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わが社の「健康経営」 テルモ(2)家族招いてイベント「ファミリーデー」実施 高齢の両親の介護も仕事と両立できるようにサポート

zakzak by夕刊フジ 2024年11月13日 15時30分

健康長寿は自分だけでなく家族も一緒に実現するのが理想だろう。テルモでは、健康管理も家族とともに楽しく取り組むための後押しをしているという。家族も参加可能な健康増進や定期健康診断などに加え、高齢の両親の介護も、仕事と両立できるようにサポートしているのだ。

【一体感を家族と】

同社は医療機器や医薬品を扱うだけに、グループ企業の従業員も含め健康意識がそもそも高い。2014年の健康経営宣言以前から、予防や検診、健康・治療支援を行い、一家で参加できるイベント開催などにより、従業員と家族の両方にアプローチしているという。

「毎年、職場にご家族を招いて健康増進のイベント『ファミリーデー』を実施しています。各事業所単位でスポーツイベントも行い、職場の連帯強化と家族との一体感醸成に役立てています。年2回のアプリによるウオーキングイベントにも、ご家族が参加できます」と、同社人事部人事企画チームの田中隆之氏は説明する。

家族参加型のスポーツ・レクリエーション活動は、「面倒と思うこともあるが、参加すると自然に笑顔になれる」と従業員は話していた。家族サービスの一環としても、ファミリーデーは従業員に活用されているようだ。

【セミナーで介護に備える】

家族も健康で仕事に集中できる環境は理想だが、少子高齢化の日本では、高齢になった両親の介護が仕事のネックになることがある。厚労省の2022年度「介護保険事業状況報告(年報)」によれば、要介護(要支援)の認定者数は694万人で、年々右肩上がりに増加している。要介護認定されても親が自立できればよいが、家族の介助が必要なケースも多い。

「当社では、仕事と介護の両立支援を行っています。介護の相談窓口を就業時間内に無料で利用できるようにしています」と、同社人事部人事企画チームの松原亜里紗氏は話す。

厚労省の「育児・介護休業法」では介護休業や介護休暇、短時間勤務の措置など、さまざまな両立支援制度が定められ、働く人をサポートしている。だが、実際に両親の介護が必要になるまで、介護の制度を知らないという人は一般的に少なくない。いざ親の介護の手続きなどが必要なときに戸惑ったり、仕事を休まざるをなかったりすることは、珍しくない話だ。

「当社では介護に備えるため、専門講師による介護セミナー、ご家族の同席可能な個別相談会、介護ハンドブックの配布などを行っています。職場への理解浸透も促しています」(松原氏)

家族の健康や高齢になった両親の介護も、心配の種にならない施策が、健康経営では必要といえそうだ。(取材・安達純子)

■テルモ株式会社 医療機器・医薬品の製造販売。グループ会社98社。グループ従業員数3万591人(2024年3月末現在)。1921年9月設立。経済産業省等の「健康経営銘柄」に合計8回認定。

【健康経営とは】従業員の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践すること。従業員の健康が生産性や企業価値の向上につながり、就活や転職先企業の指標にも。

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