証券ライター 27日に行われた自民党総裁選挙では、高市氏を破って石破新総裁の誕生となった。
先物トレーダー あの日は朝から忙しかったよ。テレビで大谷さんのドジャース戦を流して、ユーチューブで総裁選のライブ放送、それを見ながら先物をトレードしていた。
ライター 27日は9月末の配当落ち日だったから、何もなければ日経平均は配当分の約280円下げる局面だった。それが終値では903円高だ。配当落ち分を含めると、実質1200円近く上がった計算になる。
トレーダー 1回目の投票では高市氏がトップだったから、マーケットは完全に日本初の女性総理大臣を織り込んでいた。決選投票の結果が出る前に株式市場はクローズしてしまったから、日経平均は上昇したままだった。
ライター マーケット関係者の間では、「高市氏なら株式市場は爆騰、石破氏なら急落」との見方が広がっていたからな。
トレーダー それにしても、株式投資家からしてみれば、石破新総裁はネガティブサプライズだよ。「アベノミクスを否定して金利を引き上げて、ハードランディングやむなし」という考え方なんだから。
ライター 逆に高市氏は、「金利を今、上げるのはアホやと思う」とか「投資マインドを下げることは今してはダメ」と明言していたからな。
トレーダー 石破新総裁が決定した直後、株式市場は稼働していなかったから、最初に動いたのは為替市場だった。高市の勝利を見越して、146・5円近辺で推移していたドル/円相場が、一気に143円を割り込む水準まで円高(ドル安)が進んでしまった。
ライター 16時30分から始まった日経平均先物市場も開始から売り一色で、寄り付き直後から2000円を超える下げ幅を記録した。しばらく日経平均の4万円台回復はなさそうだな。当然、解散総選挙ということになるだろうから、また外国人投資家が嫌う「不透明要因」となりかねないし……。
トレーダー ただ、過去の経験則では「選挙は買い」というアノマリーがある。10月は日米の主要企業の決算発表もあるから、業績のいい銘柄が素直に買われる局面になりそうだ。
ライター 11月には米国大統領選挙も控えてるし、相場の乱高下はしばらく続きそうだな。
トレーダー 本来なら、ボラタイルな(変動率の高い)相場は、先物トレーダーにとって絶好の稼ぎ時なんだけど、最近の相場は過去の常識がまったく通用しない。トレーダー仲間の多くが自信を失って、勝負どころで勝負できなくなってしまったと嘆いているよ。
ライター とりあえず、新総裁誕生を受けて、今週の株式市場がどう反応するのかを見極めたいところだ。それにしても、議員票で小泉氏トップって、なんだかなぁ。
トレーダー 麻生氏の苦虫を嚙みつぶしたような顔も印象的だったよ(笑)。