U―NEXTで配信が始まったばかりなのが映画「HOW TO BLOW UP」です。
正直なところ、編集部の方から「この映画どうですか?」と言われ、なんの知識もなく見ることとなった映画なのですが、一応、見る前にどんな映画なのかという想像はしてみました。
〝BLOW UP〟というのは私の受験英語知識で〝爆破する〟という意味であることはわかります。要するに、受験英語で邦題をつけるとするなら「爆破の仕方」ってことですよね。おバカな奴らが爆弾を作っちゃおうとするコメディーじゃないのか? というのが私の見る前のイメージでした。
で、実際は…。環境破壊に人生を狂わされたZ世代の環境活動家たちが大胆な作戦を実行します。過激な決意はやがて友人や恋人、苦難に満ちた物語を持つ仲間たちを巻き込みながら、石油パイプラインを爆破するというミッションへと結びついていき…。
私の予想、あながち間違っているというわけでもないのですよ。大きく違っていたのは、コメディーではないということ(その時点で100%違う?)。
近年、過去の名画にペンキを塗ったりする人々がいるというのを海外のニュースで見ますが、それのさらに激しい人たちにスポットを当てた映画とでも言いましょうか。彼らは正義か? テロリストか…? 石油工場の破壊を目論む若者たちを描くエコスリラーです。
かなり後半に至るまで、考えの浅い若者たちの稚拙な犯行のように見えます。故に私の予想もそんなに間違ってないか? などと思っていたのですが、そんな単純なものではなかったのです。物語はいつの間にか急カーブを描いていきますから、ぼんやり見ていてはいけません。
気鋭の監督、ダニエル・ゴールドヘイバーが、気候変動活動における革命を論じたノンフィクションを映画化したものなんだそうです。16mmフィルムの手持ち撮影と電子音楽が見る側の緊張感を持続させてくれます。 (立川志らべ)
※配信は予告なく終了している場合もあります