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株式フジ 米銃撃事件で〝強い大統領候補〟の印象「ほぼトラ」が市場を席巻する公算 重厚長大のオールドエコノミー産業、金融株など恩恵

zakzak by夕刊フジ 2024年7月19日 6時30分

7月11日の木曜日に日経平均は終値ベース市場最高値4万2224円02銭をつけたものの、翌12日の金曜日に大幅反落(1033円34銭安)し、4万1190円68銭まで下げました。

史上最高値圏における急落は「天井打ち」ではないかと投資家に懐疑を抱かせるものです。

この背景として、米時間7月11日発表の米6月CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回りインフレ鈍化を示したこと、ドル円相場で日本の当局による為替介入とみられるドル売り円買いによって急激に円高が進行したことが指摘できます。

経済指標の予想との乖離(かいり)、当局による為替介入が先行き不透明感をもたらし、さらに高値圏にあったことで、いったん手仕舞う投資家が増えたものと思われます。長期トレンドの変化ではなく、高値圏でしばしばみられる、かりそめの混乱だと思われます。

米時間7月13日、ペンシルベニア州で開催されたドナルド・トランプ前大統領の選挙集会で暗殺未遂事件が起こりました。トランプ氏は右耳を負傷したものの、すぐに腕を上げガッツポーズを取りました。この様子は「強い大統領候補」を米国民に印象づけることに十分で、健康面に不安を抱えるバイデン大統領との選挙戦に有利になるものと思われます。

これまで株式市場では「もしトラ(もしかするとトランプ当選)」とされてきましたが、事件後急速に「ほぼトラ(ほぼトランプ当選)」が現実味を帯びてきたと言われています。東京株式市場も、ここからトランプ氏の政策や主張を織り込んでいく可能性が高いと思われます。

まず「トランプセクター」と思われるのは、化石燃料に関わる「鉱業」「石油石炭」「卸売」です。重厚長大のオールドエコノミー産業、さらには金融株などがトランプ政策の恩恵を受けるものと考えられます。

具体的には原油・ガス開発生産国内最大手の「INPEX(1605)」、石油元売り首位の「ENEOSホールディングス(5020)」、資源開発に強い総合商社「三井物産(8031)」、重厚長大産業の筆頭で防衛関連株の「三菱重工業(7011)」、証券大手の「大和証券グループ本社(8601)」など、注目できる銘柄は多くあります。

もちろん、この段階でトランプ氏が必ず当選する保証はないものの、バイデン陣営の強い巻き返しがないかぎり、しばらくは「ほぼトラ」が株式市場を席巻する公算です。他方、ロシア政府の反応もウクライナ戦争に絡むため、気にされています。 (株式ジャーナリスト・天海源一郎)

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