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「第2次トランプ政権」で世界の混乱は正常化に向かう 失われた4年、民主党候補が勝利なら…米国に待ち受ける〝悲惨な未来〟

zakzak by夕刊フジ 2024年7月22日 6時30分

ドナルド・トランプ前米大統領の暗殺未遂事件のニュースは世界を駆け巡った。九死に一生を得たトランプ氏は、米国民に「闘志」を見せつける結果となった。国際投資アナリストの大原浩氏は、事件を乗り越えたトランプ氏が大統領戦で勝利する確率が高まったことで、世界を取り巻く政治や経済の混乱も「正常化に向かう」と指摘する。

トランプ氏が一命をとりとめたことは幸いであった。さもなくば、2022年7月8日、卑劣な殺人者によって安倍晋三元首相が失われたことに次ぐ悲劇となりえた。

重要なのは米国時間6月27日に行われたテレビ討論会で、民主党のジョー・バイデン大統領が無残な姿をさらし、「トランプ氏優勢」が明らかになった直後の事件であるということだ。

1963年のケネディ大統領暗殺事件では、容疑者のリー・ハーヴェイ・オズワルドが、警察署の地下でジャック・ルビーに撃ち殺された。今回は「事前にトランプ氏へ向けた銃弾を防げなかった」シークレットサービスのカウンター・スナイパーが、トランプ氏の耳を銃弾がかすめた直後に容疑者を射殺した。

「死人に口なし」であるから、事件の真相解明は困難になった。

ただ、どのような形にせよ、「反トランプ派」の卑劣な暴力を見事にかわし、星条旗の下で拳を上げるという「奇跡の1枚」を残した意味は大きい。まさに「アメリカンヒーロー」であり、米国民の心をわしづかみにした。「もしトラ」から「確トラ(確実にトランプ)」への変化である。

筆者は、「失われた4年」とでも言うべきバイデン政権の稚拙な政治が再度繰り返されれば、ウクライナ戦争とガザ侵攻と言う「トランプ政権であれば起こりえなかったであろう」無益な戦争が泥沼化するとみていた。しかし「第2次トランプ政権」に入れば、これらも収束に向かうはずだ。

実際にテレビ討論会で「当選すれば大統領就任前に戦争を止められる」としたトランプ氏の発言に対して、7月4日にロシアのプーチン大統領が「われわれは極めて真剣に受け止めている」と答えている。

トランプ氏は明らかに親イスラエルの立場だが、ネタニヤフ政権がまるで「政権延命」のために、侵攻を拡大していることは米国の国益に反すると考えているであろう。こちらも「落としどころ」を探って解決に向かうのではないか。

経済についても、米国のバブルを加速させたのはバイデン政権によるバラマキであり、「正常化」を目指しているのが、トランプ氏ら共和党の議員たちである。

トランプ氏は「米連邦準備制度理事会(FRB)は大統領選前に利下げすべきでない」とも述べている。「多くの国の歴史をみても、インフレは最終的に国を滅ぼす」と強い警戒心を持っていることの表れである。つまり、「正しい経済政策」なのだ。

米国はIT・金融バブルと対照的に、ボーイング社の「品質問題」に象徴されるように製造業が衰退した。これに対しても、トランプ氏は最近のインタビューで「ドル高是正と関税引き上げによる製造業大国復活」を強く打ち出している。

逆に言えば、GAFAなどビッグテック企業が権力をほしいままにして「国民の知る権利」をも侵食していることが米国を弱らせたといえる。

万が一にもバイデン氏やそれに代わる民主党候補が24年の大統領選挙に勝利すれば、米国に待ち構えているのは「悲惨な未来」であろう。

■大原浩(おおはら・ひろし)人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

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