巨人に金曜問題が直撃している。
23日の中日戦(東京ドーム)はドラフト1位の西舘勇陽投手(22)がプロ初先発も5回4失点で3敗目。開幕から中継ぎだった右腕は、2軍で約1カ月の先発調整を経て満を持して昇格も期待に応えられず、1試合で2軍へ逆戻りとなった。
阿部慎之助監督(45)は会見場に姿を見せず。試合終了後からちょうど1時間後に足早に球場を後にした。巨人では原辰徳監督の第3次政権は会見拒否がなく、2018年9月の高橋由伸監督以来、実に約6年ぶりとなる指揮官の発信ゼロとなったが、5位相手にいいところがなく敗れ、怒りのほどをうかがわせた。
杉内俊哉投手コーチは「(西舘は)2軍なら軽く投げてカウントを作って、追い込んで力を入れて投げているように映像で見えたけど、1軍だとカウントを作る段階で打たれる。簡単に三振してくれない。100%に近い力で投げて制球できるようにとは本人に言いました。軽く投げるとスケールが小さくなる」と説明した。
勝って勢いをつけたいカード頭の金曜日は、球宴前までは開幕投手の戸郷が担っていたが、8月は2日のヤクルト戦が赤星、9日の中日戦は又木、16日のDeNA戦は台風で中止となり、この日は西館と毎回先発投手が違い、首脳陣にとっては頭の痛い問題が続いている。
杉内投手コーチは次週30日、阪神戦(甲子園)の先発を「メンデスも可能性はある」と、この日のイースタン・リーグ西武戦で5回無失点に抑えた左腕の名前を挙げたが、「まだわからない。台風も来るでしょ。その兼ね合いもあるので」とポロリ。27日からのヤクルト3連戦(神宮)で台風10号が直撃すれば、ローテーションを再編できるだけに、もはや〝神風〟を期待するしかないのかもしれない。 (塚沢健太郎)
■巨人―中日20回戦(巨人10勝9敗1分、18時、東京ドーム、4万1772人)
中 日200110310-8
巨 人200000000-2
(勝) 福谷3試合1勝
〔敗〕 西舘27試合1勝3敗1S
(本) 宇佐見1号②(赤星)