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「1979」エンタメプレイバック 映画編 テレビ版から設定変更も…今見ると納得できる大人っぽい「銀河鉄道999」 「マッドマックス」シリーズ第1作目も公開

zakzak by夕刊フジ 2024年10月17日 11時0分

1979年の夏、若者たちが1本の映画に熱狂した。それが「銀河鉄道999」だ。2年前の77年に公開された「宇宙戦艦ヤマト」の劇場版を機にはじまったアニメブーム。「999」はその最高潮の中、公開された。

前年秋から放送されていたテレビ版(フジテレビ系)がまだ旅の途中だったにもかかわらず、映画版ではアンドロメダ編を結末で描くという大胆な展開をみせた。

しかし主人公の星野鉄郎の年齢がテレビ版よりも5歳引き上げられて15歳になったことで、少し大人っぽくなり、しかもかなり精悍(せいかん)な男前になったことに、当時の子供たちはかなり戸惑ったものだ。

それはそれとして、当時は心の中で折り合いをつけていたが、大人になった今、改めて見ると、「今、万感の思いを込めて汽笛が鳴る」から始まる城達也の最後のナレーションの「さらば少年の日よ」という締めくくりの言葉とともに納得できるのではないだろうか。

メーテルが鉄郎にそっとキスをするシーンから走り去る999を追いかける鉄郎、宇宙へと遠ざかっていく999、そして流れるゴダイゴの主題歌…というエンディングは屈指の名シーンだ。

配給収入は予想を上回る16億5000万円となり、79年度の邦画の第1位。これはアニメ映画史上初の快挙だった。

この年に公開された近未来を描いた作品といえば、「マッドマックス」(ジョージ・ミラー監督)がある。近未来の荒廃したオーストラリアを舞台に、警察官のマックス(メル・ギブソン)と暴走族の激しいバトルを描いている。

マックスの愛車「フォード・ファルコン V8インターセプター」は今作から登場。何編も続編が制作され、「マッドマックス2」のブッ飛んだ世界観は「北斗の拳」へと踏襲されていく。

日本では独自の挿入歌「ローリン・イントゥ・ザ・ナイト」が付けられたが、これを歌っていたのが串田アキラ。この曲をきっかけに「太陽戦隊サンバルカン」(81~82年、テレビ朝日系)の主題歌を歌うことになる。

広川太一郎の吹き替えで人気を博したマイケル・ホイ率いるホイ3兄弟のドタバタコメディー「Mr.Boo!」の公開もこの年だ。

■銀河鉄道999 松本零士原作のSFコミックと、それを原作とするアニメ作品。テレビでは1978年9月14日~81年3月26日に全113話を放送。映画は第1作が79年8月4日公開。第2作「さよなら銀河鉄道999」は82年8月1日に公開された。

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