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レスリング女子・須崎優衣、靱帯損傷していた 海外勢に初の敗北、1回戦負けの大波乱 手負いの〝絶対女王〟は敗者復活戦へ

zakzak by夕刊フジ 2024年8月7日 13時24分

レスリング 女子フリースタイル50キロ級1回戦

【パリ(フランス)6日=山戸英州】レスリング女子フリースタイル50キロ級で、2連覇を懸けた須崎優衣(25)=キッツ=が1回戦でビネシュ(インド)に敗れる大波乱が起こった。海外勢に敗れるのは初めて。

前回東京大会では1ポイントも失うことなく、全試合〝コールド勝ち〟で完全優勝を遂げたレスリング界の絶対女王が、公言してきた「五輪4連覇」の夢をいきなり砕かれた。初対戦のビネシュに間合いをとられて得意のタックルに入れないまま、罰則ポイントのみの2―0で迎えた終盤。残り10秒で一転して攻めかかってきた相手のタックルで倒されると、背後に回られて2―3と逆転され、海外勢への連勝記録は94で止まった。

試合終了のブザーを聞いた瞬間、マット上で「現実なのか何なのか分からなかった…」と膝立ちで茫然自失。会場で見守った家族や所属先、スタッフに対して「本当に申し訳ない気持ちです。ここで終わってしまったのが信じられない」とすすり泣き、「皆さんの時間、努力を私のせいですべて無駄にしてしまった」と自分を責めた。

本人は「相手の戦術にはまってしまい、うまく良さが出せなかったので負けた」と敗因を語ったが、どれだけ研究されて防御を固められようと倒し切るだけの圧倒的な力があったはず。いつになく動きに精彩を欠き、顔色もすぐれなかったのは、最終調整の段階で大きなアクシデントに見舞われていたからだった。

関係者によると、6月中旬の練習中に靱帯を損傷。負担をかけないためギプスで固定する生活が2週間ほど続き、減量苦を抱えることになった。右肘のテーピングも故障をうかがわせたが、コンディションは「大丈夫」と言い訳せず。世界中が目を疑った番狂わせを、「今の私は五輪チャンピオンになる器ではなかったと思います」と声を震わせながら受け止めた。

ビネシュが決勝に進んだため、7日の敗者復活戦に回り銅メダルの望みはつながれたが、心身ともに手負いの女王はどこまで戦えるのか。

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