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志らべのユー、次なに見る 社会問題や人物の苦悩をグッと描く…新しい時代のサスペンスに心がワサワサ カンヌ国際映画祭パルムドール「落下の解剖学」

zakzak by夕刊フジ 2024年8月4日 10時0分

最近、U―NEXT、盛り上がっていますね~。サッカー好きの私としては、今年からイングランド、プレミアリーグの中継が始まるということで小躍りしましたよ。いや、本当は中踊りくらいはしていました。でもグッと感情を抑えて(何のため?)の小躍りです。

スポーツ以外の配信も話題作が続いています。先月、配信が始まったばかりの映画がカンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得したフランスの「落下の解剖学」です。

人里離れた雪山の山荘で男が転落死。初めは事故と思われたのですが、次第にベストセラー作家である妻・サンドラに殺人容疑が向けられます。現場に居合わせたのは視覚障害のある11歳の息子だけ。やがて証人や検事により、夫婦の秘密や嘘が暴露されていき…。

ハッキリ言って、このあらすじとサムネ画像だけで「見たい!」と激しく思っちゃいました。こういうシンプルなサスペンスは私の心をくすぐっちゃうんですね。また私がくすぐったがりなのよ。

見ているとけっこう法廷でのシーンが多いのです。私の中で法廷でのシーンが多いサスペンスというと、ビリー・ワイルダーが監督した「情婦」を思い出してワクワクしちゃうんですね。そのうちにこの欄でも紹介したいですねー。ただ、サスペンスはなかなか面白さを伝えづらいのヨォ。オチを言ったら大クレームですから。でも、落語と同じで、素晴らしいサスペンスはオチを知っていても味わい深いもんですよ。

この映画を見て思うのは、人間というのは、映画が始まって最初に追いかける人物に対して感情移入しがちだってことですね。この人は無実で被害者なんだと半ば思いながら見ていて、途中でその人物が怪しくなってきた時の見ている側の心理のワサワサ感というのはなかなかたまりません。

そして、昭和のサスペンスと違って、サスペンスに社会問題やその人物の苦悩をグッと描いていくのが新しい時代のサスペンスなんだと、この作品を見て心を新たにしましたね。 (立川志らべ)

※配信は予告なく終了している場合もあります

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