プロ野球界はストーブリーグの真っ只中。うれしい一報が舞い込んできました。阪神の現役時代から公私にわたり面倒を見てきた後輩のカンイチこと、1999年ドラフト1位逆指名の的場寛一君が来季から、独立リーグ・北海道フロンティアリーグの石狩レッドフェニックスで監督を務めることとなったのです。
酒があまり強くないカンイチは私の店でも酔いつぶれてはアチコチで寝て醜態…と、何度こっちが頬っぺたを叩いたかわからないくらい(笑)ですが、2005年限りで阪神から解雇されても社会人で野球を続け、現役引退後もスポーツ関連の仕事に果敢に挑戦してきたこの男が、私はかわいくて仕方ないのです。
私もかつて独立リーグ・BCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスで監督をやっておりましたが、「監督業」というのは選手と違ってそら大変…。店にやってきたカンイチを「監督!」とおだてつつ早速、指導者の手ほどきをしておきました(笑)。
カンイチのめでたい話とは対照的に、阪神では4番・大山悠輔内野手のFA流出が心配されています。球団は当然、全力で慰留に努めていますが、本人の「他球団の評価を聞いてみたい」との発言を受け、巨人が5年総額20億円を用意して獲得を目論んでいるとか。全く予断を許さない状況です。
もし大山君が宿敵巨人にFA移籍となれば、阪神にとっては史上初となる一大事。セ・リーグの本拠地は阪神の甲子園と中日のバンテリンドーム以外は狭いし、大山君のホームが東京ドームに替われば、コツンと当てるだけで30本塁打は計算できるでしょう。本人も正直、本塁打王のタイトルは欲しいはずです。
敵に回せば相当の脅威。阪神が本当に残留してほしいなら、マネーゲームは本来賛成できませんが、巨人以上の好条件を出すしかありません。仮に金額が同じでも、選手が最も重要視するのは契約の年数です。根がまじめな大山君は、安心できる環境で少しでも長くプレーを…と思っているだろうから、向こうが5年ならこっちは6年とやって、誠意を見せたほうがいい。藤川新監督はあえて静観してますが、場合によっては自ら出馬し、説得に乗り出すのも大事かもしれません。
ともあれ、カンイチ監督の成功以上に…、大山君の残留、心から願ってます! (元阪神投手、スポーツバー店主)