〝ズブ濡れ上等〟の船出…。藤川球児新監督(44)率いる阪神の秋季キャンプが1日、高知県安芸市営球場でスタート。残念ながら初日早々、土砂降りの雨の影響で観客はたったの250人と〝球児フィーバー〟…とはならなかったが、強行開催された歓迎式典で藤川新監督は堂々のV奪回を公約した。
式典開始と同時に運悪く強烈な雨が降り注ぎ、総勢39人の選手、各スタッフ、粟井球団社長ら球団関係者、横山安芸市長ら市関係者と全員がズブ濡れ…という異常事態と化したが、藤川新監督は「たくさんのOBの方々がこの球場で汗を流してきました。そんな球場をしっかり使わせていただいて17日間、精いっぱい選手たちと鍛えて、来シーズン優勝を奪還できるよう戦っていきます!」と力強く宣言。チーム内から「雨がすごくて…まるで罰ゲームでした」「雨でまったく目があけられなかった」など困惑する声も聞かれる中、何ら動じることなく来季2年ぶりの頂点取りを言い放ったのだ。
同じくズブ濡れ姿の横山安芸市長も阪神初の高知県出身の指揮官誕生とあって、例年以上の陣中見舞い、献上品を用意。「火の玉ストレート、剛速球のごとく選手の皆さんも勢いよく練習していただき、こちらも精いっぱい手助けしていきたい。高知県安芸市だけでなく高知県全体が盛り上がっている」と相当の期待をかけている。
この日はテレビカメラ10台以上に地元メディアも集結。指導者経験のない〝火の玉ボス〟の一挙手一投足に当然、注目が集まったが、ブルペン中心に若手の門別から育成投手まで積極的に指導してまわった。「天気はこんなんでしたが、選手たちは非常に活気があふれていた。すごく成長を遂げているという投手もいた。笑顔もありながら追い込んでいる姿を見て状態もいいんじゃないかと思う」など初日をそう振り返った藤川新監督。実りある秋…としたい。 (岩﨑正範)