4位広島と激しいクライマックスシリーズ(CS)進出争いを繰り広げる3位DeNA。シーズン最終盤にきて、三浦大輔監督(50)の継投策が冴えを見せ始めた。
25日の巨人戦(横浜)で先発ジャクソンは6回まで92球で被安打2の快投を見せていたが、三浦監督は交代を決断。4投手による無失点リレーで、今季初の1―0の勝利を手にした。
ジャクソンは打席が回る前にベンチでヘルメットを被って無言の続投アピールまでしたが、指揮官は「チームで戦っていることを理解してくれている」と説明。思い切った継投策が的中して広島を1・5ゲーム差まで突き放し、自力CS進出の可能性を消滅させた。
監督就任4年目の「ハマの番長」のベンチワークに対して、これまでチーム内では「先発投手を引っ張り過ぎて失点を重ね、かえって中継ぎ陣の負担が増えている」と厳しい声も上がっていた。
転機となったのは8月27日の阪神戦。3点リードの7回から登板のウィックが乱調で無死満塁のピンチを招き、三浦監督は交代を告げるためマウンドへ向かったが、まさかの降板拒否。すると温厚な指揮官が珍しく、感情も露わに「CHANGE!」と厳命したのだ。
球団関係者は「あの日を境に、監督が投手継投でかなり早めに動くようになった」と証言。何かが吹っ切れたように、勝負への厳しさを前面に出すようになった三浦監督のもと、ナインはラストスパートに入る。 (山戸英州)