復興が進む町で人々が交流できる憩いの場がオープンしました。家族の思い出の地で奮闘する夫婦を取材しました。
楢葉町の「Cafe りあん」。鈴木弘幸さん(64)と妻の静香さん(60)が、2024年9月に開いた店です。
■鈴木静香さん(60)
「やっぱり家族みんながいた場所なので残したい気持ちはすごくあった」
店を開くきっかけとなったのは、2011年の震災・原発事故です。
多くの住民が避難し、時に野生動物が増えた楢葉町。2017年には、鈴木さん夫婦の自宅も解体することになりました。
■鈴木 弘幸さん(64)
「どちらもコーヒーが好きなのもあって、カフェをやろうかという感じで」
■鈴木 静香さん(60)
「私たちもこっちに帰ってくるきっかけになるのかなと思った」
「思い出の場所と関わり続けていきたい」。鈴木さん夫婦は、自宅の跡地でカフェをオープンし、避難先のいわき市から楢葉町に通って店を営んでいます。
こだわりはサイフォン式コーヒー。薪ストーブが、ほっと息つくひと時をくれます。町にとってもこうした飲食店は、貴重な存在です。
■利用客は
「3食食べないといけないので、とてもありがたい」
■利用客は
「楢葉町土日にやってる店はかなり少ないので、すごくありがたい」
地域の憩いの場にもなりつつあるカフェ。人と人とのつながりを大切にする楢葉町の中心的な存在に育っていきそうです。
■鈴木 弘幸さん(60)
「この小さなカフェだけど、一つの糧としてみんなに集まってもらうことで少しずつ復興につながっていけると思う」
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