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石破首相が突如豹変、かえって「経済オンチ」露呈…追加利上げに否定的な発言で日銀に「圧力」 首相が言及の〝禁じ手〟市場は逆ショック

zakzak by夕刊フジ 2024年10月4日 11時35分

自民党総裁選で勝利した直後に円高と株価暴落の「石破ショック」を引き起こした石破茂首相が、今度は日銀の追加利上げに否定的な発言をして、市場に再びショックを与えた。利上げに肯定的とみられてきた首相が、突如豹変(ひょうへん)し、踏み込みすぎの発言をしたことで、かえって「経済オンチ」ぶりが浮き彫りになった形だ。

石破首相は2日夜、日銀の植田和男総裁と会談した後、記者団に「個人的には、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と述べた。この発言を受けて3日の外国為替市場では円が対ドルで一時、前日から3円以上も急落し、1ドル=147円25銭を付けた。株価も大幅高となった。

石破首相は金融緩和を重視するアベノミクスに批判的とされ、総裁選でも日銀の金融政策について「経済や国民生活に支障が生じない範囲、ペースで正常化されることを期待する」と述べるなど、利上げに肯定的とみられていた。

石破政権で日銀の追加利上げが加速すると懸念していた市場関係者にとって「利上げ否定発言」は逆のショックとなった。

だが、政府と日銀は2013年に結んだ共同声明に基づいて政策の方向性は共有するが、具体的な金融政策の手法については日銀に任せるのが大原則だ。「個人的な見解」としても、首相が利上げの是非に言及するのは禁じ手だ。

3日には加藤勝信財務相と赤沢亮正経済再生相が植田総裁と会談した。加藤氏は「為替相場はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に沿った安定的推移が大事だ」と述べるにとどめた。

上武大学教授の田中秀臣氏は首相発言について「『石破ショック』でマーケットに嫌われたことから、人気取り作戦に出たのだろう。首相の発言は日銀にとって予想外の圧力になる。ただ、これだけ豹変したのだから、いつまた反アベノミクスに戻ってもおかしくない」と指摘する。

石破首相は総裁選時、「金融所得課税の強化」を打ち出して株価が暴落し、その後言及しなくなった経緯もある。持論を述べると株が下がり、引っ込めると株が上がるという皮肉な現象が続いている。

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