株式市場の値動きが一段と激しくなってきた。ついこの間、日経平均が4万2426円の史上最高値をつけたと思ったら、先週は一時4万円割れとなった。
投資顧問会社社長 外部環境が激しく変化しているからな。米国では、トランプ氏の暗殺未遂事件で、「もしトラ」が「ほぼトラ」となった。株式市場は、8年前の「トランプラリー」を先取りして上昇した。そうかと思えば、今度はバイデン大統領による半導体の対中規制強化の報道で、半導体関連が急落した。
ライター 同時期に、為替介入とみられる動きで円高になったな。日本株市場では、東京エレクトロンが急落し、円高で輸出関連株にも売りが波及してしまった。
社長 米国の大統領選挙は11月だから、この先も株式市場は激しい値動きが続きそうだ。もっとも、大統領選挙の年は株価が上がりやすいという経験則もあるから、期待していいんじゃないかな。
ライター 「もしトラ」が「ほぼトラ」になったとすると、今後はトランプ氏の発言に株式市場は敏感に反応しそうだ。
社長 それはそれでやりづらいな。トランプ氏が大統領のときは、夜な夜なSNSでつぶやいて、それで株式市場が乱高下した。また、あの状態に戻るのかあ……。
ライター もっとも、選挙というものは、前もって有利とされるのはあまり好ましくないのも事実だ。実際、すでに「トランプ氏の岩盤は一枚岩ではない」という報道も出てきているよ。
社長 いずれにしても、これまで相場を牽引(けんいん)してきた半導体関連は一休みになると見ている。
ライター じゃあ、これからはどんな銘柄を推奨していくんだ?
社長 今後の外部環境次第というところもあるが、今考えているのは内需系の中小型株だ。実際、最近は日経平均が急落する中でも、グロース市場は底堅く推移している。グロース市場は、年初から厳しい値動きだったから、本格的なリバウンド態勢に入ってきたら値幅が狙えるはずだ。
ライター 為替の円高推移はどうだ? 米国は9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で利下げに向かっているし、日本は7月の金融政策決定会合で利上げの可能性がささやかれている。日米の金利差が縮小すれば、為替は円高に動くよな?
社長 教科書的にはそうだな。ただ、日本の利上げは9月もしくは10月の会合になるんじゃないかな。だから、この夏場に日本株が再び最高値にチャレンジする可能性はまだ残されていると思うよ。
ライター ということは、日経平均の4万割れは買いと考えていいのか?
社長 絶好の押し目買いのタイミングだと思う。今年は、気温も相場も「アツい夏」になるよ。