最近は寒暖の差が大きく、体への負担が心配されます。特にこれからの時期は「ヒートショック」に注意が必要です。
体を温め1日の疲れを癒してくれるお風呂。ただ、寒さが本格化する今の時期は「ヒートショック」に注意が必要です。暖かい部屋から寒い浴室へ。そして再び温かい湯船につかる。こうした急激な温度変化によって血圧などが急変。
体に大きな負担がかかり脳卒中や心筋梗塞などを引き起こすリスクが高まります。特に高齢者は注意が必要で、入浴中に気を失い、浴槽の中でおぼれる事故も報告されています。
ヒートショックを防ぐポイントについて消防の担当者は?
■郡山消防本部 山口佳那子さん
「脱衣所や浴室室の温度差をなくすことが重要だと思う」
対策としてあげられるのが、入浴前に脱衣所や浴室を暖房やシャワーで暖めて置くことです。部屋の温度差をなくすことでリスクが下げられると言います。
■郡山消防本部 山口佳那子さん
「サウナもお風呂と同じで、身体が急激に温まったり冷えたりするので、血圧の変動が大きいと思う」
一方で、若者に人気のサウナも、冬は特にヒートショックの危険性が高まると言います。そのため、県内の温泉旅館ではこんな対策をしているところも。
フィンランドから輸入したバレルサウナが人気の「四季の宿 天端」では、気温が下がる冬の期間は陶器でできた水風呂が利用できません。
■四季の宿 天端 杉山 元巳支配人
「ヒートショック対策を積極的にやるということで進めている。陶器の(水風呂の)場合は温度差が激しいから、不安定になるということでのヒートショックの対策として岩風呂で(水の)温度を安定させるという形を取っている」
その代わり、冬の期間は、水温を17度から20度に保ったお風呂を用意し、体への負担を軽減させる狙いがあります。
■四季の宿 天端 杉山 元巳 支配人
「もっと(設備を)充実させてやっていきたいということで、とりあえずは事故防止を最優先に取り組んでいきたいと考えている」
ヒートショックは、65歳以上の高齢者に多い傾向があるとされていますが、若い世代も注意が必要です。注意点の一つが、長湯です。
最近は、このようにお風呂でスマートフォンを楽しむ人も多いと言いますが、実は、これが長時間になると体には相当な負担がかかるそうなんです。
寒い浴室で血圧が上昇した後、湯船につかって体が温まってくると一転、縮まっていた血管が広がって急激に血圧が下がります。
このため、ヒートショックが起きやすくなるというんです。さらに、入浴中は汗もかくため、長時間の入浴で身体は脱水状態にもなっています。
気温の差が大きい今、改めて、予防のポイントです。1つ目は入浴前に脱衣所や浴室を暖めて、部屋の温度差を小さくする。2つ目は長湯・熱いお湯はNGです。
お湯に入るときは心臓から遠い足先の方から「かけ湯」をして、体を慣らしてから入ることと「41℃以下」「10分程度」を目安に入るのも大切です。
3つ目は「食後すぐ」や「飲酒後などの入浴は避ける」ということです。特に高齢者は、食後に血圧が下がりすぎることもあります。
飲酒も血圧を下げるので「お酒好き」の人もヒートショックには要注意だということです。
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