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ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか! 元日、石川県珠洲市で再会「避難所生活が最高だった!」と語る八木さんの決意 〝道半ば〟の復興嘆くより…前向きな人の後押しを

zakzak by夕刊フジ 2025年1月8日 15時30分

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

私にとって2025年のスタートは能登半島の東端、石川県珠洲市でした。能登半島地震から1年、担当するニッポン放送の番組「OK! Cozy up!」(平日朝6時~)で現地の様子を取材し、現地から元日生放送を行うためです。

大みそかの生放送が終わってから北陸新幹線に飛び乗り、金沢市からレンタカーで珠洲入りしました。のと里山海道から珠洲道路を通って、金沢からは2時間弱。1年前は里山海道が途中で通行止めでした。海沿いの国道249号に迂回(うかい)して7時間かかりましたから、違いは瞭然です。交通インフラは立ち直りつつあることが分かります。

昨年の拙欄を見返すと、発災5日後に現地入りしました。珠洲市役所近くの飯田町中央商店街で出会った「いろは書店」の八木淳成さんが、全壊した店舗兼自宅の前で、「希望しかない!」と話したことに衝撃を受けたことを書いています。

1年がたち、今、八木さんは何を思うのか?

昨年3月に車庫を改装したという「いろは書店」の仮店舗を訪ねると、変わらぬ屈託のない笑顔で迎えてくれました。

八木さんは「これ、どこのメディアに言ってもカットされちゃうんだけど…」と切り出しながら、「避難所生活が最高だった!」と言います。生活が窮屈なのでは? と思う避難所生活ですが、寝食を共にしたメンバーと膝詰めで話ができたことで、さまざまな刺激を受けたそうです。

おのおの自宅に戻ったり、仮設住宅に入るなど生活は変化しましたが、この間3度、避難所同窓会を開いたとのこと。「あの人が店を再開させた」「よし俺も」と、お互い刺激し合う仲だそう。

八木さんも今年、公費解体で更地となった元の場所に店舗を再建し、仮店舗は劇場に再改装する計画です。

この中央商店街を見渡すと、公費解体がすでに済んだ更地と、解体を待つ半壊や全壊の家屋が点在していて、見た目には殺風景にも映ります。これを見て「復興は道半ば」、あるいは「復興はまだまだ進んでいません」と結論付けるのは容易です。印象的な写真・映像で説得力がありますからね。

しかし、水面下ではそれぞれの土地に生業を再建させようとする動きがあるのです。

八木さんは今はがらんどうの通りを見ながら、次のように語りました。

「隣近所の商店街の仲間は皆、店を再建させるって言ってるよ」

「5年後、10年後、『地震の前よりも人が増えた』って言われたい。どこも皆、人が減っているけど、なぜかあそこは人が増えているんだよってね」

この地震で全国から注目されたことを奇貨として、市外からの観光客など交流人口が増える未来を展望していました。どこまでも前向きな八木さん。現状を嘆くより、こうした前向きな人を後押しすることが、今は〝道半ば〟の復興を後押しすることになるんだと思います。

■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。

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