巨人は27日の中日戦（東京ドーム）に競り勝ち、マジックを「1」として4年ぶりの優勝に王手。山口寿一オーナー（67）＝読売新聞グループ本社代表取締役社長＝は就任1年目の阿部慎之助監督（45）の手腕を絶賛。3年契約の2年目となる来季もチームを託すことを明言。長期政権への道筋も明るい。
6回に4番・岡本和の中前適時打などで2点先制。8回にも1点を加えてダメを押して快勝。阿部監督は「他のチームは関係ないので。とにかく自分たちで勝っていくだけ。他はどうでもいい」と泰然。その後、阪神がサヨナラで敗れマジック「1」となり、29日にも4年ぶりのリーグVが決まる。
この日の午後に都内で行われたオーナー会議に出席した山口オーナーは指揮官について「もちろん、来年は当然やってもらわないと困る」と来季続投を明言した。
同オーナーが「一戦一戦、結束力が高まっている。チームワークを引き出しているという点で、いい采配をしてくれている」と評した手腕はこの日の試合でも発揮された。チームは6回から継投策。3番手の船迫は左打者に対して被打率・298と苦手にも関わらず2―0とリードした直後の7回先頭から左打者と対した。
右腕は「本来の勝ちパターンではない自分を左相手でもマウンドに送ってくれる。『絶対に抑えてやる』という気持ちと、『打たれるわけがないわ』っていう強い気持ちで打者に向かえた」と腕を振り、左打者2人を含む3人をわずか8球で片付け、流れを渡さず。「優勝争いの中で競り合いの場面。シチュエーションが力を引き出してくれたというか、めちゃくちゃ意気に感じました」と船迫。選手心理を熟知し、ポテンシャルを引き出す手腕に球団内では早くも「来季中にも契約を延長すべき」という声も上がり始めている。 （片岡将）
巨人―中日25回戦（巨人15勝9敗1分、18時、東京ドーム、4万2189人）
中日 000000010－1
巨人 00000201×－3
（勝） ケラー51試合2勝2敗1S
（Ｓ） 大勢41試合1勝2敗28S
〔敗〕 梅津13試合2勝7敗