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もっと知っていると10倍楽しい「光る君へ」キーパーソン 賢子を盗賊から救う若武者、次の世を予感させる存在か…王子様か 伊藤健太郎演じるドラマオリジナルキャラクター・双寿丸

zakzak by夕刊フジ 2024年10月4日 11時0分

NHK大河ドラマ「光る君へ」の登場前から、注目されていたドラマオリジナルキャラクター、双寿丸。演じるのは大河初出演の伊藤健太郎だ。

双寿丸は若い武者。賢子(南沙良)を盗賊から救ったことで、為時(岸谷五朗)の屋敷に出入りするようになり、まひろ(吉高由里子)とも知り合う。武者としての生き方に独自の考えを持っており、賢子は彼にひかれていくという。

ここで思い出されるのはドラマ序盤、少女時代のまひろと関わった直秀(毎熊克哉)だ。路上で風刺劇などを見せる散楽の一員である直秀は、たまたま知り合ったまひろを気にかけ、彼女と右大臣の息子である藤原道長(柄本佑)の連絡係のような役割をしたかと思えば、都を去ることを彼女に告げ、「いっしょに行くか」と誘ったこともある。実は直秀は貴族の館から奪った物品を貧しい民に施す盗賊で、仲間とともに捕縛され、無残に殺されてしまった。

双寿丸が賢子をはじめ、為時一家とどう関わるかは後半の見どころになりそうだが、注目は彼が武者であるということだ。左大臣として権力のトップにいる道長は、武力の行使には常に反対の立場。自邸が3000人もの武装した僧たちに囲まれ、興福寺別当の定澄に屋敷を焼きはらうと迫られたときも、「これほどの暴挙は許しがたい」としながら、道長は定澄の言い分を「審議はする」と約束。翌日、話を聞いた藤原隆家(竜星涼)は検非違使を使って追い払えと言うが、道長も藤原実資(秋山竜次)も武力での排除には反対だった。しかし、事は収まらず、僧たちは大極殿の前に押し寄せ、大騒動になる。

道長の晩年には壱岐・対馬に異国の賊が襲来し多くの住民が殺害・拉致された「刀伊の入寇」が起こる。この物語は、平安中期が舞台だが、平安末期からは「鎌倉殿の13人」でも描かれたように武士が台頭する。

双寿丸は、次の世を予感させる存在になるのか。それとも賢子の王子様になるのか。オリジナルキャラクターの強みは、神出鬼没でさまざまな事件の目撃者になれること。時代を駆け抜ける双寿丸。人気が出るのは間違いない。 (時代劇研究家)

■光る君へ 2024年1月7日から放送中のNHK大河ドラマ第63作。脚本は大石静。主演は吉高由里子。

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