福島市中心部の車の渋滞緩和のため、建設が進められている福島西道路。2026年度に開通する予定でしたが、11月、その時期が見直しされました。
その理由として上げられたのが、想定を超える大きな石=巨石の存在です。工事現場の「いま」を取材しました。
福島市で今、着々と進められているのが国道13号・福島西道路の建設工事です。福島市の中心部の交通渋滞を緩和する目的で作られるもので、全長は14キロ。
このうち、まだ整備ができていない赤い点線部分にあたる6.3キロの工事が進められています。
完成すれば、国道4号と13号がつながり、交通がスムーズに。工事は2016年から始まり順調に進んでいましたが、トンネルを作る過程で想定外の事態が起きたんです。
見つかったのは、5メートルを超える「巨大な岩」。工事前の地質調査で想定していたよりも、大きい岩が数多く出てきたというのです。
■福島河川国道事務所 岩渕賢一 副所長
「今まで担当してきた工事の中で、これぐらいの巨礫が確認されたのは初めてで、なかなか難しい工事という印象」
そのため、2026年度としていた、全線開通の時期は見直しを余儀なくされ、開通時期は見通せていません。
火薬で巨大な岩を爆破し、トンネルを掘り進めます。トンネルは、全長1.8キロほど掘る計画で、11月26日時点でようやく570メートルほどに達しました。
1回の発破で進めるのは、わずか1メートル。さらに音も大きく防音対策を取っていますが、近隣住民への配慮で、発破は1日3回に限っています。
取り除いた石をみると…その一つ一つは大きく、工事の難しさを感じさせます。
危険を伴う工事のため、担当者は「安全を第一にしながら期待にこたえたい」としています。
■福島河川国道事務所 岩渕賢一 副所長
「非常に皆さんの期待が大きい事業と承知している。1日も早い開通を目指していきたい」
福島河川国道事務所は、大きな岩が障壁となっているトンネル工事の進み具合をみた上で、改めて開通時期を公表するとしています。
福島市で進められるビッグプロジェクト。悲願の全線開通を目指して、いまも難しい工事が進められています。
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