたうバイトに応募したところ、だんだんと怪しい役割を指示されるように…。
実は、SNSでは今、一見すると「闇バイト」とは分かりにくいような怪しい投稿であふれています。
■箕田竜也記者
「今、お金に困ってますというハッシュタグで検索してみたのですが、怪しげな求人案内がたくん出てきました。」
例えば…
「高額案件の仕事紹介できます。平日時間ある方のみ。日給5~40」
「即日即金ホワイトのみ、闇バイト×」
「案件あります dmまで」
こうした言葉に魅かれて応募をすると、個人情報を要求され「気づいた時には闇バイトだった」というケースもめずらしくありません。
もし、事前に「闇バイト」と気づけたなら…。怪しいと思って引き返せていたら…。
SNSやネットの怖さを知ることがこうした事件を減らす一歩になるかもしれません。
SNSが絡む事件が増える中、こどもたちのネットの使い方や、ネットリテラシーについて一緒に考えます。
いまやほぼすべての高校生がスマートフォンを持つ時代。
街の若者たちのスマホやネット事情はというと…。
■男子学生(19歳)
「スマホは中3からです」
■男子学生(20歳)
「小学5年生ぐらいから使ってますね」
■女子高生(16歳)
「中1の頃からです」
なかには、こんな経験も…。
■女子高生(16歳)
「知らない人から連絡がきたりとかはたまにありました」
■女子学生(20歳)16歳から所持
「知らない(人からの)メッセージみたいのは開かなかったりしてます」
知らない人からSNSでメッセージが送られてくることも。
■女子学生(20歳)
「鍵アカです」
「ほとんど鍵アカです。あんまり知らない人とは関わらないようにしたい」
■15歳からスマホを所持した女子高生(17歳)
「知らない人と繋がらないことは気を付けてます。あ、なんかネット友だちと会ってる子はいます」
便利で、生活にすっかり浸透したSNSですが、闇バイトはもちろん、福島県内でも、SNSで「裸の画像を送ってしまった」という相談が警察によせられているといい、思わぬトラブルの入口にもなりかねません。
専門家は、リテラシーつまりネットの怪しい情報を見抜く力を身に付けることが必要だと警鐘を鳴らします。
取材したのは小学校の元教師でITジャーナリストの高橋暁子さんです。
■ITジャーナリスト高橋暁子さん
「(スマホを)持ち始める前のルールとか教育とかが徹底する前に、すべての子にいきわたってしまった面があるんですね」
ただ、それを教える「大人」は、ネットでトラブルに巻き込まれた実体験が少なく、今の子どもたちの立場になってネットの怖さを教えるのが難しいといいます。
■高橋暁子さん
「今の教員そして保護者の世代っていうのは、学生時代にはリテラシー教育を受けてらっしゃらないんですね。Z世代っていう子たちは、生まれる前から、あるいは、少なくとも物心ついたころにはすでにあって、家庭にもあった。その差はとても大きくてですね」
インターネットやSNSを取り巻く環境がめまぐるしく変わっている現代。
世代のギャップもあれど、親子できちんとコミュニケーションを図り、子どもがどんなネット環境に身を置いているのか理解することが大切だと高橋さんは話します。
■高橋さん
「ネットで誰と親しくしてるとか、どんなコンテンツ見たりしてるとか、サービス何使ってるとか、そういう会話を通すことで相互理解も深められますし、それだったらこういう被害があるの知ってるみたいな話もできると思うので。ニュースをしっかり家族で一緒に見て、これをきっかけとして、これきっかけにちょっと話し合ってみようみたいにされると被害が防いでいけのかなと思ってます。」
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