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異例の契約、長谷部誠氏が日本代表コーチ「電撃入閣」の舞台裏 W杯アジア最終予選でサプライズ招集 「ポスト森保」に急浮上

zakzak by夕刊フジ 2024年8月30日 14時35分

日本サッカー協会(JFA)は29日、9月に開幕する2026年W杯アジア最終予選の中国戦(5日・埼玉スタジアム)とバーレーン戦(10日・リファー)のメンバー27人を発表した。森保一監督(56)の意向で、長谷部誠氏(40)=ドイツ1部アイントラハト・フランクフルト下部組織コーチ=がコーチとして緊急入閣した。性加害疑惑が報じられ嫌疑不十分で不起訴となった伊東純也(31)=スタッド・ランス=は約8カ月ぶりに復帰。長谷部コーチに課された使命とは―。 (久保武司)

異例の契約

最近〝無風〟が続いていた森保ジャパンのメンバー発表でサプライズだ。

JFA・山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND・66)は「新たにコーチを迎えることになった。長谷部誠コーチに参加してもらえるということになりました」と発表。2018年W杯ロシア大会以来、6年ぶりの日本代表復帰となった。

今夏、現役を引退した長谷部氏は、フランクフルトに残りU―21(21歳以下)のアシスタントコーチに就任。国際サッカー連盟(FIFA)が定める国際試合期間のみ日本代表に携わるという、過去にない異例の契約を結んだ。

この緊急入閣に最も積極的だったのが森保監督。「長谷部コーチの就任に関しては、私が協会に要望をさせていただきました」と明かした。「われわれが前進するために必要ということで、スタッフとも話しあって決めました」と説明した。

森保ジャパンでは今回ようやく復帰が決まった伊東、そして主力として期待されていた佐野海舟(23)=マインツ=に女性スキャンダルが連発。2人とも不起訴になったが、佐野は招集されなかった。

伊東に関しては森保監督は一貫して「招集したい」との意向を表明していたが、招集は実現しないままだった。山本NDは「メンバーを決めるのは(森保)監督の専権事項。起訴、不起訴が理由ではない」と説明したものの、実際には起訴された選手を選ぶわけにはいかず、伊東の不起訴が決まったことでGOサインが出た。

そのタイミングで今回の長谷部コーチの電撃入閣だ。長谷部氏の入閣は、日本代表のスキャンダル再発防止策の一環でもある。代表メンバーの教育係としての役割を担ってもらうためだ。

主将として3度のW杯を含む出場試合数は81で、日本代表歴代1位。個性あふれる代表選手たちをまとめ、ピッチの内外で相談役を務めてきた。規律には厳しく、代表主将時代はある選手が集合時間に5分遅刻したことも許さなかったが、穏やかに言って聞かせるタイプ。長谷部主将時代はスキャンダルはなかった。

また、指導者としての将来を見据えた起用であることも言うまでもない。〝ポスト森保〟の1番手に長谷部氏がいることも意味している。

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