来年の都議選へ
7月の東京都知事選で初出馬ながら次点と躍進した前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(42)が12日夜、自身のユーチューブチャンネルで、来年7月の都議選へ向けて地域政党を結成すると発表した。注目されてきた〝石丸新党〟の立ち上げを宣言した狙いについて、識者から「将来的な全国政党を目指すのでは」との指摘も上がった。
「舞台は東京。ときは来年7月。東京都議会選挙に向けて地域政党を作ろうと思います」「興味のある方は準備を始めておいてください」
生配信した画面から石丸氏はそう呼び掛けた。詳細については「1カ月後ぐらい」に記者会見を開くとし、12月中に明らかにするという。
都知事選ではSNSなどを駆使した戦略で165万票以上を獲得する「石丸現象」を巻き起こした。石丸氏は動画で「皆さんが結構な割合で政治に都政に関心を持ってくださったんじゃないかな。その思いを形にして、力に変えていきたい」と語り、「東京が動けば日本が動く」と都知事選でも繰り返したキーフレーズに力を込めた。
都知事選直後には、衆院選で岸田文雄首相(当時)と同じ広島1区から出馬するアイデアをほのめかすなどして話題を呼んだが、「国政はいったん忘れましょう」と改めて地方自治に挑む意気込みをみせた。
毒舌ぶりも相変わらずで、配信中には「玉木のアホ」と口にして、不倫報道で謝罪した国民民主党の玉木雄一郎代表(55)をイジる一幕もあった。「玉木さんのためを思えば、とことん叩きのめした方がリカバリーも早くなる」などと語った。
「将来的な全国政党目指す狙いかも」識者
石丸氏が都議選を次のターゲットにしたことについて、政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「『大阪維新の会』の〝東京版〟を作ろうとしているのではないか。石丸氏は地方行政の経験と圧倒的な知名度があり、大阪以外の維新勢力との連携も見え隠れする。政界再編の渦に入り、将来的な全国政党を目指す狙いかもしれない」とみる。
都議選で勝機はあるのか。角谷氏は「候補者がそろえば議席確保の可能性は出てくるかもしれない。ただ、東京は新興勢力への興味は強いが支持層も流動的で長続きしない傾向もある。若者以外の有権者を取り込めるかの勝負になる」と分析した。