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もっと知っていると10倍楽しい「光る君へ」キーパーソン 見上愛が演じる彰子「光る君へ」で最も様子が変化する女性かも 進展しない帝との関係…まひろが「物語」書くきっかけに

zakzak by夕刊フジ 2024年10月3日 11時0分

NHK大河ドラマ「光る君へ」に登場する女性の中で、最も様子が変化するのは藤原道長の娘・彰子(見上愛)かもしれない。

出家した中宮・定子(高畑充希)に執着し、世の乱れを招く一条天皇(塩野瑛久)をいさめるため、道長はわずか12歳の彰子の入内を決める。本人に意見を聞くが、彰子は「仰せのままに」と言うばかり。帝が自ら笛を奏でたときも、彰子は笛の音色は聴くもので、見るものではないと帝を見つめることもせず、ほぼ会話もなし。周囲をがっくりさせる。しかし、それこそが、主人公のまひろ(吉高由里子)の運命を変えることになる。

帝の気持ちを彰子に向かせるため、道長はまひろに「物語」を書くよう頼む。道長にとってそれは切り札だった。道長の読みは当たり、「源氏物語」を帝も興味深く読み、彰子も、光る君が引き取った娘は自分のようだと話す。まひろは彰子に自分の本当の気持ちを帝に伝えてはと大胆な助言をする。彰子は勇気を出して「お慕いしております」と涙を流して告白。その後、帝との間に待望の敦成親王(後一条天皇)が誕生する。

ここまでドラマが描く彰子は奥ゆかしく物静かな女性だが、史実でみると、今後、彼女は静かにしてはいられない。

彰子は敦良親王(後朱雀天皇)を出産し、寛弘8(1011)年、一条天皇が病になると、道長は帝の退位を発議。1カ月後に居貞親王(花山天皇の異母弟)が三条天皇として即位した。すると道長は皇太子に一条天皇の皇子(母は定子)の敦康親王ではなく、彰子が生んだ敦成親王を立てた。敦康親王を養育していた彰子はこの決定に不満を抱いたという。一条天皇は譲位して10日ほどで亡くなり、彰子は24歳で皇太后となった。

やがて三条天皇と道長は対立。道長が相談相手にしたのは、ベテラン公卿・藤原実資(ドラマでは秋山竜次)。その実資が相談したのは、先帝の妃であり、次期天皇の母・彰子だった。後一条天皇が即位すると、彰子は国母として政治的にもますます重要人物となる。

あの超おしとやかなお姫さまがご立派に! それもこれも「物語」で応援した紫式部のおかげなのかもしれない。 (時代劇研究家・ペリー荻野)

■光る君へ 2024年1月7日から放送中のNHK大河ドラマ第63作。脚本は大石静。主演は吉高由里子。

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