北朝鮮の朝鮮中央通信は1日、同国が10月31日に発射したICBM(大陸間弾道ミサイル)について、最終完結版のICBM「火星19」だと報じた。安全保障分野で連携を強める米韓に反発し、立ち会った金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が、ミサイル総局に発射実験を指示したと伝えている。
「最近、意図的に地域情勢を激化させ、共和国の安全を脅かしてきた敵にわれわれの対応意志を示すのに全的に合致する適切な軍事活動である」
朝鮮中央通信によると、正恩氏はこう述べ、発射を正当化した。ミサイルの最大到達高度は7687・5キロで、1001・2キロを飛行し、日本海の予定目標水域に着弾したという。
北朝鮮の高まる脅威に対し、日米韓は警戒を強めた。
岩屋毅外相とアントニー・ブリンケン米国務長官、韓国の趙兌烈(チョ・テヨル)外相は10月31日、電話会談し、ICBM発射を強く非難した。共同声明では、北朝鮮が憲法で韓国を敵対国と規定したことを明らかにし、ICBM発射が続いたことに留意していると表明し、地域の安全を脅かす一連の挑発的行為をやめるよう北朝鮮に求めた。
防衛省統合幕僚監部は10月31日、自衛隊と米軍の戦闘機が日本海上空で共同訓練をしたと発表した。「特定の国を対象にしたものではない」と説明しているが、北朝鮮を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
訓練には航空自衛隊のF35A戦闘機とF2戦闘機がそれぞれ4機参加した。在日米軍のF16戦闘機4機とともに編隊を組んで飛行するなど、各種の戦術訓練を行った。