「SMBC日本シリーズ2024」は30日、みずほペイペイドームで第4戦が行われ、DeNAがソフトバンクに快勝して2連勝。対戦成績を2勝2敗の五分に戻した。相手コーチに〝侮蔑発言〟を受けながら、前夜に見返すような力投を披露した東克樹投手(28)に勇気づけられ、一体感を強めたベイスターズナインが攻守に躍動した。(山戸英州)
「ふざけるな」
7回1失点の東に続き、この日も先発ケイが7回無失点の快投。打線も11安打の猛攻で5点を奪う完勝に、三浦大輔監督(50)は「チーム全体でその日の試合で全力を出し切ろうとやっている」とうなずいた。選手たちが随所で好守や打席での粘りなど高い集中力を発揮したのは、前日にロッカールームの士気が跳ね上がる〝事件〟が起きていたからだ。
2連勝で迎えた第3戦を前に、東対策について報道陣に問われたソフトバンク・村上隆行打撃コーチ(59)が、「パ・リーグにそんなにいない(タイプ)かも知れないですが、宮城(大弥)の方が断然いいので」と今季7勝のオリックス左腕を引き合いに出し、DeNAの左腕エースを下に見た発言を、ネット記事で目の当たりにした同僚たちは憤慨。「なめて掛かられている。ふざけるな」などと奮起し、今シリーズ初勝利につなげた。
東は試合後、約1年ぶりにSNSを更新。登板中に観客の指笛が投球の妨げになるとして球審にアピールした経緯を説明してから、「あ、ちなみに別件ですが宮城大弥投手はめちゃくちゃ参考にさせていただいています! スーパーピッチャーですから!」と添えた。降板後に把握した村上コーチのコメントへの痛快な〝リベンジ〟に、ナインは拍手喝采を送った。
1989年巨人が怒りの4連勝!「俺たちもやってやろう!」
一夜明けたこの日のロッカー内では、村上コーチが近鉄の野手時代に出場した1989年の日本シリーズの話題で持ちきりに。近鉄・加藤哲郎投手が先発して巨人に無傷の3連勝を決めた後、ヒーローインタビューで「打たれそうな気はしなかった」「シーズンの方よっぽどしんどかった」などと発言。闘争心に火が着いた巨人ナインが怒濤の4連勝で大逆転の日本一を果たしており、東ら選手たちは「俺たちもやってやろう!」と大いに盛り上がっているという。35年ぶりの舌禍事件が頂上決戦の流れを大きく変えるのか。
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ソフトバンク―DeNA第4戦(2勝2敗18時33分、みずほペイペイドーム、3万6623人)
DeNA 000100400-5
ソフトバンク 000000000-0
(勝) ケイ1試合1勝
〔敗〕 石川1試合1敗
(本) オースティン1号①(石川)、宮崎1号①(尾形)