鮫川村に「競走馬を引退した馬が活躍できる場所を」と牧場をつくり移住した男性がいます。
その思いとは…
緑に囲まれた場所でのんびりと過ごす4頭の馬。
鮫川村にある「お馬のお家」です。
けがなどを理由に競走馬を引退した馬が余生を過ごしています。
■NPO法人お馬のお家 栗林信文代表
「馬の名前はイサチルエース。川崎競馬場の栗林厩舎で最後まで走ってくれた馬でデビューしてから14勝しているので、結構一生懸命走って、競馬のセンスがいい」
牧場を運営するのは栗林信文さん57歳です。
20代から川崎競馬場で働き調教師として競走馬を育成してきた栗林さんは2024年4月に引退し、この牧場をオープンさせました。
■栗林 信文代表
「僕の厩舎にいた馬は全部乗馬クラブには一旦乗馬として出してはいるけど、乗馬クラブも最期まで面倒を見るのは無理で」
馬の寿命は25年前後と言われる中、競走馬として活躍できるのはわずか数年です。
競走馬を引退した後、乗馬クラブなどで活躍する馬もいますが、受け入れ先は限られ殺処分されることもあります。
■栗林 信文 代表
「これだけ大きな動物なので、愛情もわいてくる。自分のとこで頑張ってくれた、俺のために頑張って走ってくれた馬は最期まで面倒をみないとなというのが根本的な理由」
最期まで馬の面倒を見ることができる場所を探していた栗林さんは鮫川村に移住。
広大な牧草地が広がる自然豊かな村で一から牧場を作りました。
■栗林 信文 代表
「場所もいるし、食べ物を飼料店から買うと、毎月かなりの金額がかかる。なんとか面倒を見てあげたいという人の受け入れ先になれればいい」
そして、新たな取り組みも。
■ニンジンを収穫する栗林さん
「ある程度できてる、あ、できてるわ。4か月でこんな大きくならないけど、もしかしたら堆肥がいいからこんなに育ったかもしれない」
馬のふんを堆肥に使った野菜作りです。
収穫した野菜は牧場に支援を寄せた人へ返礼品として贈るほか、インターネットでも販売を予定しています。
また、馬と触れ合える農業体験や新たに宿泊施設を開くことも計画しているそうです。
■栗林 信文 代表
「引退した後も活躍の場が広がればいい、馬がこの場所に貢献できて福島に貢献できるのが目的。まずは人いっぱい来てもらって、地域振興につながっていけば」
「地域に貢献しながら馬が生き続けられる道を…」栗林さんは、活動を続けます。
■栗林 信文 代表
「最期まで馬生を全うするまで、なんとか過ごしてもらえればいいかな。これも縁かもしれないけど、一緒に生きていくという感じ」
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