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うまちゃんの財ザク! 米国の金利が下がってくるとグロース市場の小型成長株が買われやすい傾向 GENDA、タイミー、トライアルも注目

zakzak by夕刊フジ 2024年9月13日 11時0分

総裁選の勝者は経済、賃上げについて何を語るか

東京証券取引所の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する要請から1年以上が経過し、上場企業の取り組みも進んでいます。PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)などが基準を満たさない場合、十分な説明責任を求められるようになりました。歴史的大転換です。

日本の企業はガバナンス改革をして、投資家とのコミュニケーションを進め、変革を起こしています。そんな中、政治にも企業と同様にガバナンス改革を進めることが求められています。

厚労省の7月の「毎月勤労統計調査」で、働く人1人当たりの「現金給与総額」(名目賃金)は40万3490円で、前年同月から3・6%増えました。物価の変動を反映した実質賃金も、前年同月から0・4%増加して、2カ月連続のプラスとなりました。しかし、実質賃金はいつマイナスに転じるかわかりません。

賃上げが続く社会を根付かせるには、政治も集中力を費やす必要があります。その意味で、今回の自民党総裁選の勝者が就任直後に経済や賃上げについて何を語るか、注目しています。

個別では、まず東京電力や北海道電力、九州電力などの電力株。ポイントは、電力大手7社の2025年3月期の売上高設備投資比率の平均が16・6%となり、東日本大震災が起こった11年3月期以来の高水準だったこと。

また、総務省の7月の家計調査で、2人以上世帯の消費支出は29万931円と物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0・1%増加と3カ月ぶりにプラスに転じていて、イオンなど消費関連株も収益増が期待されます。

そして、前回(5日発行)も、お伝えした円高メリット銘柄のニトリは、8月度の月次国内売上高で既存店売上高が前年同月比7・8%増と2カ月ぶりに前年実績を上回ったことも好感ポイントです。

もう1つ、来週17~18日に米国の政策金利を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されますが、米国の金利が下がってくると、意外にグロース市場の小型成長株が買われやすい傾向になります。

まだ動きは弱いんですけど、アーケードゲームのレンタルなどを手掛けるGENDA、スキマバイトサービスのタイミー、そしてディスカウントストアを展開するトライアル辺りも注目です。

■馬渕磨理子(まぶち・まりこ) 経済アナリスト。日本金融経済研究所代表理事。イー・ギャランティ社外取締役。愛称・うまちゃん。1984年生まれ。滋賀県出身。同志社大学法学部卒、京都大学公共政策大学院修士課程修了。大学時代はミス同志社。『LiveNewsα』(フジテレビ系)など出演番組多数。新刊『収入10倍アップ超速仕事術』(PHP研究所)=写真=が話題。

■おまけのひと言

「トヨタ自動車とドイツのBMWは、共同開発を進める次世代の燃料電池車の量産を2028年から開始します。欧州でEVが売れていない中、ハイブリッドも含めた分野にも力を入れるトヨタの全方位外交は、今後、利いてくるんじゃないでしょうか」

【財ザク!】「貯蓄から投資へ」と提言する政府。その投資で少しでも財産アップを達成するために「うまちゃん」が有益な情報をザクザクとお届けします。

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