兵庫県知事選で再選された斎藤元彦氏が19日、疑惑告発文書問題で失職してから初めて県庁に登庁する。県議会の調査特別委員会(百条委員会)は斎藤氏への証人尋問を25日に行う方針を決めたが、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は18日、現在の県議会による百条委継続の「正当性」に疑問を呈した。吉村氏の発言について「県議会の自主解散も視野か」との報道もあり、今後も波紋は続きそうだ。
2期目の県政をスタートさせる斎藤氏は19日、就任式で県職員の前で抱負を述べ、午後は幹部らとの政策会議や再任後初の記者会見に臨む。斎藤氏は18日、百条委などの調査に真摯に対応するとしたうえで「文書問題も確かに(知事選の)一つの争点だが、大事なのは政策を進めていくことだ」と語った。
百条委は25日の尋問で、県職員へのパワハラや、告発文書を公益通報として扱わずに作成した元県幹部を処分した経緯などを改めて検証し、斎藤氏を追及する。
こうしたなか、吉村氏は18日、「これからは兵庫県議会がどうするかということのほうが重要になっている」と述べた。百条委については「この議会で継続することに正当性はあるのか」「構成員の資格の問題」と県議会の対応に疑問を突きつけた。この発言をとらえ、毎日新聞は18日、「県議会の自主解散も選択肢の一つとして視野に入れているとみられる」と伝えた。
「地方公共団体の議会の解散に関する特例法」は、議員数の4分の3以上が出席し、その5分の4以上が同意すれば解散できると定めるが、兵庫県議会はどう動くのか。