郡山市出身の作家・鈴木結生さんが芥川賞を受賞し、県内ゆかりの場所も喜びに包まれています。
会見で鈴木さんは、作品作りにかける福島への特別な思いも明かしていました。
快挙の一報から1時間あまり。15日夜、郡山市内の書店では、早速、メモ帳でこしらえたという手書きのポップも。
■TSUTAYA 桑野店 東野徳明さん
「13日に10冊入荷、今は3冊。この30分の間に5冊売れた」
話題作になること必至。
いち早く本を手に入れようと買い求めた人もいたようです。
■TSUTAYA 桑野店 東野徳明さん
「地元なんだからいれてよと、何とか確保します」
■受賞後の記者会見 きのう都内
「ゲーテが死ぬ前に言った言葉が『もっと光を』と言われてるんですけど、今はもう光はいらないなっていう感じがしますね」
新人作家の優秀作品に贈られる「芥川賞」
15日の選考会で、郡山市出身・鈴木結生さんの「ゲーテはすべてを言った」が見事、選ばれました。
■芥川賞作家・鈴木結生さん
「2日前までインフルで倒れておりまして、たくさん変な夢をみてこれもその続きなんじゃないかと疑っておりますが、いい夢なので続いて欲しいなと思っています」
現在、福岡市の大学院に通う23歳。
時の人となり“夢見心地”といった気分のようです。
小学校高学年までを郡山市で過ごしていた鈴木さん。
小さいころ足を運んでいたという書店では、特設コーナーが作られていました。
■岩瀬書店富久山店プラスゲオ 伊藤純一 副店長
「郡山ゆかりの先生ということで、いつもの10倍程度導入させていただいて、福島県を盛り上げていってくれたらと思う」
■訪れたお客さん
「普段あんまり文芸雑誌を読まないんだけど、郡山の縁で書いている人気になって買ってみました」
喜びを噛み締めている人は、市内の小学校にも。
■小山田小学校 横田安弘校長
「まずはおめでとうと抱擁したくなっちゃいますね」
鈴木さんが小学校5年生のときに担任をしていた横田先生です。
■小山田小学校 横田安弘校長
「これは結生くんが5年生の3月に転校してしまうときに私と。親しい友達に贈ってくれた、結生くんが書いた、物語の本ですね」
このころから作家として秘められた素質があったのかもしれません。
■小山田小学校 横田安弘校長
「5年生とは思えない表現がたくさんあって。びっくりしながらも楽しく読ませて頂きました」
受賞作となった「ゲーテはすべてを言った」
主人公は会津出身という設定。
「福島」に関連するキーワードがこの物語に登場した理由について、鈴木さんは?
■芥川賞作家・鈴木結生さん
「福島っていう場所は色々なことを考えるうえで、自分の原風景になっていることは確かなのでこれから先、確かにそういうものを文学の場に残せる仕事が出来たらなと思っています」
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