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ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか! 胸が痛かった「香港民主化デモ」ニッポン放送開局70周年、ニュースを振り返る特別番組 何を感じ何を思ったのか思い出す

zakzak by夕刊フジ 2024年7月24日 15時30分

弊社ニッポン放送は先週15日(月曜日)で開局70周年を迎え、17時間連続特番「笑顔にナーレ」を放送しました。私はそのトップバッターとなる午前5~8時の「ラジオが報じたニュース70年史」を、先輩のラジオパーソナリティー、上柳昌彦さんとともに担当しました。

当時のニュース音源を流しながらトークするというシンプルな番組でしたが、音源を聞くと当時の情景が思い出され、自分が何をしていて何を感じ、どう思ったのかが泉のように湧き出てきます。

過去のニュースを振り返る番組は、事件や事故といった暗いニュースが中心となります。その中でも胸が痛かったのは「香港民主化デモ」でした。

コロナ禍直前の2019年12月、私は区議会議員選挙の直後に行われた、香港のデモの現場を取材しました。「光復香港、時代革命」(香港を取り戻せ われらの時代の革命だ)というスローガンを大合唱している様を見て希望を抱きました。当時、私はこう記しています。

《80万人を集めたデモでは子供連れを多く見かけるなど、昼のうちは平穏でした。(中略)諦めずに街頭に繰り出す香港市民の熱量を見ると、ちょっとセンチメンタルかもしれませんが、「この人々のパワーが何かを変えられるのではないか」と思ってしまいます。(中略)この熱量を持ち続けて、来年の立法議員選や行政長官選にまで行けば、「局面打開できるのでは?」とも思います》

残念ながら、その後の新型コロナ感染症で市民運動が制限され、その間に国家安全維持法などが成立しました。民主派メディアは強制的に閉鎖させられ、民主化デモの主催者たちは身柄を拘束されました。政府が市民を厳しく監視する社会となり、あの熱気は消え去ったのです…。

当時、星条旗を振って米国の支援を期待していた人々は裏切られた思いでしょう。同じことを台湾で繰り返してはいけません。

先週末、日本の海上保安庁と台湾の海巡署(海保に相当)が、千葉県・房総半島沖で合同訓練を行ったというニュースがありました。海洋法執行機関からはじめ、政府間、軍同士などさまざまな連携の足がかりにしていってもらいたいものです。

かつてなら中国の反応を気にしてできなかったことを、南太平洋の島嶼(とうしょ)国との「太平洋・島サミット」(16~18日)の閉幕に合わせて行うあたり、岸田文雄政権も積極的に動いています。

さて、開局70周年を記念し、横浜市中区の「放送ライブラリー」で企画展「viva(ビバ)ラジオ!ニッポン放送タイムトラベル70年展 ~with(ウィズ) History(ヒストリー) of(オブ) Radio(ラジオ)」を開催中です。

ニッポン放送の歩みを貴重な資料や音源とともに振り返ります。生放送スタジオの再現や記念撮影コーナーなど、見て、聴いて、触れて楽しめる企画展です。期間は9月1日(日曜日)までで、入館は午前10~午後5時。休館日は毎週月曜日(祝日・振替休日の場合は次の平日)。入場無料です。

■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。

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