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新・親も知らない今どき入試 生徒に人気がある大学ランク 女子の受験生が増えた明大が2年連続1位 2位早大と首位争い 慶大の順位が意外に低い要因は?

zakzak by夕刊フジ 2024年10月11日 11時0分

進学校の進路指導教諭がお勧めする大学の第4回は、「生徒に人気がある大学ランク」をお届けする。

大学通信は毎年、全国の進学校の進路指導教諭を対象に、お勧めの大学を調査している。2024年は、約3000高校にアンケートを送付し、766校から回答があった。ポイントは、アンケート項目別にお勧め度の高い順に大学を5校連記してもらい、最初の大学を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。

生徒に人気がある大学ランクは、いろいろなタイプの高校生のアンテナにかかる、多様な種類の学部を持つ総合大学が有利になる。

上位2校は、毎回、早稲田大と明治大の争いになる。この2校の人気は高く、ポイント面で3位以下を大きく引き離している。今回1位の明大は、2年連続でトップをキープした。予備校関係者は言う。

「明大のバンカラなイメージは過去の話、女子受験生が増えたことが、人気を押し上げる一因となっている」

一般選抜に占める、女子校の合格者数に注目してみよう。東大合格者数ランキングベスト10の常連である、桜蔭の明大の合格者数を04年と24年で比較すると、15人から66人と4倍以上増えている。桜蔭とともに東京の女子校御三家に数えられる、女子学院は29人から68人、雙葉は19人から72人と、トップ女子校で合格者が増えているのだ。

2位の早大も女子の人気が高い大学で、前出の学校の24年度の合格者数は桜蔭120人、女子学院127人、雙葉82人となっている。3位の立教大と4位の青山学院大、6位の慶應義塾大を含め、女子から高い支持を得ている大学が上位にくる傾向にある。この5大学は、都心にメインキャンパスがあることも共通点として挙げられる。

これらの大学を見て気づくのは、慶大の順位が意外に低いこと。その要因について予備校関係者は、こう話す。

「慶大の文系学部は、国語の代わりに論文試験が課されます。こうした入試のハードルの高さが順位に影響しているのでしょう。近年、早大や青山学院も論述試験を採り入れていますが、それ以外の試験方式を選ぶこともできます」

受験しにくい分、順位が上がらないのは、大学入学共通テスト全教科と、難易度が高い2次試験が課される、難関国立大も同様だろう。難関国立大の最上位は5位に入った東北大で、以下、東大(7位)、京大(8位)、名古屋大(9位)の順となっている。

国公立と私立の難関大が上位を占める中で、準難関大の最上位は10位の東洋大。学部の新設やキャンパスの都心回帰、再整備など、改革を継続していることが、人気となって表れている。また、ランキング中の私立大は全て東京の大学だが、東京以外でもっとも人気が高いのは12位の近畿大。11年連続で志願者数日本一という実績が示す通りの、高い順位といえよう。

■井沢秀(いざわ・しげる) 大学通信情報調査・編集部部長。1964年2月6日、神奈川県生まれ。明治大学卒業後、受験情報・分析を主力事業とする大学通信入社。大学の入り口(入試)から出口(就職)まで、情報を収集し発信中。中高・大学受験の案内書・情報誌を編集するほか、新聞社系週刊誌、経済誌などへの情報提供と記事執筆を行う。

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