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SPORTS BAR 竹田麗央、強さの秘密はレジェンド級のアプローチ術 昨年引退したツアー21勝のイ・ボミに憧れ〝進化〟は無限

zakzak by夕刊フジ 2024年9月11日 15時30分

勢いがすごい! 女子ゴルフの竹田麗央(21)である。前週「ソニー日本女子プロ選手権」(沖縄)で国内メジャーを初制覇。初優勝からわずか5カ月で6勝を挙げた。年間女王を決めるポイントランキングで首位を快走し、今季獲得賞金額も約1億6100万円と奪首した。

豪快なショットが称賛される。今大会の平均飛距離は271・5ヤードで全体2位。「マン振りすれば300ヤード近く飛ぶ」と自負するパワーは魅力である。予選で同組だった古江彩佳(24)は「飛んで曲がらない」と絶賛し、米ツアーを主戦とする勝みなみ(26)も「グリーンが硬いアメリカでもボールが止まる」というパワーフェードは大きな武器だが、竹田のスコアメークの秘密は〝巧みなアプローチ術〟にあった。

今大会の4日間を通して難易度ナンバーワンの13番(パー4)。3日目はグリーン右奥へ、最終日は左手前に外したが、いずれも難しいライからの3打目のアプローチをピンに絡ませ、パーセーブ。テレビ解説していたツアー41勝の森口祐子プロは「何気ないけど、すごい技…」と絶賛した。

竹田のアプローチは、グリップの(左手)親指を下に向けた状態のままのアドレスから、テークバックしてダウンスイングする。インパクトまで手首をコックしないから再現性が高く、方向性が安定する。前週も沖縄独特の芝目の強さに苦しむ選手が多かったが、竹田はさらりとこなしていた。

昨年引退したツアー21勝のイ・ボミの存在があった。小学校時代、地元熊本で「KKT杯バンテリンレディス」で初めて観戦したボミの姿にプロへの思いを誓った。高校時代、アマチュアとして同大会でボミと回り、そのゴルフスタイルに憧れた。プロでは昨年10月に初めて練習ラウンドを誘われ、そのアプローチ技に「すごく勉強になった」とオフに徹底的に練習した。

今季のスタッツが証明する。リカバリー率(パーオンを逃してもパーまたはそれより良いスコアを獲得)は、昨年の61・2319%(ランク55位)から69・7080%(同10位)と大幅にアップ。ボミの主戦キャディーを務め、昨季から竹田と何度もコンビを組んだ清水重憲さんは、「強かったときのボミに似ている」と竹田の〝進化〟を口にしていた。圧倒的な飛距離にショートゲームの巧さ。21歳の竹田の将来が無限に広がる…。 (産経新聞特別記者・清水満)

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