兵庫県知事選で、PR会社の女性経営者が斎藤元彦氏の広報全般を担ったとされるインターネット記事を投稿し公職選挙法違反にあたるのではとの指摘が出た問題で、代理人の奥見司弁護士が27日、神戸市内で記者会見し、「SNS戦略全般や広報全般を任せたのは事実ではない」と述べた。斎藤氏も定例会見で、改めて違法性を否定したが、女性の投稿内容と食い違う部分が残る。
奥見氏は、PR会社へ支払ったポスター制作費など約70万円は適法とした。
女性は投稿で、X(旧ツイッター)の公式応援アカウントやユーチューブなど計4つのSNSを斎藤氏陣営のために「管理・監修」していたと書いている。SNS運用に陣営側から対価が支払われていれば公選法が禁じる買収に当たる可能性があるが、奥見氏は「ボランティアとしての行動で、報酬を支払う約束もない。運動員買収には当たらない」と強調した。
奥見氏は女性経営者が「公式応援アカウントの取得や記載事項のチェック、街頭演説会場などにおける動画の撮影やアップロード」を行っていたことを認めた。一方で「広報全般を任せられた」とする女性の投稿には「事実である部分と事実でない部分が記載されている。盛っておられると認識している」と述べた。
女性の記述「ボランティア」ではなく「仕事」
女性の投稿には「仕事」とはあっても「ボランティア」という言葉は見当たらない。
質疑応答では、女性が斎藤氏本人のXにログインしていたのではとの追及もあった。奥見氏は「ログインパスワードを持っていたからといって主体的なものという評価にならない」と説明した。
斎藤氏はこれに先立って開いた定例会見で「公選法に抵触するようなことはない」との回答を繰り返した。女性の発信は「事前に見ていないし、聞いていないし、発信された後に知った」と説明。「選挙戦は適法にやってきた認識でいますので、戸惑いはある」と吐露した。