石破茂内閣の支持率の低空飛行が続いている。朝日新聞、毎日新聞の世論調査で昨年12月時点から低下した。読売新聞、時事通信の調査では微増だったが、毎日と時事は20%台の危険水域となった(別表)。「年収103万円の壁」問題や物価高対策などへの国民の不満が浮かび上がっている。
「年収103万円の壁」をめぐり、2025年度の与党税制改正大綱で123万円に引き上げる方針を示したが、国民民主党が主張した178万円から後退した。毎日の調査では、123万円への引き上げについて「妥当だ」は18%で、「もっと引き上げるべきだ」は50%だった。
年収の壁をめぐる自民党、公明党と国民民主党の3党協議は停滞しているが、有権者が「壁撤廃」の行方を注視していることがよく分かる。
一方、食品価格など物価高が続くなか、政府は16日からガソリンの補助金を縮小した。レギュラーガソリンの全国平均価格は1リットルあたり185円まで値上がりするとみられる。地域によっては200円を超えているところもあり、影響は深刻だ。
ここでも与党はガソリン減税の協議を今年末まで遅らせている。後手に回った経済対策が影響しているのか、朝日の調査では、経済政策に「期待できる」が20%で、「期待できない」は69%に達した。
政党別では、毎日、読売、時事の調査で、減税を訴える国民民主党が自民党に次ぐ2位となり、野党第1党の立憲民主党を引き離した。毎日の調査では、次期参院選の投票先について自民党(17%)に対し、国民民主党(16%)が迫った。石破政権に有権者の悲鳴は届いているのか。