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楽観視できない〝三振王〟ヤクルト・村上宗隆の来オフ米挑戦 苦戦する〝破格契約〟の吉田正尚 本塁打量産が必須、コンバートも

zakzak by夕刊フジ 2024年10月8日 11時35分

25歳未満の海外選手とはマイナー契約しか結べない米大リーグの「25歳ルール」の壁に阻まれ、今オフのメジャー挑戦を見送ることになったヤクルト・村上宗隆内野手(24)。来オフのポスティングシステムでの米移籍は球団側も了承済みだ。日本人野手は、ドジャースの大谷翔平(30)の圧倒的な活躍がある一方で、レッドソックスの吉田正尚外野手(31)のように苦戦している選手もいる。メジャーのスカウトからは熱い注目を浴びるとともに、よりシビアな視線を向けられることになるだろう。 (塚沢健太郎)

今季の村上は33本塁打、86打点で2冠を獲得も、三冠王に輝いた2022年の56本塁打、134打点には遠く及ばず、「自分の思い描いたような結果ではなかった。成績に納得していない。悔しい」。打率も2年前の・318から・244までダウン。さらに、19年に記録した歴代4位の184三振に迫る同5位の180三振を喫し、プロ7年目にして2年連続4度目のリーグ〝三振王〟となった。

それでも3年契約が切れる来季に向け、「日本でやる最後のシーズンというのは間違いないと思っている」と揺るぎないメジャー挑戦への決意を示す。

現在、メジャーの日本人野手は二刀流の大谷だけでなく、カブスの鈴木誠也外野手(30)も今季21本塁打を放って主力で活躍している。ただ、逆に言うと活躍しているのはこの2人だけで、大リーグスカウトからは「日本人打者の評価は下がっている」と気がかりな証言が。

その理由を「吉田正尚は空振りが少ないという点が高く評価されて破格の契約を結んだが、メジャーではそんなことはなかった。金額に見合った成績が残せなかった」と説明する。

吉田はオリックス時代の21年に455打席で26三振という驚異の数字をたたき出し、22年も508打席で41三振。バットに当てる技術と選球眼が高く評価され、5年総額9000万ドル(当時約124億円)の大型契約でレッドソックスに加入した。ところが、1年目の昨季は580打席で81三振と期待された結果は残せず。今季も421打席で52三振と改善はみられるものの、108試合に出場して打率・280、10本塁打、56打点は年俸分の働きとは認められないという。

日本人打者のメジャーでの活躍度合いは、日本から後に続く選手の評価にも直結する。村上はパワーでは吉田より分があるとはいえ、吉田でも苦戦するメジャーの投手相手に日本以上のペースで三振を量産していたら、よほど本塁打をかっ飛ばさない限り打席が減っていくのは火を見るより明らかだ。

また、別の球団スカウトは「本気でメジャーを目指すならいい加減、ライトにコンバートするべき。三塁からの送球は低めに逸れることが多く、(一塁の)オスナが上手いから15失策で収まっているけど、あれでメジャーは厳しい」と指摘。チーム内からも同様に、村上のコンバートを「検討する時期にきている」という声も出始めている。

今季最終戦となった5日の広島戦(マツダ)で右足親指に自打球を当てて骨折した村上は7日、左足はシューズ、右足にはサンダルを履いて本拠地敷地内の神宮クラブハウスに姿を見せた。日本の三冠王にふさわしい条件で来オフのメジャー雄飛を果たすため、まずはしっかりケガを治してから、攻守でレベルアップに励みたいところだ。

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